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zoom RSS 映画評「イノセント・ガーデン」

<<   作成日時 : 2014/06/30 10:11   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督パク・チャヌク
ネタバレあり

長年姿を消していたチャーリーという叔父さんが突然現れて、姪が彼に興味を覚えつつ、次第にその恐るべき正体に気付いていく。

あはあ、脚本氏(ウェントワース・ミラー)はアルフレッド・ヒッチコックの正統派スリラーの傑作「疑惑の影」(1943年)から着想しましたかな。チャーリーという叔父の名前も同じ。但し、こちらの姪の名前はチャーリー(かの作品では姪も愛称では叔父と同じ名前で、彼女は叔父との間にテレパシーを感じている)ではなくインディア、即ち、後半の展開はヒッチコックとはまるで逆を行くのである。

少女インディア(ミア・ワシコウスカ)は父親に猟の仕方を習っていたが、その父親が彼女の18歳の誕生日に車の事故で亡くなり、直後に叔父チャーリー(マシュー・グッド)が現れる。一見紳士の彼は、最初未亡人となったばかりの母親イヴリン(ニコール・キッドマン)を誘い、老家政婦の謎の失踪を経て、まず叔母を殺して殺人鬼の正体を現し、彼の行動を観るうちに色気の芽生えた彼女が夜のデートをしていた相手の少年を絞殺する。殺人を見て彼女は性的興奮を覚え、自分に伝わる殺人鬼の血を意識し始める。

同じような趣向の映画ばかり見せられている昨今にあっては、お話や見せ方が新鮮で、興味深く観られた。特にスタイリッシュな見せ方が面白い。コラージュで構成されたような幾つかのシークエンスがあり、そのシークエンスを構成するピースと別のシークエンスのピースとを重ねる特異なモンタージュ手法でお話を進行させていく。完全なる新機軸とは言えないまでも、心理サスペンスが実質的に殺人鬼ホラーに変わっていく内容に相当生きている。この点を高く評価したい。

純アメリカ産と思いこんで観ていたのでアメリカに久しぶりに才能を感じさせる監督が現れたなと思いきや、何と韓国の実力派パク・チャヌクなのであった。はったりも多少あるが実績のある彼ならこれくらいの作品は作れる。しかし、韓国映画やアメリカ映画というより、どこか英国映画に通ずる上品さがあるのも☆が増えた要因。

アニメ、コミックを筆頭に作品の影響力は韓国よりありながら、スタッフやキャストでの海外進出が進まぬ日本。

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イノセント・ガーデン ★★★★
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
けっこう海外進出はしているようですが、ただ声高に言わないだけのようで・・・
映画の撮影スタッフで活躍している人やCG制作で活躍している人もいるようです。
最近は小説でも三島のような文学だけでなく、ライトノベルも海外に市場を求めているようです。
トム・クルーズの映画の原作は日本のライトノベルでありますです。
ねこのひげ
2014/07/03 02:40
ねこのひげさん、こんにちは。

どちらかと言えば、裏方さんが多いんですよね。
韓国のように監督とか主演とかがまだ少ない。ホラー映画の監督が自作のアメリカ版リメイクを作ったケースが2,3あるのと、渡辺謙や菊地凛子くらいかな。その菊地は逆に日本でさほど目立たず、両立していない感じ。
撮影監督は数人知っております。

>ライトノベル
三島や川端康成の世界を外国人が上手く作るのは難しいので、ライトノベルのほうがぐっと翻案しやすく扱いやすいでしょうね。
オカピー
2014/07/03 20:40

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