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zoom RSS 映画評「ザ・フォース」

<<   作成日時 : 2014/07/03 10:41   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
2011年フランス映画 監督フランク・アンリ
ネタバレあり

むむっ、日本劇場未公開でありましたか。イザベル・アジャーニが主演と知って碌に確認もしないで観てしまったが、この出来栄えでは大いなる失敗と言わざるを得ない。
 70年代〜80年代ご贔屓女優の一人だった彼女の今の姿が見られたのが収穫と言えないこともないが、かつての神秘的な印象は影をひそめ、(恐らく少し太めになった)体型を隠すコート姿が多かった。年齢を考えれば仕方がないものの、寂しいですなあ。カトリーヌ・ドヌーヴや松坂慶子のように太めをさらす度量があっても良い。但し、この作品の場合強盗鎮圧班の長という役なので余り太めでも困りますけどね。実際にはどういう事情か解らないが、確認できるショットがまずないというのは考え物。

その彼女が、連続して強盗を起こしているシモン・アブカリアンの一味を逮捕しようと、模範囚として釈放を待つ身の元強盗エリック・カントナを使う為に護送中に護衛警官を撃って脱走をでっちあげる。脱走犯として追われることになった彼は否応なく鎮圧班の指示に従い、囚人仲間だったアブカリアンに接近して得た計画の情報を彼女に漏らすが、彼と行動を共にすることになった彼女の不良息子が襲撃に遭って死んでしまう。
 そのまま進むと警察の犬であることが一味にばれる上に脱走犯として処罰されると思った彼は細工を施して、イザベルを人質にした挙句にアブカリアンを飛行機から下ろし、警察が絡んだ脱走の真相を告白、彼女の確認を得て記録に残した上で機外に出る。が、事情を知らない彼女の夫が怒りの余り殺人と全く関係のないカントナを射殺してしまう。

日本初登場のフランク・アンリなる人物が脚本と監督を担当しているが、リュック・ベッソンが登場する以前のフレンチ・ノワールに似て、非常にモタモタしている。このモタモタ感自体はかのジャン=ピエール・メルヴィルもアンリ・ヴェルヌイユもそうであったようにフレンチ・ノワールの伝統と言っても良いくらいで、時にそれが味わいやムードに繋がることもあって僕は案外好意的に評価することが多いのだが、この映画は場面の繋ぎが下手なため悪い方にしか働いていない。

具体的には、矯正が目的らしいがイザベルの息子がカントナと一緒に行動する意図が解りにくい上に、叩き上げの刑事イザベルと敵対する親の七光りである女性検事総長アンヌ・コンシニがライバル関係を超えてドラマに上手く絡んでこず、何を見せたいのかよく解らない展開に終始している。何より二人が一向にその職業にふさわしい雰囲気を出していないのが問題。

空しさの残る幕切れは、60年代後半から70年代のフレンチ・ノワール的展開で悪くはないが、監督の力量が明らかに不足していてきちんとした余韻を残さず終了してしまう。あ〜あ。

邦題も無気力だわさ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『ザ・フォース』というタイトルでSFと勘違いしましたよ(*_*)
ゆったりというか無気力なところがフランス映画らしいですね。
ねこのひげ
2014/07/03 18:38
ねこのひげさん、こんにちは。

「スター・ウォーズ」ではないですから(笑)

女性が主人公で現在的という以外は、殆ど1970年頃のフレンチ・ノワールと変わらず。のんびりが上手い方向に出れば「ぐうたらバンザイ」なんて快作にもなるわけですが、のんびりに味がなければただの冗長。
オカピー
2014/07/03 20:57

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