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zoom RSS 映画評「ブラック・ブレッド」

<<   作成日時 : 2013/08/14 14:12   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2010年スペイン=フランス映画 監督アグスティ・ビリャロンガ
ネタバレあり

1975年にフランコ独裁政権が幕を下ろしてから日本にスペイン映画が大量に入って来るようになった。若い映画ファンには想像もつかないだろうが、戦後からそれまでに入って来た純粋なスペイン映画と言えば「汚れなき悪戯」(1955年)、「ビリディアナ」(1964年)、「赤ちゃん戦争」(1973年)くらいだった。
 1975年以降入って来たスペイン映画には傑作「ミツバチのささやき」(1973年)を始め、スペイン内戦を子供の視点から見つめた作品が少なくない。「蝶の舌」も秀作だった。本作の時代背景はどうも内戦終了後ではあるらしいが、描かれている内容は内戦時代の影を引きずっていると言うか、内戦がもたらした膿を寓意的に感じさせる。同じカテゴリーに入れて良いと思う。

11歳くらいの少年フランセス・コロメールが、知り合いの小作農がフードを被った謎の人物に襲われるのを目撃する。男は崖上に追いつめた馬の脳天に斧を振りおろし崖から落下させ、馬車に乗っていた友達も死ぬ。
 少年が村の役人に報告した為に事件となり、間もなく父親ロヘル・カサマヨールが逮捕される。母親ノラ・ラバスによれば、政治犯としての容疑であるが、息子が大人の言動を色々と見聞するうちにどうも冒頭の事件に絡んでいるらしい。結局少年は父親の犯行を教えられ、大人社会の訝しさを知りつつ、自ら進んで巻き込まれるかのように諸悪の元凶である地主夫婦の養子になって勉学に勤しむ道を選ぶ。これには閉鎖的な村との訣別という側面もあるだろう。

これまでの少年内戦ものが言わば純文学だったのに対し、本作はミステリー寄りである。しかし、片手のない従姉マリナ・コマスとの妙な交流をまじえて、少年社会と大人社会との狭間を彷徨させる展開はそれまでの少年内戦ものと共通するタッチで処理されていて、純文学性が勝っている。
 しかし、このような展開であるならば、昨今はミステリー小説と言っても娯楽性の中に高い見識を示す作品が多いので、もっと明確にミステリー作品であるという主張をしつつお話を進める方が多くの観客にアピールすることができたと思われる。

トータルとしては、人物関係に多少解りにくさを感じさせる部分があるものの、なかなか面白く観られた。

タイトルは何故にカタカナ? 気分出ないなあ。

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『ブラック・ブレッド』
(原題:Pa Nerge) ...続きを見る
ラムの大通り
2013/08/14 22:31

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
スペイン映画は純文学的なのが多いような・・・・・

最近の映画タイトルは原題のままカタカな表記にしたのが多いですな。
トム・クルーズの『アウトロー』・・・同じタイトルの映画作品がいくつもあるんだから考えればいいのに・・・と思いましたよ。
そういえば、ヴェルナ・ヘルツォークが『アウトロー』に出ておりましたよ。
どんな役どころかは観てのお楽しみということで・・・・(^_^.)
ねこのひげ
2013/08/14 17:07
ねこのひげさん、こんにちは。

>スペイン映画
「ミツバチのささやき」は正に純文学でした。
映画を見なれていない人には退屈かもしれない作品ですけどね。
「汚れなき悪戯」も良い映画でした。
両方とも幼い子供が主人公でしたね。

>『アウトロー』
同じカタカナでもこれくらいはまあいいかなという感じですが、しかし、イーストウッドの西部劇も同じ題名ですから、やはり嫌ですね。
ヘルツォークが役者の真似ごとですか(笑)
どう出てくるか楽しみにしておきます^^
オカピー
2013/08/14 20:22

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