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zoom RSS 映画評「街の灯」

<<   作成日時 : 2014/09/17 09:23   >>

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☆☆☆☆☆(10点/10点満点中)
1931年アメリカ映画 監督チャールズ・チャップリン
ネタバレあり

映画評論家に映画史上のベストを選ばせると、チャールズ・チャップリンの作品では「黄金狂時代」(1925年)が必ず上位に食い込むのだが、僕の頭脳は未だにあの作品の凄さが掴み切れないでいる。その点ぐっと叙情的で大衆的な喜怒哀楽に富んだこちらにはピンと来る。

広場で除幕式が行われ、いざ幕を取っ払ってみると、像の上に浮浪者チャーリーが眠り込んでいる、という開巻直後の場面から絶好調で、映画史上でも稀に見る上手さの主人公紹介である。
 続いて、チャーリーが親切心から盲目の花売り娘ヴァージニア・チェリルから花を買うが、そこへ通りがかった紳士が紙幣を渡した為彼女は彼を富豪と勘違いする。
 この勘違いが作品の基調となって最後まで楽しませてくれる最大要因である。

さらに続いて、泥酔して入水しようとしているところを助けられた富豪ハリー・マイヤーズは恩人のチャーリーを友人扱いするが、この富豪氏、酔いから覚めるとすっかり酔っている時の記憶を失う。この設定が終盤大いに効いて劇的に大変盛り上がることになる。

この富豪氏には大いに笑わせて貰えるが、笑いと言えば彼女と祖母の家賃を払う為にチャーリーがアルバイトとして参加するボクシングの場面には抱腹絶倒、チャップリン映画のお笑いの中でも1、2位を争う可笑しさである。ナイトクラプでの珍プレイの数々も可笑しく、場違いの場所にいる登場人物が織りなす笑いの典型を示して誠に秀逸。

さて終盤、富豪氏から娘の目の手術用に1000ドルを貰った後強盗が登場、昏睡から覚めた富豪氏がチャーリーを知らん男だと言ったものだから哀れ浮浪者は塀の中に入ることになるも、その前にお金を娘に渡していた為所期の目的は達成される。

凡そ半年後出所してさらに貧しさを増した彼が、目の見えるようになった娘と彼女が開いた店の前で再会する。恩人とも知らず子供たちに虐められるチャーリーを笑う彼女。しかし、哀れをかけて触った手の感覚から彼が恩人と気付く。この場面の、「あなたでしたの」という有名な字幕を挟んでの呼吸が実に素晴らしい。目では解らなくても手が解る。
 全編映画作りのお手本のような作品の中でも白眉とも言うべき幕切れで、その前に彼が何気なく手に触れさせないようにしている配慮も感動的だ。

僕はやはりこの作品が一番好きであります。

「まちのひ」なのか「まちのあかり」なのかそれが問題じゃ。

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街の灯
(1931/チャールズ・チャップリン監督・製作・脚本/チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル、フローレンス・リー、ハリー・マイアーズ、アラン・ガルシア、ハンク・マン/86分) ...続きを見る
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映画評「ライムライト」
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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
映画のタイトルは「まちのひ」でしたよね。
「まちのあかり」はマチャアキの歌のタイトル。つうか、歌詞が“まちのあかり”ってなってますから。

好き嫌いでいっても「黄金狂時代」とこれは僕の中では甲乙つけがたい作品でありまして、笑える度でも勝負がつかない感じですな。
どちらのチャーリーもいじらしいほどの純情男なのが捨てがたくなるわけです。
泣ける度ではこっちの方が一枚上かもですが・・・。
十瑠
2014/09/17 14:54
十瑠さん、こんにちは。

>マチャアキ
このシングル買ったような・・・いや、買ったのは「さらば恋人」だったかな(笑)
「ともしび」とも読めるし、灯という字は実に嫌らしいですね^^;

「黄金狂時代」はバージョンが二つあるというのがすっきりしないところでもあります。大勢には影響がないのかなあ。
僕には「黄金狂」はドライ、こちらはリリカルという気がします。
この作品ではチャーリーが車の運転をまがりなりにできるのにびっくり、或いは昔は本当の紳士だったのではないかと思ったりもしました。
あの幕切れ、最高でしたね。
オカピー
2014/09/17 20:15
『灯』・・・・『女』を”お前”と読ませたり、”人”と読ませたり、多様性のあるところが日本語の面白い所でありますね。

この作品は最高ですね。何度観ても飽きません。
昔、チャリーは大富豪のボンボンで純情で落ちぶれたけど、しかし純粋さを失っていない・・・・というところかな?
ねこのひげ
2014/09/19 02:52
ねこのひげさん、こんにちは。

元来中国の文字ですから、意味さえ合えばどうにでも読めるわけですね^^
最近の芸能人の中には、漢字を「日本の文字」と発言する人が多いですが、良い大人が何を言っているんだか^^;

>大富豪のボンボン
そういうのを想像するのもこの手の映画を観る時は楽しいですね。
オカピー
2014/09/19 20:05
>「あなたでしたの」という有名な字幕

本当に泣かせました・・・

赤塚不二夫氏がこの作品を真似た漫画があります。
目が見えない少女が見えるようになる話。
「はくち小五郎」の中の一話
蟷螂の斧
2016/06/24 06:57
蟷螂の斧さん、こんにちは。

>赤塚不二夫氏
僕は漫画を殆ど読んでこなかった人間なのですが、聞いたことがあるような気がします。確かに読んだことはないのですが(笑)。

この作品に影響を受けた作品は多いと思います。今年観たインド映画「バルフィ! 人生に唄えば」は本作の始まりそのものでした。
オカピー
2016/06/24 22:09
>ボクシングの場面

動きが笑えます

>「まちのひ」なのか「まちのあかり」なのかそれが問題じゃ。

どちらなのでしょうか

>この作品に影響を受けた作品は多いと思います。

やっぱりチャップリンは凄いです
蟷螂の斧
2016/06/25 10:58
蟷螂の斧さん、こんにちは。

「まちのひ」でも「まちのあかり」でも大勢には影響ないものの、こういうのが気になる性分(左脳人間です)^^

>チャップリンは凄い
チャップリンとキートンが続々リバイバルされた1973年頃、キートン派が「キートンは古くならないけれど、チャップリンは古く感じるよね」と言っていたのを思い出します。そういう意見が出るのは、その正否はともかく、ドラマ性の高さを裏打ちしているわけでありまして、ご贔屓としては喜ぶべきなのでしょうね。

僕などは、今1980年代の映画を見ると、古色蒼然の印象を受けることが多いです。
オカピー
2016/06/25 20:45

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