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zoom RSS 映画評「ザ・イースト」

<<   作成日時 : 2015/01/22 10:02   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督ザル・バトマングリッジ
ネタバレあり

異色SF「アナザー・プラネット」で俄然注目した美人ブリット・マーリングが共同で製作と脚本までやってのけた社会派サスペンスで、環境テロリストがテーマである。

環境テロリストの標的となっている企業を顧客に持つ調査関連の民間企業の調査員ブリットが、“ザ・イースト”と名乗るテロ・グループに潜入、情報を会社に持ち帰ることでテロを未然に防ぐ若しくはFBIに逮捕させる為に奮闘するが、被害者の家族であったり加害者の娘であったりする彼らと一緒に過ごすうち、被害者と同じことを企業のトップ陣にやり返す手法をモットーとするグループに同情を示すようになる。が、最後に自社への攻撃を示された彼女は、会社から調査員のリストを持ち帰りながら、惹かれるものを覚えたリーダーのアレクサンダー・スカルスガルドとも訣別して第三の選択をする。

僕はずっと一元論・二元論で人生・社会を語るのは怖いと思ってきたが、彼女がその通りの行動を取ったので頗る好印象。いずれにしても、日本と違ってあらゆることが極端になりがちな欧米特にアメリカにおける社会現象の一端が垣間見える作品として記憶に値すると言うべし。正確には解らないものの、アメリカにおいては、シー・シェパード以外にも少なからぬ環境テロ・グループが反社会的な活動を行っていることが容易に想像されるのである。

映画としては、比較的硬派な内容ながら潜入捜査という興味を引きやすい要素を持ち込むことで娯楽性を打ち出した態度が大いに買える。常にヒロインの視点による描写を維持し、どちらが善か悪かといった単純な思考に走ることなく、最後に第三の結論に辿りつくという構成が秀逸と思う。
 監督ザル・バトマングリッジの展開ぶりは生真面目すぎて面白味やパンチに欠けるところがあるが、一応きちんと見せているという印象。「アナザー・プラネット」や本作の脚本から判断してブリット嬢は才能があるようだから、さらに監督をやっても良いかもしれない。

テロ・グループに与するつもりはないけれど、先進国においては実質的に人口減少を迎えているわけであり、そろそろ政府も(経済・産業だけではなく)環境にも関心を向けないとひどい目に遭うことになりそうだ。
 学者の中には否定的な方もいらっしゃるが、近年の異常気象というか気候の変動ぶりはやはり人間が産業を重視するあまりもたらしたものではないか。昨年わが家の屋根を潰した大雪は、恐らくこの地域では有史以来初めての大雪だろう。100年に一回の大雪だからという楽観論に対しては疑問ありで、今後は数年に一度くらいの頻度で起こるのではないかと、何かと悲観する傾向にある僕は思う次第である。

日本人として日本人の良さは曖昧・寛容・鷹揚にあると思っていたが、自国を異様に持ちあげたり、小さな失敗をした者に対する過剰なバッシングなど、近年の風潮はどうだろうか。自信のなさの裏返しだろうか?

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ザ・イースト ★★★
『アナザー プラネット』『ランナウェイ/逃亡者』などで注目を浴びる女優、ブリット・マーリングが主演、製作、脚本を手掛けたサスペンス。自然破壊をもたらす企業を標的にする環境テロ集団への潜入捜査に挑む女性が、彼らの理念に共感しながらも犯行を食い止めようとする... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
環境テロの連中の無知のために細菌を体内に持った猿が外部に出て大騒ぎになったこともありますね。
娯楽として観る分にはいいですけどね(*_*)

日本には八百万の神々がいるから、もう少し寛容かと思っていたんですが、インターネットの普及による弊害でしょうけどね。
顔が見えないのをいいことに攻撃しているわけで・・・
イスラム国の連中とたいして変わらないという事でしょう。
愚かな人間という同じ生物ですからね。
ねこのひげ
2015/01/22 17:17
ねこのひげさん、こんにちは。

僕なんかもその部類なんですが、半可通というのは困るんですよね(笑)。
猿の件はうろ覚えですが、ありました。

>インターネットの普及
それに尽きるでしょうね。
匿名性による、異様な強がりなんでしょう。日本人全体の自信の喪失がそれを余計に強めているような気もします。何とも言えないところもありますが。
オカピー
2015/01/22 21:23

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