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zoom RSS 映画評「卒業」

<<   作成日時 : 2014/02/24 10:21   >>

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☆☆☆☆★(9点/10点満点中)
1967年アメリカ映画 監督マイク・ニコルズ
ネタバレあり

アメリカン・ニューシネマ青春映画の金字塔。

リバイバルで中学と高校の時に映画館で鑑賞した。中学の時は大分無理があったが、高校の時は年齢が主人公に大分近づいたのでかなり理解でき相当面白く観た。その間にTVで一度、大学以降二回くらい観ているが、1990年代以降は観ていないので、恐らく都合6回目となる今回はかなり久しぶり。

大学を卒業したばかりの、今で言う草食系の坊ちゃんダスティン・ホフマンが、両親の知人であるアン・バンクロフト(主人公の名前は忘れてもロビンソン夫人はサイモン&ガーファンクルの曲もあって忘れない)と肉体関係を結ぶ羽目になる。そこへ彼女の娘キャサリン・ロスが故郷に舞い戻り、彼はその爽やかさに強く気持ちを動かされる。
 両親からは誘え、夫人からは誘うなと言われた手前、わざと嫌われるようにストリップ小屋に連れて行ったりする。彼女の可憐さにほだされ真相を半分程ばらしたところで彼女といい感じになるが、彼女は母親との関係を知って婚約者もどきの青年との結婚を決め(させられ)てしまう。彼女を諦めきれないホフマン青年はそうはさせじと教会へ乗り込み、やはり彼の方が好きなキャサリンを略奪する。

略奪婚は「或る夜の出来事」など戦前からのハリウッド映画の伝統ながら、奪った少し後まで描いているのがニューシネマたる所以。つまり、ご指摘される方が多いように、教会から抜け出た二人がバスに乗って破顔一笑した後、特にホフマン青年は神妙な顔つきになる。彼は覚悟しているのである、二人の関係が順風満帆に行くとは限らない、ということを。それまでの映画のこの手のハッピーエンドとは一線を画しているのだ。

ニューシネマらしく体制への反抗というテーマが垣間見えるが、この映画の台詞を用いれば、「自分たちの作ったルールに縛られている大人たち」への抵抗であり、そういう大人を最も具体的に体現しているのがロビンソン夫人ということになる。

個人的に色々好きな場面がある中で、ストリップ小屋の場面が印象深い。主人公が夫人の指示を守る為に嫌な男を演じても、結局彼女の可憐ぶりに抗しきれない。現在の米国作品に彼女みたいな可憐な少女(若い未婚女性のことなり)はまず出て来ないから、未だに興味深く観られる。

何回も観ているせいもあって、S&Gの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」に乗って主人公が登場するエアポートの場面から映画的な興奮を誘われワクワク。マイク・ニコルズのショット、場面の繋ぎが実に秀逸なのだなあ。

因みに、大学の時実家から上京する列車の中で原作本を原文で読んだ。恐らく姉のペンパルから送られたものだと思う。短く非常に簡単な文章で、2時間もかからずに読み終えたことを思い出す。

彼女の思いを考えた時、彼の行動はストーキングと言えるだろうか?

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
そういえば「卒業」は初アップだったのですなぁ。
高校時代から数十年、一番好きな洋画は?と聞かれたら必ずコレを挙げていたくらい好きな映画でした。勿論キャサリン・ロスに惚れてたせいもありますが、何しろ面白おかしい上に切ないという青春モノの(王道の)新感覚という印象がありました。

>短く非常に簡単な文章で、2時間もかからずに読み終えたことを思い出す。

日本語の訳者があとがきに書いたように、まるで映画の脚本のように台詞の多い文章で、この本もMY本棚の大好きな常連さんでした。
十瑠
2014/02/24 12:14
十瑠さん、こんにちは。

「卒業」は芸能雑誌の「平凡」か「明星」に毎月連載されていた有名映画のダイジェスト・コミック(他に「小さな恋のメロディ」が印象に残っています)で話は知っていましたが、中学の時も完全に理解できないなりに面白かったですね。
確か兄貴と見に行って、後日サントラLPも買いましたよ。
今回四半世紀ぶりくらいに見てもやはり楽しめましたねえ。

>原作本
ペンパルとの関連が解りにくいと思ったので、“原文で”を追記しました。
そう、台詞が多いので、非常に読みやすかったですね。
高崎から東京まで鈍行で大体2時間なのですが、着く前に読み終わりました。翻訳でもそんなに変わらないのではないでしょうか。

姉のペンパルは南アの女性で、「嵐が丘」も貰いました。物置のどこかにあると思いますが見つからないので諦めてkindleで無料ダウンロード。いつでも原文で読めます。実際には、読むというより翻訳したいのですよ。
オカピー
2014/02/24 21:14
この映画の後日談のような車のCMがあったのをご存知ですか?
初老の男性が若い女性を連れてドライブしてある場所に着く。
そこはあの教会の前で、女性はホフマンの娘。
幸せな結婚生活を送ってきたというハッピーエンドなCMでありました。
ねこのひげ
2014/02/27 16:19
ねこのひげさん、こんにちは。

いや、全然記憶がないです。
一時期地上波を殆どみない時期がありましたから、その頃放映されたのでしょうか?
オカピー
2014/02/27 17:33

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