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zoom RSS 映画評「バーニーズ・バージョン ローマと共に」

<<   作成日時 : 2014/08/28 10:26   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2010年カナダ=イタリア合作映画 監督リチャード・J・ルイス
ネタバレあり

モントリオールのベテラン・テレビ作家のユダヤ人ポール・ジアマッティが30何年か前を回顧するところから始まる。作家を志していたローマ時代、最初のロシア系妻ラシェル・ルフェーヴルは典型的な破滅型芸術家で、彼の仲間の黒人青年の子を死産した後自殺してしまう。
 その後勧められて結婚した二番目の妻ミニー・ドライヴァーは大学を出ているもののかなりのミーハー。彼は自分の披露宴で見かけた美女ロザムンド・パイクに一目惚れ、元警官である父親ダスティン・ホフマンの後押し(?)もあって早々にミニーと離婚し遂に射止める。

という回想中心の前半は典型的な結婚コメディーで、ローマが絡んでいるからというわけでもあるまいが、ユダヤ人というよりイタリア人のように積極的。尤もユダヤ人の恋愛観については全く知らないので無責任なことは言えない。

子供たちが親離れする頃感情のすれ違いから妻の居ぬ間の浮気が原因で離婚にまで発展して妻は再婚、主人公は彼女を思ううちに認知症の兆候が表れて急激に衰え、妻と自分の名前を刻んだ墓石を残して死ぬ。

後半は一転して滋味あふれる人情劇になり、特に幕切れが断然優秀。墓参したロザムンドが墓から離れると最初主人公の名前が、そして彼女の名前が現れるのである。
 最近の日本では嫁いだ先の家の墓に入りたがらない女性たちが増えているようで、風情も何もなくなったものだなあと思わせるが、それでもこの幕切れは日本人の胸に迫るものがあるのではないかとも思ったりする。果たして彼女は死んだ時にこれほど愛してくれた彼の許に戻って来るのだろうか? もしイエスなら相当格好良い。

作劇的には、回想形式にした積極的な意義を感じ取れないのが残念。回想は使いやすい手法ではあるが、やや安易な印象をもたらしかねない要素も内包する。

ジアマッティは得意とする役柄をいつものように好演、ロザムンドは元々落ち着いた風貌の女優だから無理なく若い時から初老までを演じてなかなか好調。ホフマンはさすがの貫録、いるだけで良い。

ロケーションをもう少し生かせるともっと豊潤な作品になったのだが、ジャンル映画に押されてドラマ映画(の公開)が減少している昨今、中年以上の方々にお勧めできるものがある。

おかしくて やがてしみじみ ジアマッティ

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
前半がイタリアっぽく、後半がカナダかな?
なかなかよい作品でありました。
ねこのひげ
2014/08/31 07:59
ねこのひげさん、こんにちは。

良い映画なのに人気がなくて残念。
オカピー
2014/08/31 16:55

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