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zoom RSS 映画評「モスダイアリー」

<<   作成日時 : 2015/01/24 09:42   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2011年カナダ=アイルランド合作映画 監督メアリー・ハロン
ネタバレあり

全寮制女子高生と吸血鬼の組み合わせらしいことから、「トワイライト」サーガの甘っとろいイメージが脳裏をよぎって観る予定はなかったのだが、スケジュールも空いたことではあるし82分と短いので急遽観てみた。結果としてはオーソドックスなゴシック・ホラーとして思いの外楽しめた。IMDbの投票平均値が4.9と相当悪いのは、僕も感じた不親切な作りによるものと思われる。確かに説明不足であるという不満は禁じえないが、クラシックなムード醸成が良く、かなり大目に☆★を進呈する次第。

詩人の父親を自殺で失ったレベッカ(サラ・ボルジャー)はその傷心もかなり癒え、親友ルーシー(サラ・ガドン)らと和気藹々と寮生活を送っている。しかるに、謎めいた転校生エネッサ(リリー・コール)が新しく仲間に加わると、ルーシーの心はエネッサに傾倒し彼女から離れたので、他の友人と新入生の動向をチェックし始める。ある時外から帰って来たエネッサが締まっている窓に通り抜けるという怪奇現象を目撃、翌朝その友人が墜落死体が発見される。程なく一人の女教師が死体となって発見され、著しく衰弱して入院したルーシーも結局死んでしまう。

と、この辺りまでは説明不足であったり、場面が飛ぶような感じで不明な点が幾つかあるにしてもアウトラインは容易に理解できるが、映画的に全く舌足らずでかなりのマイナス・ポイントだなと思われるのは、レベッカがエネッサの棺桶を発見する件(くだり)。レベッカがエネッサの正体にいつ如何(どう)気付いたのか正確に解らない上に、寄宿舎の秘密について観客は全く知らされていないので、レベッカが鍵を拝借して入った地下室でエネッサの名前の入った棺を発見するのが全く唐突に過ぎて観客はぽかんとするしかないのである。

血は何度も出て来るし、国語の男性教師(スコット・スピードマン)が吸血鬼の話はするものの、エネッサが血を吸う場面もない。棺桶で眠っているところから判じて吸血鬼という理解で間違いはなさそうながら、幽霊と思われる描写もかなりあるので、断言しにくい。かくして本来理屈っぽい左脳人間の僕としては酷評せざるを得ないところだが、この作品に関しては、グロテスクな描写を基本的に排し、寄宿舎という閉鎖的な場所に怪奇が繰り広げられる昔風のゴシック的ムードに良い気分になって、展開の弱体ぶりについて目を瞑りたい気持ちになったのである。

レ・ファニュの古典「吸血鬼カーミラ」のレズビアン的ムードが再現され、(名前に関しては偶然かもしれないが)ブラム・ストーカー「ドラキュラ」の登場人物と同じ名前ルーシーや20世紀ゴシック小説の代表格「レベッカ」の名前を持つヒロインなど思わせぶりなところも僕には良い方に機能した形。
 しかし、建物(の構造)が重要な役目を負うことが多いゴシックものだけに、その辺りにもっと入念な説明的描写があればぐっと良くなったと思う。

wikipediaをチェックしたところ、近年の吸血鬼ものの数の物凄いこと。食傷でござる。

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「モスダイアリー」
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或る日の出来事
2015/01/24 22:27
13-273「モスダイアリー」(カナダ・アイルランド)
日記や本では救われない   父の自殺のショックから立ち直れずにいる少女レベッカ。古いホテルを改造した全寮制の女子校で、親友ルーシーの明るさに元気づけられながら学生生活を送っていた。  そんな2人の前に、美しくミステリアスな転校生エネッサが現われる。ルーシーはたちまちエネッサに魅了され、少しずつレベッカから離れていってしまう。  時を同じくして、学園内で不可解な事件が立て続けに起こる。  授業がきっかけで吸血鬼小説『カーミラ』に夢中になっていたレベッカは、エネッサの言動に不審を抱き、... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
吸血鬼はいい加減飽きたので「あっ!?」と驚くような新しいアイデアの映画が出てこないものですかね〜(*‘ω‘ *)
ねこのひげ
2015/01/26 02:40
ねこのひげさん、こんにちは。

「フロム・ダスク・ティル・ドーン」辺りから急激に増えたような気がします。これはシリーズで3作も作られましたしね。
この辺りから描写も品位がなくなってきました。
オカピー
2015/01/26 17:44

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