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zoom RSS 映画評「マイ・ブラザー 哀しみの銃弾」

<<   作成日時 : 2015/05/27 09:13   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2013年フランス=アメリカ合作映画 監督ギヨーム・カネ
ネタバレあり

フランスの俳優ギヨーム・カネがかつて作った自作を舞台をアメリカに移してセルフ・リメイクした犯罪映画。

1974年のニューヨーク、妻をレイプした男を殺した罪で服役していたクライヴ・オーウェンが出所し、刑事をしている弟ビリー・クラダップらに迎えられ、彼の紹介する店で真面目に働き始め、そこの事務員ミラ・クニスと恋仲になるが、世間は元服役者には厳しく、結局昔馴染みから紹介される強盗に手を染める。弟は、少年時代から彼を更生させようと心を砕いて来たが、その思いが兄にはなかなか通じず、刑事という仕事との狭間で苦しむことになる。

という兄弟の確執と夫々の葛藤の物語で、舞台をアメリカに移しても実にフランス映画的である。それもアラン・ドロンやジャン=ポール・ベルモンドが人気のあった1960年代後半から70年代前半のようなフレンチ・ノワールのような味わいで、良い意味でのんびりしている。カー・チェースにしても迫力など全然求めず、至って現実的である。

弟は逮捕した男の妻で昔の恋人ゾーイ・サルダナを巡って出所した男から命を狙われる羽目になり、彼女と共に逃げようとするところを警察の目の光る兄が援護射撃に入る。

というのが幕切れで、最後のシークエンスに滲み出る兄弟愛がこれまた頗るフランス的である。まず、退職した弟の刑事としての忠義ぶりに心を動かされた元同僚が彼に電話で兄の逮捕に関する情報を流す。ここからしてなかなか良いが、弟が無言でノック3回で危険が近づいていることを知らせるのが、少年時代のエピソードを布石にした展開で実に味わい深い。台詞を用いていないのが良い。そして追跡と逃走をカップリングした最後の一幕へと突入していく。終始写実的な描写に推移し、徐々に滋味が溢れて来てオールド・ファンをじーんとさせる。

任侠映画的であるとか、韓国映画的であるといった意見については否定する必要を感じないものの、大袈裟な表現や派手さを求めない辺り、やはり、かつてのフランス映画的というのが一番近い。

40年前にタイム・スリップしたようです。「さらば兄よ」と改題したい。

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コメント(2件)

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タイムスリップーまさに!
レイプした男を殺して実刑というのは納得できないですね。
日本だと執行猶予が付くとおもうんですけどね。
アメリカの法律はわからんですけど。
ねこのひげ
2015/06/01 05:40
ねこのひげさん、こんにちは。

その場でやったのではなく、後で計画的に犯行に及んだということなのかもしれませんね。映画ではよく解らなかったですが。
法律には理不尽なところもあるです。
オカピー
2015/06/01 10:53

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