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zoom RSS 映画評「魔女の宅急便」(2014年版)

<<   作成日時 : 2015/04/08 10:42   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年日本映画 監督・清水崇
ネタバレあり

僕もうっかりそう思っていたのだが、正確には、宮崎駿監督のアニメのリメイクではない。角野栄子の児童文学の再映画化である。で、その旨を述べる人の多さに僕も安心した(笑)。恐らく、アニメが発表された時点で原作がさほど有名でなかったからではないだろうか。

序盤のお話はアニメ版と大体同じで、魔女(宮沢りえ)と人間(筒井道隆)とのハーフである魔女キキ(小柴風花)が、13歳になった為しきたり通りに魔女のいない町で修業をすることになる。唯一できる空を飛ぶ能力を使って、相棒の黒猫ジジと共に出発、とある港町に降り立つと、パン屋の女将おその(尾野真千子)に間借りをして、得意技を生かす宅配便を始める。しかるに、これを呪いの伝搬に悪用した少女の為に悪い噂が広まって折角配達した荷物が返品され、キキは落ち込み、飛ぶことが出来なくなってしまう。

ここら辺りからアニメとの乖離が目立ち、作劇が極端になり(児童文学たる原作に近いのだろうか?)、首を傾げることしばしば。その中でも、一連の動物園騒動がいけません。
 まず、彼女の登場に興奮したのか、ライオンが子供カバの尻尾を噛む、という事件が序盤に発生する。後半その子供カバを救うために離れ小島にいる生物学者(浅野忠信)のところへ届けるという役目がキキに回ってくる。台風の為に船などは出せないというのである。飛べなくなったキキは必要に迫られて再び飛べるようになる(しかし、カバを運ぶだけでも相当な難題であろうに、そこに加えて台風とは)。母親魔女の「好きでやらないと魔法は効かない」という言葉が伏線となっているわけで、感動的ですねえと言いたいところだが、12歳以下のお子様でないと心が動かされるということはまずなさそうだ。

キキに絡んでくる人々が彼女の魔法を無力化する程にいじけた人ばかり。それが子供カバ事件で彼女の能力から、町の人々の差別、登場人物のひがみ根性まで一気に全てが解決してしまう、古代ギリシャ劇もびっくりの“デウス・エクス・マキナ”状態だから、大人としては少々挨拶に困るわけでござる。
 かくして問題は全て消えるのに幕切れで爽快感が少ないのは、日本的にうじうじした人々が登場しすぎるというだけでなく、この極端な作劇に脳が拒否反応を示すのであろう。「呪怨」シリーズの清水崇が監督だから呪われた・・・というわけではあるまいね(共同で脚本もお書きになっているが)。

人力飛行を目指す少年とんぼ(広田亮平)とジジの存在感が妙に薄いのも、アニメと比較すると気になる。新人・小柴風花ちゃんはなかなか魅力的。

お子様向けならこれくらい極端な作劇も仕方ないでしょう。

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魔女の宅急便(2014)
高梨沙羅がスキー板を箒に替えた的な 公式サイト。角野栄子原作、清水崇監督。小芝風花、尾野真千子、広田亮平、山本浩司、新井浩文、吉田羊、寿美菜子、YURI、LiLiCo、浅野忠信、筒 ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2015/04/08 13:38

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
正直、宮崎アニメがなければこの原作が売れることもなかったし実写化されることもなかったでしょう。
宮崎駿さんは実にうまくいらない部分を省いてアニメにしてます。
実写版は、いささか・・・・原作に近いのが残念であります。
アニメに近い状態にすれば、小柴風花ちゃんももっと映えたのではと惜しまれます。
ねこのひげ
2015/04/12 06:30
ねこのひげさん、こんにちは。

>宮崎駿
原作をいじると狭量な原作ファンから怒られることが多いわけですが、宮崎氏は本歌取りがまことに上手い人ですよね。
「となりのトトロ」における「ピーター・パン」、「千と千尋の神隠し」における「不思議の国のアリス」などちょっと解らない形で本歌取りをしていますし、原作ものですら原作を本歌に留めてしまうくらいの大胆さが発揮できる時に良い作品が出来上がっている気がします。「魔女の宅急便」もそうだったのではないでしょうか?
オカピー
2015/04/12 17:13

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