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zoom RSS 映画評「グロリアの青春」

<<   作成日時 : 2015/02/24 09:18   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年チリ=スペイン合作映画 監督セバスチャン・レリオ
ネタバレあり

実に珍しいチリ映画であります。

60歳に近い離婚女性グロリア(パウリナ・ガルシア)が、趣味の一つであるダンスクラブで知り合った遊園地経営ロドルフォ(セルヒオ・ヘルナンデス)と親しくなるが、彼が仕事をしていない元妻・二人の娘を依然として養っている為に誠に煮え切らず、二人は離合を繰り返す。遂に堪忍袋の緒が切れた彼女は、彼から貰ったおもちゃの猟銃で軽く男を懲らしめると、娘の結婚式に出かける。

言わば老いらくの恋を女性の立場から描いたドラマで、趣味に励む様子や上の階から紛れ込んでくる猫の描写により孤独をごく間接的に表現した上でその恋模様を展開させているのは良い。

しかし、幕切れには不満がある。自分の名前と同じローラ・ブラニガンの名曲「グロリア」(歌っているのはチリの歌手らしい)に合わせて踊るヒロインの本当の心情が読み取りにくい。主人公の心情を曖昧にしたが故に含みのある秀作になった「小さいおうち」と違って、本作の構成では明快に描出した方が良いと思われるのである。
 相手男性の本当の立場は定かでないものの、結果的にヒロインが彼に弄ばれた形で終わるので、日本やアメリカの映画作家ならもう少し苦い味を伴わせるところを、必ずしもそう見えないしたたかな女性像に仕立てられているのはラテンアメリカ気質と言うべきか。

迷い猫は恋を求めているヒロインを象徴しているかと最初は思ったが、どうも男性の方で、飼い主に連れ戻される猫同様やはり家に帰っていくのである。本当にシンボライズしているのかどうか僕は保証しませんがね。

犬と猫が登場人物をくっきりとシンボライズする「犬猫」(2004年)という興味深い邦画もありました。

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グロリアの青春 ★★★.5
結婚や子育て、離婚を経験したキャリアウーマンの58歳の女性をヒロインに、新しいパートナー、息子や娘との関係を赤裸々に描くチリ発のヒューマンドラマ。仕事をこなし、余暇にはダンスを楽しむ中年女性がある男性と出会うも、前妻や子どもたちに振り回される相手に失望し... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2015/02/24 17:09

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ラテン系にはラテン系のありようがあるという事でしょう。日本人には日本人にしかわからない心情があるように・・・
と納得するしかないかも・・・・
欧米人は、納得できないところを東洋の神秘と言ったりしてますからね。

アカデミー賞の発表がありましたが『バードマン』が面白そうですよ。
町山さんによれば、全編をワンショットの長回しで撮影しているそうです。
どうやったのか?観るのが楽しみであります。
ねこのひげ
2015/02/24 18:25
ねこのひげさん、こんにちは。

ハッピー・エンドのはずなのに、カップルが苦い顔をして踊る「コンペティション」という映画も少し思い出しましたが、あの作品の終わり方も少し違うわけで。

>全編をワンショット
「エルミタージュ幻想」という作品が全編ワンショットでした。あれはドキュメンタリーみたいな作品ですから比較的やりやすかったと思いますが、一般ドラマであればもっと大変ですね。
「つぐない」という僕の好きな作品にも強烈な長回しがありましたが、そういうのを専門に請け負うところが処理したようです。

いずれにしても、フィルムを使わなくなったからできる芸当であり、またコンピューターがあるので実際には分けたショットも一つに見せることが出来るのですね。
かと言ってそう簡単にできるわけでもなく、裏方さんが大変ですよ、これ。
オカピー
2015/02/24 20:22

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