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zoom RSS 映画評「最後のマイ・ウェイ」

<<   作成日時 : 2014/06/20 10:38   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2012年フランス映画 監督フローラン・エミリオ・シリ
ネタバレあり

フランク・シナトラの(歌った)名曲として知られる「マイ・ウェイ」はポール・アンカが作ったものと思ってきた(実際には英語詞のみ)が、そう言えば40年くらい前フランス生まれの曲というのを聞いたことがあるのを思い出した。その作者でアイドル歌手クロード・フランソワも名前くらいは知っている。1970年代中盤くらいまでは英米と並んで欧州特にフランスの歌手も日本では人気があったのだ。ミシェル・ポルナレフあたりを最後に欧州のポピュラー歌手が目立たなくなる。本作はそのクロード・フランソワの伝記映画である。

1939年エジプトのスエズ運河管理関係者の息子に生れたものの、50年代に運河がエジプトに帰属した為に一家は貧しくなり、音楽関係に進みたいクロード(ジェレミー・レニエ)はそれに反対する厳格な父親(マルク・バルベ)と仲たがいしたまま死なれてしまう。貧困に対する失意は意志の弱い母親(モニカ・スカッティーニ)をギャンブル依存症にし、バンドのドラマーからスタートしてアイドル歌手として成功するずっと後まで彼を苦しめる。

彼自身も神経質で気が短く、付き合う女の子とも長持ちせず、次々と相手を変えていく。初期の相手の中にかのフランス・ギャルもいますです。
 二番目の妻イザベル(アナ・ジラルド)とは双子を儲けるが、その間もグルーピーたちとアヴァンチュールを楽しんだりする。アイドルならではの苦労話もあり、いつも車を乗っていたり、双子の一人はいないことにしたり、なかなか興味深い部分である。

イギリスを経てアメリカへの進出を図っていた1978年、シャワー中の感電事故で呆気なく死んでしまう。低迷期に人気回復の為に狂言の意識不明事件をやったバチではないかと思ったりもしたが、彼の人気はほぼビートルズ出現と同時くらいに起こり、時代ごとに流行る音楽を積極的に取り入れて事故死するまでの15年くらい、浮沈はあったにせよ、芸能界から消えない程度の人気を保っていたことが映画からは伺われる。

特に彼のファンではなくても音楽に興味がある人なら一応楽しめる内容だが、出来栄えは必ずしも良からず。緩急が乏しく、余りにぶつ切り的にシークエンスが処理されている為ドラマ的に一向に盛り上がらないのである。例えば、マネージャー(ブノワ・マジメル)が「ワン・パターンだから飽きられるぞ」と言って席を立った直後に早くも人気中興のシークエンスとなり、その間に彼の心にどういう動きがあったか全く不明、字足らずの状態のまま次の挿話に入っていく。フランス・ギャルとの付き合いも同じような印象を受ける。
 これではフランソワの年表を読んでいるだけのような感じで、その人生は一応分るものの、余りに味気ない。重点を置く場面は長く、そうでないところは端折るか短くするなどの工夫をしなければ良い映画にはならない。伝記映画だからと甘えてはいけないだろう。
 フランソワにとって神聖にして侵すべからざる唯一無二のアイドル(偶像)のシナトラが自分の曲を歌ったことを知った時の反応を描く部分も物足りない。

「マイ・ウェイ」の日本語版は布施明が歌いましたっけ。英語版の歌詞は完全に憶えていて、スナックで歌った時アメリカの顧客に"Good Job!"と褒められたことがある。お世辞だろうけど。

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最後のマイ・ウェイ  ★★.5
フランスのカリスマ的スターで世界的ヒット曲「マイ・ウェイ」を作ったミュージシャン、クロード・フランソワの波乱に満ちた生涯を映画化。歌やダンスで魅了し、世界初のファンクラブを作るなどスターとしての華やかな一面と、父との確執やライバルへの嫉妬、派手な私生活... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2014/06/20 19:12

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昔は世界各国の歌が聞かれていた気がしますがね〜
ファドとかシャンソン、レゲエ・・・
グローバル化の弊害でありますな〜
ねこのひげ
2014/06/22 11:02
ねこのひげさん、こんにちは。

>グローバル化の弊害
だから僕は1980年代以前の音楽ばかり聴いているのです。
映画もどこの国の作品か解らなくなってきましたよね。全くつまらない。
フランスのドラマだけは相変わらずフランス風で面倒くさい作風が多いですが(笑)
オカピー
2014/06/22 20:29

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