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zoom RSS 映画評「ライク・サムワン・イン・ラブ」

<<   作成日時 : 2013/12/13 14:35   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2012年フランス=日本合作映画 監督アッバス・キアロスタミ
ネタバレあり

拠点をイランから欧州に移したアッバス・キアロスタミが日本で撮った日仏合作映画。

元大学教授の老人・奥野匡が、大学生のデート嬢・高梨臨を呼んで一夜を過ごした翌朝彼女を届けた大学の門前で、自動車修理工をしている彼女の恋人・加瀬亮に話しかけられて知り合い、やがてストーカーの地を出した彼の暴力に巻き込まれる。

一つのシーンが異常に長く、シークエンスが6つくらいしかない頗る単純なお話。こういう映画にテンポの速さを求めるのは少し違う。実際に近い時間の流れに身を任せなければ、そもそも楽しめない。

お話らしいお話はないが、一種の台詞劇の面白さがあり不思議と飽きずに観られる。いずれにしても好悪がはっきり分れる作品であることは間違いない。前作「トスカーナの贋作」が解りにくそうで案外語りやすい作品だったのに対し、監督が何を狙って作ったのか指摘するには少々難儀する。
 基本を21世紀東京の世相の一端を切り取るという点に置きつつ、都会に住む人々の二面性や欺瞞性を暴き立てるといったところだろうか。少なくとも、インテリの元大学教授がデート嬢を呼び、女子大生がデート嬢でもあり、一見きちんとしているように見えた男がとんでもないバイオレンス男である、等の二面性が明らかに見えている。

細かい疑問としては、奥野氏を遠方から来た彼女の祖父と思い込んで「高速で来たんですか?」とまで言っている加瀬亮君が修理をする車のナンバープレートを見ないのは不思議。終盤やって来た若者に対して老人がうろうろするだけで110番しないのも首を傾げさせる。老人の言動不一致に関係することかもしれないが。

ごく映画的な部分としては、序盤のシークエンスに代表されるフレーム外の声を多用しているのが強い印象を残す。それがエンディングの音声だけの暴力表現に繋がっているわけで、手法的に相当興味深い。

今年もストーカーに女性が殺される事件が数件ニュースになったように、相手を自分のコントロール下に置こうとするこういう輩が増えましたな。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あんまり深く考えないで観たほうがよさそうな作品で、人間の二面性を描いたというところでしょうか。
相手を支配したいという気持ちはよくわかりませんな〜(-.-)
ねこのひげ
2013/12/15 06:26
ねこのひげさん、こんにちは。

大昔僕が仲良くしていた女子社員が会社の同僚にホテルに連れ込まれそうになった(同僚本人の弁だから、連れ込もうとした、のほうが正解)のを知って、その同僚に嫉妬の眼を向けましたが、彼女自身を支配しようなどと思ったことはないです。
人間を物扱いする人間は最低ですなあ。

この作品、映画的には面白かったけれど、二回観るタイプではないですね。
先ほどUPした「東京家族」は何回もの鑑賞に堪えます。「東京物語」は勿論良いけど、「家族」もやりますわい。
オカピー
2013/12/15 20:30

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