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zoom RSS 映画評「続・荒野の用心棒」

<<   作成日時 : 2015/05/22 08:57   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1966年イタリア=スペイン合作映画 監督セルジョ・コルブッチ
ネタバレあり

本作にオマージュを捧げるべく三池崇史が「スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ」(2007年)を、クエンティン・タランティーノが「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012年)を作った。
 にもかかわらず、子供時代のヒーローだったジュリアーノ・ジェンマやクリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタンが比較的容易に観ることができるのに対し、カルト的には現在一番人気のある作品であろう本作は余り観ることが出来ない。死ぬまでにもう一度観られるだろうかと思っていたところ、今回NHK−BSの西部劇枠(火曜日午後1時)で久しぶりにお目にかかることができた。

南北戦争終了直後メキシコ国境に程近い辺境で、南軍将校の率いる残党とメキシコ革命軍が争っている。そんな環境下で、白人女性マリア(ロレダナ・ヌシアク)が一旦身を投じたメキシコ部隊から何故か逃げ出し、双方が彼女を巡って殺し合う。
 マリアの行動の意味はしかと説明されず、序盤のうち彼女は両者が対峙する状況説明の為に繰り出される狂言回しである。

その様子を伺っているのが訳ありの流れ者ジャンゴ(フランコ・ネロ)。
 棺桶をいつも引きずっているのがユニークで、少し後でその中身が判り、当時本場西部劇の良識的展開を是としていた観客の度肝を抜いた場面が繰り広げられる。
 中に入っていたのは、既にお馴染みのマシンガンで、ジャンゴの挑発に乗ってのこのこやって来た南軍残党をなぎ倒す。

棺桶は「荒野の用心棒」にも出て来たから当時の観客でも「またかい」ってなものであっただろうが、南北戦争直後のお話にマシンガンが登場し一網打尽にする描写は初めてではなかっただろうか。従来の決闘のイメージを大きく崩す一作であり、泥の中を引きずられる棺と合わせて本作がカルト化した最大の理由であると思う。

しかし、上記セルジョ・レオーネ監督作とは全く関係ないのに奇妙な邦題になった所以であろう、主人公が二者の間に入ってかき乱す「用心棒」(1961年)もどきの設定は肩すかし気味で、お話は余り面白くなっていかない。

中盤は主人公が革命軍を使ってメキシコ政府軍の持つ黄金を略奪を画策する一幕。それを横領して逃げようとしたのにマリアがついて来た為に失敗、裏切りに怒った革命軍に手をつぶされた後彼らを倒した南軍残党とどう対決するか。レオーネより残虐で泥を前面に押し出して汚らしいが、底流にあるのは意外なほどのセンチメンタリズムである。その好悪が評価を分けるところで、僕は断然レオーネを買う。

加えて、(この時代の)イタリア映画に特徴的な、意味薄弱なズーム(イン&アウト)がくどい。セルジョ・コルブッチはその中でもひどく、いつもうんざりさせられるのだ。が、彼にしては比較的多用されていない部類かもしれない。

ロレダナ・ヌシアクはこれ以外に観ていないと思うが、若い頃のシルヴァーナ・マンガーノ系の美人。

名に反し 寝る子も起す フランコ・ネロ

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ウエスタン・・・セルジオ・レオーネ
息苦しくなるような「復讐劇」である。 ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2015/05/22 10:53

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
初めて観たとき棺桶からマシンガンが出てきたときは驚きました。
まさに寝ていた子が起きましたね。
その後、何度か見ましたが、水戸黄門の印籠のごとく出るぞ出るぞと楽しみにしておりましたよ。
調べたら、この時代にすでに機関銃は存在していた事を知り、時代考証はちゃんとしていたんだと納得。
ねこのひげ
2015/05/24 16:56
ねこのひげさん、こんにちは。

>マシンガン
劇場公開より数年遅れてTVで観ましたが、決闘の定石を破って「あらまっ」という感じでしたなあ。

昔気になって僕も調べましたが、確かにマシンガン自体はあったようですね。しかし、同時のものは厳密には少しタイプが違うそうです。
オカピー
2015/05/24 19:06
フランコ・ネロのジャンゴがいちばん好きなんですよ。
マカロニだし、西部劇といっては怒られるのでしょうけれども、子供の時テレビで観て本当に好きになったウエスタンはこれだけかもしれない。自分でも悪趣味だなとは思いますが(笑)、フランコ・ネロがよかったのでしょうね。
子連れ狼などゲテモノ時代劇に似たどぎついおもしろさがマカロニなんですが、人によっては嫌われるだろうなと。マカロニは好きな私も何故かゲテモノ時代劇は弱いですし。
nessko
URL
2015/05/24 23:54
nesskoさん、こんにちは。

当方は、マカロニから入り本場西部劇に移り、マカロニは随分変だったのだなあと感じましたが、久しぶりにマカロニを観たら案外まもとだったじゃないと思い直し、今日に至ります。

僕は、当時の女性ファン同様、ネロよりジェンマのファンでしたから「荒野の1ドル銀貨」が当初のご贔屓作品でしたね。

最近はCGを使って何でも見せますから、当時は酸鼻を極めると言われたマカロニ・ウェスタンの残酷味すら可愛く見えますよ。
オカピー
2015/05/25 21:27

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