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zoom RSS 映画評「ばしゃ馬さんとビッグマウス」

<<   作成日時 : 2015/04/24 09:28   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年日本映画 監督・吉田恵輔
ネタバレあり

先月「麦子さんと」を見たばかりの吉田恵輔監督の作品。

34歳の脚本家志望・麻生久美子は馬車馬のように脚本を書いてコンテストに応募するが、一次審査すら通ったことがない。才能のなさを痛感しつつ、若い山田真歩と一緒にシナリオ・スクールにまた通ってみる。
 そこで知り合った二十代の安田章大は一本も書いたことがないくせに大きな口を叩くので全く気に入らない。それでも監督を知っていると言うので、コンパに付き合ってみたら建築の現場監督でした・・・といったお笑いの後、後輩の山田嬢がプロデューサーに認められて(裏があるでしょう)ちょっとした小品を任されたり、昔同学の士で今は売れっ子になった脚本家に出会っても忘れられていたり、脚本の取材の為にボランティアで介護士の真似事をしてみると失敗続きで「甘い」と元俳優志願の岡田義徳に叱られたり、益々落ち込む。
 片や安田君は彼女に気があるのに相手にされないどころか罵倒されるうちにやっと本気を出して書いてみる。彼女には自分の書くものよりよく感じられる。彼女も自分の奮闘記を綴って最後と決めた応募に挑戦し、二人とも見事に落選する。彼は数多の落選に堪えてきた彼女の強さに素直に感嘆し、彼女は自分より少し才能があるように感じる彼にエールを送って、故郷に帰っていく。

実は彼女が最後の落選をするまで事実上の劇中劇で、彼女の自分の生活を綴った脚本を書くと決心する場面でその仕組みが明確になる構成であるが、そうした入れ子構造の仕組みを作者が生かす気を感じられないのが勿体ない。と思いつつ、よく考えてみると、落選した脚本なのだから綺麗に着地するわけもないのだと(勝手に)納得させられる。その意味ではよく出来た脚本なのかもしれない(本作本編のほう。少しややこしいですね)。

テーマは夢を諦めることの難しさ。夢を追うことの素晴らしさと違って、実に珍しいテーマである。このひねくれ具合が現実的で鑑賞者の生活感情に訴えるものがある。庶民の苦闘に視線を下降する厳しさがある。ほろ苦さと切なさを残しつつ、微笑みながら去っていくヒロインの姿が清々しい後味を感じさせて悪くない。

僕も懸賞金と大きな仕事(文学作品の翻訳)が貰えるチャンスを狙って5年連続で英語翻訳コンテストに応募したけれど、なかなか厳しいものがありました。アメリカの友人にも協力してもらったのだけれどねえ。ヒロインの気持ちが良く解るデス。

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ばしゃ馬さんとビッグマウス
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佐藤秀の徒然幻視録
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カノンな日々
2015/04/24 10:02
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』
□作品オフィシャルサイト 「ばしゃ馬さんとビッグマウス」□監督 吉田恵輔 □脚本 吉田恵輔、仁志原 了□キャスト 麻生久美子、安田章大、岡田義徳、山田真歩、       清水 優、秋野暢子、松金よね子、井上 順■鑑賞日 11月4日(月)■劇場 横浜ブルグ13... ...続きを見る
京の昼寝〜♪
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ばしゃ馬さんとビッグマウス ★★★
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2015/04/24 17:57

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
まあ、ほとんどの人間が落選するわけでありますし、成功しておおいばりしている人間も数年後には路頭に迷っていることもありますからね。
織田信長しかり、豊臣秀吉然りであります。
ねこのひげ
2015/04/26 05:50
ねこのひげさん、こんにちは。

>織田信長
平家もそうでしたね。盛者必衰の理をあらわす・・・とか言って^^
オカピー
2015/04/26 20:11

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