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zoom RSS 映画評「凍える牙」

<<   作成日時 : 2013/10/04 10:50   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年韓国映画 監督ユ・ハ
ネタバレあり

乃南アサのミステリー「凍える牙」の韓国映画化。日本では2010年にTV映画化されているが、劇場用にも耐える素材ではないかと思う。今は亡き野村芳太郎あたりなら上手く映画化できそうな内容だ。

巧妙な手口で焼身自殺に偽装した殺人事件が発生する。死体から犬の噛み痕が発見され、チンピラが犬に噛み殺される事件が続く。出世街道から外れ妻にも出て行かれた刑事ソン・ガンホが、仕事の忙しさ故にこれまた離婚する羽目になった新米女性刑事イ・ナヨンとコンビを組まされ、気乗りしないままこの事件を担当することになる。二人は犬のトレーナーにヒントがあると思って捜査を開始、自殺したとされる元警察関係者に行き当たって住居を突き止めた結果、その背後に売春組織と大物議員の存在が浮かび上がる。

というのが事件捜査のアウトラインで、お話そのものにはどこか日本的な香りが漂う。他方、本作には韓国刑事映画の傑作「殺人の追憶」の作風に似ている部分があり、最初相容れない二人の刑事が次第に打ち解けてくる、といったトーンに高い共通性がある。本作においては、単独行動の好きなひねくれた中年刑事が最初のうち他の刑事同様彼女を冷たく扱った後同病相憐れむ心境が手伝って彼女の強気な性格と能力を買い始める、という男性刑事の私的感情が彩りとして上手く機能しているように思う。

しかし、お話本来の軸がどう考えても女刑事にあるのに実際には男性刑事中心に描写されているという齟齬感が禁じ得ず、しっくり来ない部分が目立つ。
 また、韓国映画の悪癖で最初がややコミカルであるのも、いつものことながら、気に入らない。一部の観客はこうした振幅の大きさを喜ぶのかもしれないが、この手法が作品の価値にとってマイナスであることに韓国映画界は未だに気が付かない。

お話は大分違うが、西村寿行を映画化した「犬笛」(1978年)など思い出しましたなあ。

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凍える牙/ソン・ガンホ、イ・ナヨン
乃南アサさんの直木賞受賞作『凍える牙』を『マルチュク青春通り』『霜花店(サンファジョム)』のユ・ハが監督・脚本を務め主演にソン・ガンホ、ヒロインにイ・ナヨンを迎えて描 ... ...続きを見る
カノンな日々
2013/10/04 15:53

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
突然のコメント失礼致します。

現在電磁波などを使った組織的な集団の犯罪が密かにしかも大規模に行われています。

この犯罪は平然と日常の中に溶け込んでいます。

私はその被害に遭っています。

被害を受けていない一般の方は、電磁波犯罪、集団ストーカーと聞いても何の事か分からないと思います。

この卑劣な犯罪の存在に早く気づいて下さい。

この犯罪の怖いところは、最初は犯罪に遭っていることすら分からず、また気づいてもそれがあたかも自分の錯覚や精神的におかしくなったのかとも思えてしまう所にあります。

私の他にも全国に、いや世界中に同じ被害に遭っている方が大勢います。

インターネットでこの犯罪について調べてみてください。

皆様も気付かずに被害を受けているかもしれません。

どなたかこの犯罪を解決して頂けないでしょうか、お願い致します。

被害者の方のコメントを一部引用させて頂きました。

ginmedai@excite.co.jp
匿名
2013/10/04 16:04
手塚治虫さんなども、漫画のストーリーの中でしばしばギャグを入れていて、物語の腰を折られたように感じていたものですが・・・・
韓国の映画にも見られますがあまり意味のないことなのでやめて欲しいですな〜
手塚漫画からのヒントですかね?
まさかね。
ねこのひげ
2013/10/06 18:26
ねこのひげさん、こんにちは。

韓国映画の問題は、本作はさほど極端ではなく許容範囲ですが、前半と後半でトーンを全く変えることですね。死病映画でさえ、前半はコメディーですから。
手塚氏の場合はアクセントとでも言うべきギャグなので、ねこのひげさんご指摘の腰折れは確かにあるにしても、まだ良いように思いますが。

ああいうトーンを変える作劇は、恐らく韓国大衆の長い習慣なのだと思いますよ。少なくとも西洋的な演劇観・映画観では受け入れがたいものですが、あるいは韓国の古典戯曲を読むと解るかもしれませんね。
オカピー
2013/10/06 20:28

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