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zoom RSS 映画評「キツツキと雨」

<<   作成日時 : 2014/03/07 13:47   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2012年日本映画 監督・沖田修一
ネタバレあり

武骨な木こり・役所広司が、ゾンビ映画の撮影クルーを案内する羽目になった揚句、エキストラ出演した為にラッシュに呼ばれたことから映画に興味を持ち、やがてクルーの一員として活躍し、若造とバカにしていた若者実は優柔不断な監督・小栗旬と交流を深めていく。

ここまででうまいのは、温泉で怖そうな役所が近づくと逃げていた小栗が、後半では小栗が近づくと役所が逃げるという二場面のコントラスト。親しみと困惑のベクトルがよく解って効果的である。

役所の影響で自信を持ち始めた彼は老優・山崎努に何度もNGを出したことから寧ろ老優に認められ自信を深め、どしゃぶりの雨の中「雨は一時上がる」と宣言する役所を信じて撮影を敢行、自信たっぷりなその様子に周囲も目を見張る。

映画製作の舞台裏を描いた邦画には「蒲田行進曲」や「キネマの天地」という秀作があるが、それらに次ぐ佳作と言えるかもしれない。製作時と同時代的な映画撮影を直球的に主題にした邦画は余り記憶がなく、また、新人監督の立場はあんなものなのかなあと興味をそそる。尤も、主人公は余りに優柔不断なので、周囲が働きかけないと進まないという特殊さもあるにはあり、それがドラマ展開の肝にもなっているのだが。

定職に就かず文句を言われて出て行ってしまう役所の息子と監督の名前が漢字違いの同じ“こういち”という辺りの設定も巧妙で、息子と同世代の監督と付き合ったことで若者の気持ちが理解できたのか、終盤役所が妻の三回忌の時に親戚から息子を庇うところに繋がり、この二人の交流が互いを変化させるという構図が実に鮮やかに浮かび上がっている。撮影しているのがゾンビ映画というのはちょっと気に入らない(笑)が、ユーモア醸成に大いに寄与しているので良しとしましょう。後味も良い。

後半少し退屈を感じた「南極料理人」の沖田修一監督としては最後まで緩まず飽かせず、格段の進歩を遂げていると思う。この監督のゆったりしたテンポによるユーモア趣味も解って来た。

六月に父の三回忌がやって来ます。

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『キツツキと雨』
□作品オフィシャルサイト 「キツツキと雨」□監督・脚本 沖田修一 □脚本 守屋文雄 □キャスト 役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、       嶋田久作、平田満、伊武雅刀、山崎努■鑑賞日 2月11日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★... ...続きを見る
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2014/03/07 17:21
キツツキと雨
公式サイト。沖田修一監督、役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、嶋田久作、平田満、山崎努、 りりィ、伊武雅刀。岐阜県の山奥を行く明知鉄道付近でロケする映画ク ... ...続きを見る
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2014/03/07 19:33
キツツキと雨/役所広司、小栗旬
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