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zoom RSS 映画評「さすらいの女神(ディーバ)たち」

<<   作成日時 : 2013/06/02 16:32   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
2010年フランス映画 監督マチュー・アマルリック
ネタバレあり

一種のヌード・パフォーマンスであるバーレスクをテーマにしたロードムービーで、「潜水服は蝶の夢を見る」で一躍一般的知名度を上げた男優マチュー・アマルリックが監督を務め、バーレスクの芸人たちの世話を焼くプロデューサー役で主演もしている。カンヌ映画祭で監督賞を受賞したのも頷ける佳作である。

アメリカのバーレスク(ニューバーレスク)の芸人達ミランダ・コルクラシュア、スザンヌ・ラムジー、リンダ・マラシーニ、ジュリー・アン・ミュズ、アンジェラ・ドゥ・ロレンツォ(全てほぼ本人役)を率いて祖国フランスを旅するアマルリックは元TV局プロデューサーで、巡業先で別れた妻との間に設けた二人の息子と会って暫し行動を共にし、TV局時代に関係のあった女性を病院に見舞い、子供たちを列車に乗せて母親の許に返した後、彼が育てたミランダと自動車で旅を続け、廃墟となったホテルでぼんやりしていると、別の場所へ向かった筈の他のメンバーが現れる。

各地を転々とする間に成功しそこなった男の悲哀が浮かび上がって来るお話で、山田洋次監督のようにきちんとした進行ぶりではなくフランス映画らしくルーズな展開ではあるが、女性たちを含めたデラシネぶりは「男はつらいよ」を幾分か思い出させ、皆がどういう事情かよく解らないまま集合する幕切れにはそこはかとなくほろりとさせる味わいがあってなかなかヨロシイ。
 主人公とミランダの関係は寅さんとリリーのようなもので、互いに愛情を持っているのに喧嘩しないではいられない。きっと似た者同士ならではの解り過ぎる心境が互いに痛すぎるから起こる衝突なのであろう。

主人公が息子たちと会う場面など経緯が解りにくい箇所もあり、抜群の完成度というわけにはいかないが、人生の苦味を味わい余韻に浸ることができる作品と判断して、☆★は多く進呈いたす次第。

バーレスクの芸人たちも成功の夢を見る。

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[映画]さすらいの女神(ディーバ)たち
2010年、フランス 原題:Tourn&#233;e 監督:マチュー・アマルリック 脚本:マチュー・アマルリック、フィリップ・ディ・フォルコ、マルセロ・ノヴェ・トレ、ラファエル・ヴァルブリュンヌ 出演:マチュー・アマルリック、ミランダ・コルクシュア、スザンヌ・ラムジー、リン ...続きを見る
一人でお茶を
2013/06/02 17:22
『さすらいの女神<ディーバ>たち』
(原題:Tournee) ...続きを見る
ラムの大通り
2013/06/02 23:26

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ニュー・バーレスクが観られるだけでも一見の価値がありますよね。あの風船に入ってしまうのがすごかった。どうやってるのかな。
パリへ戻った主人公がドタバタする様子から、はっきりとは説明されないのだけれども過去の彼がどんなだったかが伺えて苦笑したくなる。子供の母親である女性はいまでも顔も見たくない程怒ってるんだろうな、とか。観ていて想像してしまうんですよね。
最後で運転手の役を替わってもらうことで主人公の変化を自然に表していたのもうまいなと思いました。
nessko
URL
2013/06/02 17:32
フランス人ってズルズルと進む映画が好きなようで、むかしから、こういう映画が多いですね。
ねこのひげ
2013/06/02 18:38
nesskoさん、こんにちは。

>ニュー・バーレスク
一種の大道芸みたいなもので、大変面白いですね。

>子供の母親
突然子供が現れてビックリしました(笑)。
その後の台詞等で関係が解ってフムフムとなりましたが。
入院中のTV局女性の態度から推しても女性関係がルーズだったんでしょうね。

>運転手の役
ちょっと達観したのかな。
女性も運転手になって心機一転という気分になったようですし。
オカピー
2013/06/02 21:45
ねこのひげさん、こんにちは。

>ズルズル
60年辺りから特にそういう傾向が強くなったようです。
それがムードや味に繋がる場合は良い作品になりますし、そうならないと単にだらだらした作品に終わってしまう、というパターンがフランス映画ですね。
オカピー
2013/06/02 21:48

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