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zoom RSS 映画評「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」

<<   作成日時 : 2014/11/21 08:35   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1966年日本映画 監督・佐伯清
ネタバレあり

高倉健死す。83歳。年齢的には仕方がないとは言え、新作を準備中だったということで残念でならない。
 今世紀に入ってからは有名な大物が亡くなっても改めて追悼的に作品を観ることがなかったが、日本映画界の大物中の大物につき今回は避けられないと思い、ライブラリーの中から健さん前期の代表作、「日本侠客伝」シリーズと並ぶ人気シリーズ「昭和残侠伝」第二作を選んだ。

少年時代から大学に入るくらいまでたまに昼間(多分日曜だろう)健さんの任侠映画を放映していたのをチラリと観たことがあるが、通して観るのは初めて。任侠映画という以上に、東映のセンスが余り好みでなかったのである。

昭和初期、任侠の健さんが弟分の津川雅彦の結婚に因縁を付けて来た組の為に縁もゆかりもないヤクザの親分と斬り合って殺す。
 三年後出所した彼はその墓に参り、未亡人・三田佳子と幼い息子(穂積ペペ)と出会い、石切り場を巡って苦労している彼女の組の為に色々と骨を折る。
 そこへ昔の組員・池辺良が現れて対決を申し出るが、相手にする代わりに結局二人で諸悪の根源である敵方ヤクザに殴り込みをかける。

というお話の基本は長谷川伸「沓掛時次郎」の正に昭和版で、型通りと言えば型通り。しかし、60年代学生運動をしていたお兄さん方が惚れ込んだという、高倉健の任侠精神と格好良さにはそういう映画的な次元を超えるものがあるのも確か。彼や時次郎をヤクザの典型と思ってはいけないが、任侠のそもそもの意味は「強きをくじいて弱きを助けること」であるからその典型ではあり、それに痺れるのは一向に構わないであろう。高倉健の映画を観た後映画館を出ると人々は健さんになったつもりで町を歩いたとよく言われるのもよく解る。

技術的には、どうにも野暮ったいイメージのある東映作品でも、さすがに1960年代の任侠映画ともなると映像が垢抜けてきている。ズームの使い方はかなり古臭いが、終盤の俯瞰撮影にはなかなか良いものがある。戦前からのベテラン佐伯清監督のセンスだろうか? 50年代の東映時代劇水準作より編集も洗練されている。

何と言っても高倉健あっての両シリーズであったのだろうと思う。

合掌。

昭和残侠伝ならぬ、昭和残響伝でした。

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映画と暮らす、日々に暮らす。
2014/11/21 14:09

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
高倉健については、リアルタイムでの印象はあまりなく、物心ついたときには吉永小百合と並んで大物映画スターとして別格扱いされていて、でも自分は彼らの映画をよく知らない、という感じでした。トラック野郎の菅原文太と寅さんの渥美清は映画館で観て記憶していますが。
レンタルヴィデオが普及した後、日活アクションや東映のやくざ映画を昔の日本映画を観るという形で見て、高倉健は網走番外地シリーズがおもしろかったですね。任侠映画は暗いので個人的には苦手、日本の時代劇のマカロニウエスタン的変奏なのかもしれません。やくざ映画なら、仁義なき戦いのような実録ものの方が見やすいです。70年代の暴力アクションに近いからでしょうか。
nessko
URL
2014/11/21 10:48
nesskoさん、こんにちは。

僕も任侠映画は苦手でしたし、高倉健を意識して観たのは「幸福の黄色いハンカチ」くらいからではなかったでしょうか。少し前の「新幹線大爆破」すらこれより後でした。

>日活アクション
衛星映画でよく観ました。
無国籍映画と言われて荒唐無稽、恥も外聞もなく、英米映画から色々と拝借して作っているのが却って愉快でした。

>網走番外地シリーズ
第1、2作くらいしか観ていませんが、仰るように面白かったです。こちらのほうが任侠映画よりぐっと明朗でしたね。

>仁義なき戦い
シリーズ最後までは観ていませんが、僕が最初に観たヤクザ映画だと思います。
同時代のマフィア映画で言うと、「ゴッドファーザー」より「バラキ」が近いのですよね。
オカピー
2014/11/21 21:27
>日活アクション
タランティーノを過大に持ち上げるより、日活アクション観たほうがいいですよね。時間も短いし、どんどんテレビ放映するといいのに。
小林旭は歌もうまいですよね。仁義なき戦いにも3から出ていますが、よかったです。
nessko
URL
2014/11/22 17:53
nesskoさん、こんにちは。

>タランティーノ
全く同意です。
彼はB級映画ファンの癖に、どうしてあのように長くなるのか解りませんね。
マカロニ・ウェスタンでもセルジョ・レオーネは長かったので、似ているような感じもしますが。

僕も大学時代くらいは生意気で、小林旭の「渡り鳥」シリーズなど半ば馬鹿にしていましたけど、もう少し大人になって再鑑賞したらなかなかどうして面白いし、映画的にしっかりしているのも少なくないと解りましたね。
オカピー
2014/11/22 20:29
映画館から出てくるとき、似ても似つかない男がみんな高倉健になって肩を怒らせて歩いていたそうです。
それだけ人気があったという事でしょうが、ねこのひげは洋画ばかり観ていたので、このあたりのやくざ映画はテレビでしか見ておりませんね。

唐獅子牡丹の主題歌は高倉健さんが歌っていたんですね。
村田英雄さんあたりかと思っておりましたよ。
高倉健歌謡ショーなどというのもやっていたそうで、八代亜紀さんが前座をやっていたとか・・・
後の高倉健さんしか知らない身としてはビックリです。
ねこのひげ
2014/11/24 05:45
ねこのひげさん、こんにちは。

僕も70年代半ばまでは洋画しか見ませんでしたが、その後にしても80年頃までは世界的な監督の邦画(黒澤明、小津安二郎、溝口健二、木下恵介、成瀬巳喜男、今村昌平、山田洋次)くらいの作品だけでしたね。
僕も東映は観るとしてもTVだけでした。

>主題歌
高倉健の歌というのは知っていましたが、村田英雄が歌っていたと言われれば「そうだったけか」と思ってしまう程度の知識です。
オカピー
2014/11/24 21:12

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