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zoom RSS 映画評「のぼうの城」

<<   作成日時 : 2013/09/08 10:08   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2011年日本映画 監督・犬童一心、樋口真嗣
ネタバレあり

文系と理系、そして受験科目によってクラスが編成される二年生の時に世界史・化学(希望は人気の地学だったが、予選に落ちた)のクラスを選んだので、日本史の授業では自分にお鉢が廻って来ない時には世界史の勉強をしていた。そういうクラスでの授業であったので教師も暗黙にそれを認めていた。恐らく中間・期末テストも日本史クラスよりはぐっと易しかったのであろう。それ故日本史の知識は中学レベル、本作で描かれる武蔵国(現埼玉県)での挿話は少し聞いた記憶がある程度で、詳しくは知らない。

天正18(1590)年、豊臣秀吉は最後に残った関東を手中にしようと、関東を掌握する後北条氏の小田原征伐の一環で、石田光成(上地雄輔)を総大将とする20000騎に500騎しかいない武州・忍(おし)城を攻めさせる。忍城は城代を病死で失ったばかり、新たに城代に就いた成田長親(野村萬斎)はでくのぼうと仇名されるへぼ侍であるが、その朴訥な性格の為に領民の人望が厚い。長親は余りの戦力の差に最初はすんなり開城する腹積もりが、従妹の甲斐姫(榮倉奈々)を秀吉の側室に欲しいと言われて愉快ならず、変心して戦いを始める。野武士の血を引く農民たちもこぞって参戦した為に油断していた敵軍は敗走に追い込まれる。
 そこで敵方が利根川などを利用した水攻めにより城の周りを水で覆った為、忍城の軍勢は一気に疲弊する。そこで長親は小舟で敵の眼前に迫って飄軽(ひょうきん)な田楽を披露し、農民は勿論敵兵たちをも魅了してしまう。武勲を立てるのに必死の光成は彼を撃たせ、城代の目論見通り自軍は再び奮い立つ・・・が、小田原が既に落ちていた為に結局は開城することになる。

というお話はほぼ史実通り(HPで調べました)ながら、最後の開城に際する権謀術数は創作の雰囲気が濃厚。どちらかと言えば本格時代劇と言える内容ではあるものの、何だかしっくり来ない。

これまでの実績から、ドラマ部分を犬童一心監督、スペクタクルとアクションは樋口真嗣監督という担当区分であっただろうと勝手に推測しているが、アクションは若者向けとはタイプが違うとは言え大分劇画的で、さほど気に入っていない。
 他方、水攻めのスペクタクルは時に物理的に変な感じを受けるとは言え、最近の邦画は大したものだなと思わせるものがある。しかし、この手の映画はやはりドラマ部分がしっかりしていてこそ観た甲斐があるというものだろう。実際は、序盤は大目に見ようと思った言葉遣い、若手俳優の口跡が余りに現代的で印象が軽くなってしまった。

主役の野村萬斎の口跡はさすがに立派。しかし、狂言師の彼に狂言と親戚関係にある田楽を演じさせても何だか面白味が薄い。一般俳優に演らせて似たようなムードが出せたらプラスアルファになった筈である。

あまたある世界史、日本史の事件も映画で見せて貰えると憶えやすいのだがなあ、と高校時代密かに思ったことがあります。

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のぼうの城
のぼうの田楽、三成の猿楽 公式サイト。犬童一心、樋口真嗣監督、野村萬斎(振付も)、上地雄輔、榮倉奈々、佐藤浩市、成宮寛貴、山口智充、山田孝之、平岳大、前田吟、鈴木保奈美、 ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2013/09/08 10:10
のぼうの城/野村萬斎、榮倉奈々
犬童一心監督の作品としてかなり珍しい感じの大掛かりでスペクタクルな時代劇だなぁと思っていたら樋口真嗣監督との共作だったんですね。戦のシーンなど大スペクタクルなところは ... ...続きを見る
カノンな日々
2013/09/08 10:14
『のぼうの城』
□作品オフィシャルサイト 「のぼうの城」□監督 犬童一心□脚本・原作 和田竜□キャスト 野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、平岳 大、       西村雅彦、平泉 成、夏八木 勲、中原丈雄、鈴木保奈美、前田 吟、中尾明慶、    ... ...続きを見る
京の昼寝〜♪
2013/09/08 10:20
のぼうの城
カタルシスは無いが達成感はある。   ...続きを見る
Akira's VOICE
2013/09/08 10:42
『のぼうの城』('12初鑑賞89・劇場)
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10) 11月3日(土・祝) 109シネマズHAT神戸 シアター6にて 11:15の回を鑑賞。 ...続きを見る
みはいる・BのB
2013/09/09 20:47
独断的映画感想文:のぼうの城
日記:2012年11月某日 映画「のぼうの城」を見る. 2011年.監督:犬童一心,樋口真嗣. 出演:野村萬斎(成田長親),榮倉奈々(甲斐姫),成宮寛貴(酒巻靭負),山口智充(柴崎和泉守),上地雄輔( ...続きを見る
なんか飲みたい
2013/09/10 22:33
『のぼうの城』(2011)
天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は、残る北条氏討伐のため大軍を持って本拠地小田原城を包囲し、その支城にも軍勢を差し向けた。忍城攻略に向かったのは石田三成を総大将とする二万の兵、対する忍城に立て篭もるのは僅か五百・・・。 和田竜のベストセラー小説『のぼうの城』の映画化作品で、当初は昨年9月の公開予定だったが、劇中に登場する水攻めのシーンが東日本大震災の津波を連想させるという理由で一年以上延期され、ようやく公開の運びとなった。 ...続きを見る
【徒然なるままに・・・】
2013/09/16 01:27

