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zoom RSS 映画評「第九軍団のワシ」

<<   作成日時 : 2013/12/24 11:32   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督ケヴィン・マクドナルド
ネタバレあり

カラーが当たり前になり、ワイドスクリーンが出現した1950年代から60年代はその特性を生かそうと古代史劇が大量に(大半はイタリア製の安物)作られた。70年代初頭にもまだ名残りはあったが、近年は激減している。
 90年代以降の(中国を除く)古代史劇では何と言っても「グラディエーター」(2000年)が筆頭に来、続いて「アレキサンダー」(2004年)辺りだろうか。女性映画的史劇とでも言うべき最近の「アレクサンドリア」は誠に印象深かった。「300<スリー・ハンドレッド>」は僕にはアニメであり、史実に材を求めた一種のファンタジーに過ぎない。

本作は所謂ローマもので、共和政時代末期ユリウス・カエサルが書いた「ガリア戦記」を思い出しながら観ていた。時代はもう少し後で、紀元2世紀初頭。ハドリアヌス帝は、ブリタニア(現英国にほぼ相当)の北、カレドニア(現スコットランド)での戦いを止めてその境界に長城を築くが、最後の戦いの最中に第九軍団は名誉の象徴たる黄金の鷲と共に行方をくらましてしまう。
 20年後将軍の息子マーカス(チャニング・テイタム)は闘技場で命を救ってやったカレドニア出身の若者エスカ(ジェイミー・ベル)を奴隷に貰い受け、父の汚名をそそぐべく彼の案内で同地へ向かう。当時のカレドニアは正に蛮地で、体を泥で塗りたくった戦士たちが現れると、エスカはマーカスを奴隷と紹介してひどい扱いをする。

映画の構成を考えると、エスカのこの豹変はお芝居であることが想像されるのであるが、当のマーカスとしてみればそんなことは容易に理解できるはずもなく、本作の中でも面白い部分になっている。

やがて一致協力して黄金の鷲を奪取した二人は、蛮族(あざらし族という)の追手をかわし、重傷で動けない主人に代わりにエスカは敗残兵の一群を探し出し、マーカスの許に戻って蛮族と戦うことになる。

原作となったローズマリー・サトクリフの小説は児童文学だそうだが、かくもリアリズム基調で作られれば児童文学らしさは影も形もない。敢えて言えば旅と冒険の間に二人が友情を育むという辺りがそれらしい程度。

蛮族との戦いが何だか16世紀初めのアマゾン的に見えて史劇としてのスペクタクル性が存外薄く、ケヴィン・マクドナルドの描写もリアリズム基調である為にパンチを欠いて見応えたっぷりというわけには行かない。旅程で捉えられた景観こそ最大のスペクタクルと言うべし。

ハドリアヌスの長城・・・メモメモ。また一つ勉強になりましたネ。ベートーヴェンがいつ鳴り出すか思っていました、第九だけに。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昔はこの手の古代史劇映画があったように思えますが、日本の時代劇とおなじように演じることのできる若手が少なくなったということでしょうかね〜(^_^.)
ねこのひげ
2013/12/28 10:49
ねこのひげさん、こんにちは。

アメリカではチャールトン・ヘストンという史劇のために俳優になったような大スターがいましたね。
昔のような完全なスター・システムがなくなったことがこの類のジャンルの衰えた理由かもしれません。
オカピー
2013/12/28 21:43

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