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zoom RSS 映画評「バグダッド・カフェ」

<<   作成日時 : 2014/03/26 10:10   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1987年西ドイツ映画 監督パーシー・アドロン
ネタバレあり

ドイツ人監督が観たアメリカを描くという意味では、この少し前に作られたヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」(1984年)と双璧を成す秀作である。当時ジェヴェッタ・スティールの歌う主題歌「コーリング・ユー」が流行った。実際に売れ、かつ、僕が持っているのはホリー・コールのジャズ・バージョンである。

当時の西ドイツからアメリカにやって来た太った中年女性マリアンネ・ゼーゲブレヒトが旦那と喧嘩が絶えず、砂漠地帯の真中で車を降りてしまった為仕方なくバグダッド・カフェというカフェ兼モーテルに宿を求める。経営者の女性CCH・パウンダーはぐうたら亭主を追い出した後で機嫌が悪く、正体不明のドイツ女性を追い出したがる。
 しかし、ハリウッドの背景描きだったジャック・パランスが彼女に好意を持ち始めてから風向きが少し変わり、マリアンネが店内でマジックを披露したところ客足が倍増、評判を呼んで経営者もご機嫌になって一緒にショーを演じたりする。当然の如く観光ビザが切れた為窮地に陥ると、パランスが求婚する(ことで彼女の窮地もさびれた店も救われる)。

主題歌も印象的だったが、フィルターを使用した彩度の強い色彩設計も相当印象に残った。開巻直後のダッチ・アングル(斜めのショット)や人物の描出も面白い為、お話が進行するにつれ寓話性が強くなり、現実のお話なのかい、という感じもなくはないのだが、異国で孤独に陥っていたに違いない太った女性がマジックで文字通り魔術のような奇跡を起こすお話と素直に捉えたほうが楽しめる。

ムードだけの映画と辛口の人もいるが、作品にタイプによってはそう簡単に決めつけられても困る。作品のタイプによって差こそあれ、映画的ムードは実は頗る大事だ。
 ムードで思い出すのは今ではなかなか観ることができないロベール・ブレッソンの「白夜」(1971年)。これなどムードがほぼ価値を決めているような作品だった。ブレッソンの地味な映画とは言え、あのスクリーンの大きさがあってこそのムードであったとも思う。当時東京に暮らし映画館で観られた僕は幸運だった。

四半世紀前、仕事や日々の生活に充実し僕の人生が最高潮に達する頃観た作品。今と比べると雲泥の差です。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ジャック・バランスはお気に入りの俳優であります。
男臭さというか泥臭さがよかったですね。
ねこのひげ
2014/03/30 07:00
ねこのひげさん、こんにちは。

ジャック・パランスは若い時は重要なバイプレーヤーでしたが、年を取って物凄く良い味の役者になりましたなあ。
若い時も結構お気に入りなんですが。
オカピー
2014/03/30 18:51

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