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
これも映画館で観てきましたが、原作も読みましたよ。
元々は映画の脚本の発掘が目的の城山賞を受賞した脚本でしたが、映画化されないので、作者が小説にしたところベストセラーになったそうです。
そこで映画化されることに・・・・なんだかな〜でありますけどね。

実際にその時代に生きていたわけではないので、あの時代の武士がどんな口調でしゃべっていたかはわかりませんが・・・
長い間、時代劇の映画やテレビドラマを見てきたおっさんとしては、若手俳優の侍口調には違和感がありますが、若いお客には違和感ないのでしょうな。

野村萬斎さんなんだから狂言をやらせた方がよかったような気がしますね。

忍城は、埼玉県の行田市にあり、沼地の真ん中に建っていたそうですから、あの洪水は物理的にはおかしいですけどね。
まあ、映画ですから多少の誇張はしかたないところでしょうかな?
ねこのひげ
2013/09/08 15:22
ねこのひげさん、こんにちは。

製作者は、知名度で売れるのを狙うから、ベストセラーの小説やコミックを使う訳ですよね。
だから、同じ内容でも脚本では使わず、小説が売れたら使うという阿呆なことをするんです。

>口調
いやいや、今の二十代は昭和の言葉も喋れないですよ(苦笑)。

>洪水
貯まった側の描写が事前になかったのは残念でした。
誇張は構わないのですが、何だか変な感じがしましたよ^^
オカピー
2013/09/08 21:42
去年の今頃 DVDで見ましたが面白かったですね〜。

時は1982年 イっちゃん(←市村正親)演じた秀吉の備中高松の水攻めを現場で見させてもらったユッピー(→上地雄介)

 ユッピー カンゲキ〜(ヒデキ!カンゲキ〜の口調で)

よぉ〜し オレも こんな 戦してみたぁ〜い と喜びに浸る

月日が流れ イっちゃんから 2万の兵の総大将を任せられるユッピー。
(ほかの仲間からはギクシャクモードを打ち破るチャァ〜ンスッ

 三つの茶出ししか能がないといわせるなと激飛ばす イっちゃん(秘蔵っ子にはきびしく)

 ところがぁ どっこい 忍城を守ってたのは お萬サマ(←野村萬斎)ですよ オ・マ・ン・サ・マ!(キッパリ)

 堤防工事も急ピッチで造らせたユッピー。胸が高鳴るとひとりハリキリモード

さぁ 完成した堤防を けっかいせよぉぉ〜っと 雄叫びあげるユッピー

そんな頃 お萬サマ、城中の兵と農民たちに 「戦になっちゃった〜!ゴメンチャイ 」っと 謝罪

あんたね〜 謝って済むなら 警察はいらないっつーの!

zebra
2015/10/25 20:55
つづき書きます。
こ〜んな バカ殿に 守れるんかぁ〜 と 思いきや ビチョビチョ水浸しの中を ひとり 田楽踊りを披露して オバカぶりな振る舞いで 敵味方とりこむ 魅力的なお萬サマ!

 バカ殿だからできる パフォーマンスなんだよね!

おいらは水攻めは平気だよと 田楽踊りをなおも続けるお萬サマ
それをみた 大谷吉継を演じた孝ボン(→山田孝之)は コイツはヤバイと警戒し ユッピーに忠告
 でもユッピー まるで ウサギ狩りのごとく 鉄砲兵にお萬サマを撃てと 命じて パァァァ〜ン

 だめだよぉ〜ユッピ〜 逆に城の農民たちが闘争心高まっちゃったじゃぁ〜ん

 お萬サマに惚れてた気があったナナたん(←榮倉奈々)は ケガしたお萬サマに 掴み掛る。 取り押さえようとする側近たちだが なぜか ナナたんに 投げ飛ばされとる・・・・(なんじゃ この強さ)

 こりゃ 合気道の段持ちの腕前だねナナたん(笑)
これなら 痴漢や通り魔は撃退できるわ(→ホメてます)

 それに 堤防づくりに 参加してたアッキー(←中尾明慶)がお萬サマが撃たれてたのを見て激怒!堤防を決壊させちゃって・・・豊臣方の兵に突き出されて ボコボコ でも 堤防を壊したのはナイス

ユッピーも戦の中で心境の変化が・・・・
開城の際 自ら出向いて 敵である兵たちをたたえてとは・・・
変わったね ユッピー

まっ、肝心の ビチョビチョ大作戦自体は 失敗に終わったケドね〜〜〜
zebra
2015/10/25 21:01
zebraさん、こんにちは。

可笑しいストーリー詳説、有難うございました<(_ _)>
亡くなった淀川長治先生のストーリーの語りは、本物を見るより面白かったほどですが、それを思い出させます。
オカピー
2015/10/25 21:29

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