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zoom RSS 映画評「モネ・ゲーム」

<<   作成日時 : 2014/05/08 09:59   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督マイケル・ホフマン
ネタバレあり

途中からどこかで観たことあるお話だぞと思っていたら、何と大昔に観た「泥棒貴族」(1966年)のリメイクであった。主演男女優がイギリス人とアメリカ人という陣容もコピーされている。

オリジナルでは対象が胸像で最初から盗みが目的だったのに対し、こちらの眼目はモネの絵画による詐欺である。美術コレクションの鑑定を任されていたコリン・ファースが雇い主アラン・リックマンに一泡吹かせてやろうと、贋作画家のトム・コートニーに依頼してモネの連作絵画「積みわら」を一つ書かせ、テキサス娘キャメロン・ディアスをナチスから絵画を奪還するのに活躍した兵隊の娘である持ち主に仕立てて、英国までお越し戴くが、リックマンはファースに見切りをつけて別の美術鑑定家スタンリー・トゥッチに変えた為に計画がどんどん狂ってくる。

脚本はジョエルとイーサンのコーエン兄弟。先日見直した彼らの旧作「ファーゴ」同様計画通りに行かないお話は映画の中では多分に喜劇になるわけだが、中盤資金を稼ぐために壺を盗み出そうとするところから始まる一連のドタバタは、イギリスではなくフランスを舞台にアメリカ人(ブレイク・エドワーズ)が作った「ピンク・パンサー」を彷彿とするお笑いとなっている。僕はエドワーズは「ピンク・パンサー」シリーズで才能を無駄にしたと思っているのでこの引用は決して褒め言葉ではないものの、それでも基本がのんびりしたクラシックなお笑いだから昨今のコメディー映画の中では少々異彩を放っていると言えないこともない。

途中で絡んでくる日本人が妙であると、例によって眉をひそめる人がいるが、長く映画を観ている人間には本作のそれは意図的に変に見せているのが最初から解る。幕切れでの日本人通訳の変身ぶりを見れば明らかである。しかし、どちらかと言えばエコノミック・アニマルと言われた頃の日本人の印象に近いので、証文の出し遅れの感が強く、設定としては上滑り気味。それでも映画の中でも中国人が目立つ昨今だけに、寧ろ喜ぶべきなのかもしれない。

ファースが絵画をもってうろちょろするうちにライオンが出て来る為絵画がどうなったか具体的に解らないのも不満なのであるが、これも幕切れへの布石として意図的に省略したのが解りきっているので不満を言うのはお門違いなのでしょうなあ。時代が違うので単純に比較はできないが、泥棒映画がタケノコのように作られた60年代の「泥棒貴族」のほうが大分面白く秀逸。

原題と違う邦題は「マネー・ゲーム」の洒落のつもりもあるのだろう。そう言えば、大昔香港でオートロックのホテルの部屋から閉め出され、パンツ一丁でフロントまで行ったことがある。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
パンツ一丁ならまだしもお笑いの竹山氏はスッポンポンで行ったそうで、笑われるかと思ったら、なにも言わずに開けてくれたそうです。
どうやらよくあることのようだとラジオで語っておりました。
ねこのひげ
2014/05/10 05:59
ねこのひげさん、こんにちは。

どうしてそういうシチュエーションになったかと言えば、同僚と一緒に別のシングルに泊まったのですが、互いにバスルームにドライヤーがあると知らずに、その同僚から「ドライヤーを貸してくれないか」ということで部屋の外で会ったのが運のつき・・・という次第です。彼もパンツ一丁。どっちが行くかという話になり・・・
映画なら笑えますが、自分がやると焦りますねえ。便利は不便というのはこのこと。
オカピー
2014/05/10 20:08

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