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zoom RSS 映画評「いとしきエブリデイ」

<<   作成日時 : 2014/11/13 08:35   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2012年イギリス映画 監督マイケル・ウィンターボトム
ネタバレあり

マイケル・ウィンターボトムの日本で公開された監督作品は大体観ている。特に1990年代から今世紀初めくらいは注目していた。近年世間的に余り話題になることが少なくっている気がするが、基本的には僕の苦手なセミ・ドキュメンタリー系の作家なので、気に入った作品と言えばトーマス・ハーディの名作「日陰者ジュード」を映画化した、ドラマ性の高い「日蔭のふたり」などそれ程多くはない。しかし、その観照的なタッチ故に映画作家としては大いに評価している。

正確な罪状は解らないが微罪で服役中の男性ジョン・シムの一家のお話で、定期的に妻シャーリー・ヘンダースンが四人の子供のうち二人ずつくらいを連れて面会に行き、やがて外出許可が出て一家で過ごすうちに、5年の歳月が流れる。
 その間に妻が浮気を告白して彼が動揺するといった小事件はあるものの、釈放された父親を交えた一家の絆は却って堅くなる。

妻の浮気以外はこれといったドラマ性はなく、成長して反抗期に入った次男の態度が少し波を立てる程度で、家族の交流がごく淡々と描かれるだけである。所謂ドラマはないから大衆的な見地からはそう面白いとも言えないものの、父親が服役中であるとは言えありふれた下層階級の一家の日々が胸に迫る個所もある。CG満載アクション、ゾンビに、品性のないコメディー映画に明け暮れるハリウッド映画にうんざりしている身としてはすがすがしい気分になるくらいだ。

四人の子供は、ショーン(次男)、ロバート(長男)、カトリーナ(長女)、ステファニー(次女)のカーク姉弟が実名で登場し、撮影に5年を要しているらしい。その間に8歳だった長女は13歳に、3歳だった次女は8歳になる。
 父親の誕生日祝いが4回できなかったと家族は言い、TVも薄型に変わり、月日の流れを反映させる。この映画のテーマは不完全な一家の(失われた)5年の日々である。観客がそれを感じることが出来れば監督としては満足であると思う。

彼らの演技を観ているうちに是枝裕和監督を思い出した。ウィンターボトムの映画作家としてのスタンスはセミ・ドキュメンタリーのタッチと言い、素人子役の使い方と言い、是枝監督に近いのではないだろうか。

☆は控えめにしておいたが、ハリウッド映画にうんざりしている方はどうぞ。但し、睡眠不足の方は【舟を編む】ならで【舟をこぐ】かもしれませんがね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
淡々とした時の流れを描こうとしたんでしょうが・・・
大騒ぎする作品よりこういった作品のほうが難しいでしょうね。
冬の底・・・・真冬?・・・動かない時の流れ?
ねこのひげ
2014/11/16 10:57
ねこのひげさん、こんにちは。

こういう観照的な作品ははまればグッときますが、そうでない場合は確実に眠くなります^^;
オカピー
2014/11/16 15:04

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