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zoom RSS 映画評「THE GREY 凍える太陽」

<<   作成日時 : 2013/08/09 09:48   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督ジョン・カーナハン
ネタバレあり

アラスカの原油発掘所で労働者を狼から守るスナイパーを務めているリーアム・ニースンが、発掘作業完了に伴い故郷に戻る途上飛行機の墜落という憂き目に遭うが辛うじて生き残ると、狼に関する知識を生かしてリーダーシップを発揮、他の七人を率いて比較的安全と思われる森へ移動を開始する。その途上一人一人メンバーが減っていき、一人になった二−スンが遠ざかったつもりが狼の巣に入り込んだことに気付き、そのリーダーと対決する。

凍える地域でのサバイバルを描いた映画と言えば、本作でも触れられているラグビー選手たちの乗った飛行機がアンデス山中に墜落した事件を取り上げたドキュメンタリー「アンデスの聖餐」(1975年)とぐっとヒューマニスティックにドラマ映画化した「生きてこそ」(1993年)がすぐに思い浮かぶが、それらの映画のテーマが飢えとの対決であったとしたら、本作は狼との対決である。

作り方は大分すっきりしていて、一人一人死んで行くのは律義すぎる気がする一方で、狼に襲われるだけでなく、崖から墜落したり、水中で木に挟まって溺死したり、死に方が全て違うのは大いに認めたいところ。しかし、サスペンスとしては不満があり、狼がどの程度火を恐れるかといった動物生態学的な部分をはっきり描いておくべきだっただろう。映画を作り、観る上で一番大事な行動心理学的観点からも主人公の言動にも当初首を傾げた。しかるに、彼の奇怪な行動が、死に方に関する強迫観念に基づいていることが徐々に判るように作られてはいる。

幕切れは中国で映画化もされた井上靖の短編小説「狼災記」(映画鑑賞後に読む)の最後の部分を思い出させる迫力。妻を失って失意に沈むニースンは最後に狼に正面から闘いを挑む。狼は失意に沈む彼の人生のメタファーであり、狼に勝つことは即ち人生の痛手を克服することを意味しているのである。

狼のクロースアップ部分はCGではなくアニマトロニクス。若い人には本物らしさで不満があるようだが、CG時代にあってこういうSFXは嬉しかった。

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THE GREY 凍える太陽/リーアム・ニーソン
『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のジョー・カーナハン監督と主演リーアム・ニーソンと再タッグを組んでサバイバル・アクション・ムービーです。劇場予告編で雪山での飛行機事故という ... ...続きを見る
カノンな日々
2013/08/10 09:05

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
オオカミを悪役にするというのが、赤ずきん以来の伝統で、どうも好きになれませんでしたが・・・
イルカやクジラを悪役にしたほうが面白い映画になりそうですがね。
白人は怒り狂うでしょうがね。(苦笑)
実際のオオカミはあんなに攻撃的ではないそうで・・・・
ねこのひげ
2013/08/13 03:11
ねこのひげさん、こんにちは。

>オオカミ
さもなくば、昔の人間がオオカミを犬に変えることはできなかったでしょうね。

>クジラ
「白鯨」などそれに近いでしょうが、悪役と言いきれないところもありました。
白人というか世界で一番クジラを殺してきたアメリカ人のデタラメはひどいもんですね。オーストラリアの人々もこの問題に関しては僕の理解を超えています。
オカピー
2013/08/13 22:24

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