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zoom RSS 映画評「みんなで一緒に暮らしたら」

<<   作成日時 : 2013/10/28 14:16   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2011年フランス=ドイツ合作映画 監督ステファン・ロブラン
ネタバレあり

昨日の「人生の特等席」は個人主義大国アメリカの国民の人生観をよく反映していたと思う。対して、同じように老人を主役にしても、本作ではフランスの作品らしく人々の考え方が共和主義的である。この対照が大変興味深い。

引退した哲学教授ジェーン・フォンダは自分の死期の近いことを悟り、ボケ始めた夫ピエール・リシャールを残して逝くのが忍び難く、友人の男性クロード・リッシュの施設での情ない生活を見るに及び、40年来の友人であるギイ・ベドスとジェラルディン・チャップリンの夫婦の家で五人で共同生活をすることを提案する。
 いざそれが始まると、彼女は、飼い犬の世話にドイツ出身の若者ダニエル・ブリュールを雇い、民俗学に興味を持つ彼を徐々にその生活に引き込む。同じ頃ひょんなことから40年前リッシュがジェーンとジェラルディンと同時に浮気していたことが発覚、ちょっとした修羅場に発展する。

先進国は、程度こそ違え、老人問題を抱えている。老後をどう生きるか、どう生かされるかは超高齢化社会・日本だけの問題ではない。しかし、本作が関心を示したのは高齢化社会における介護問題といった一般社会的なことではなく、老人も依然性愛に関心があるというやや特殊なより個人的な部分である。
 谷崎潤一郎にその傾向があるくらいで小説や映画が殆ど描かないせいもあり、日本人は老人になると性に関して淡白になるのではないかという印象があるのに対して、本作の老人たちは75歳を超えてなお現役であり、しかも、この映画の扱っている老人が欧米においては特別好色というわけでもないと想像される。

と言いつつ、欧米映画と言えども老人の性を正面から扱った作品は少ないのは確かだから、そのユニークな観点から判断すると、現在ではなく若い時の不倫問題を持ち出した為に却って焦点がぼやけてしまった恨みは否定できず、少々勿体ない。

幕切れでは、死んだジェーンをボケたリシャールが探し出すと、仲間たちも協力するふりをする。極めてフランス映画的友情の一幕と言うことができると思うが、彼らがジェーンを失った悲しみを強く感じて本気で探しているような気さえし、チェーホフ作品を読み終えた時に覚えるのに似た寂寥感が滲み出て味わい深い。

ジェーンもジェラルディンもスマートな体型を維持して立派なものです。

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コメント(2件)

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日本というか東京でも、シェアハウスなんて流行っているようだけど・・・・なかなか難しいよね。
じいさんばあさんとなると、なおさら難しいような気がする。

見事な体形でありますな。金がかかっているでしょう。
ねこのひげ
2013/10/29 02:41
ねこのひげさん、こんにちは。

>じいさんばあさん
昨日の「TVタックル」でも特集していましたが、これから一人ぐらいの老人が爆発的に増えて大変なことになりそうです。
子供が少ないという問題がこういう問題を派生させるわけですねえ。
オカピー
2013/10/29 21:39

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