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zoom RSS 映画評「愛の残像」

<<   作成日時 : 2013/11/11 11:20   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2008年フランス映画 監督フィリップ・ガレル
ネタバレあり

ヌーヴェルヴァーグの系譜を引き継ぐフィリップ・ガレル監督としては「灼熱の肌」より一作前の作品であるが、日本では昨年連続公開の第一弾として公開された模様。

若い写真家のルイ・ガレルがシューティングに訪れた女優ローラ・スメットと懇ろになるが、海外にいることの多いとは言え夫のいぬ間のお楽しみ生活に嫌気がさして去る。その為に精神を病んだ彼女は脱走失敗の後彼と再会できぬまま死に、1年後妊娠した恋人クレマンティーヌ・ボワダッツと結婚生活に入ろうとしている彼が覗く鏡の中に現れる。鏡の中の彼女に誘い込まれるように彼は自殺してしまう。

恐らく、多くの場合幽霊は罪の意識や後悔の思いなどが幻影として生み出すものである。「東海道四谷怪談」の主人公・伊右衛門の場合は前者で、本作の主人公は後者であろうか。
 ところが、ガレルはそうした僕らの思いを最後のワン・ショットで半ば否定する。ローラが映っていた鏡に悪魔を出すのである。

恋愛心理映画として神妙に観ていた僕らは吃驚すると言うか、それまで丹念に醸成してきた純文学ムードを台無しにされてがっかりすると言うか、オカルト的に解釈するには及ばないと思うものの、どうかと思わざるを得ない。敢えて言えば、「灼熱の肌」と併せて考えると、このショットには、ガレルが人生行路を考える時恐らく個人の精神より摂理を重視していることを明らかにする効果がありそうである。

モノクロ撮影、アイリス(イン&アウト)とフェードアウトを多用した場面の繋ぎ、内容の一部からフランソワ・トリュフォーの「柔らかい肌」(1963年)を思い出させる瞬間もあるが、トリュフォーの恋愛映画と違って何だか面倒臭い。

トリュフォー「緑色の部屋」(1978年)でお気に入りだったナタリー・バイの娘ローラ・スメットには魅力と異様な迫力がある。クロード・シャブロル「石の微笑」(2004年)以来の個人的お目見えだが、収穫だった。

フランス的運命論だろうか?

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ホラーというかオカルトというかで驚かされましたね。
時々、フランス人はわけのわからないことをして驚かせてくれます。
小説でもその傾向がありますね。
ねこのひげ
2013/11/24 12:25
ねこのひげさん、こんにちは。

たまげましたね。
かと言って、効果も疑問でして、やはり良くなかったと思います。
オカピー
2013/11/24 20:49

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