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zoom RSS 映画評「ピクニックatハンギングロック」

<<   作成日時 : 2013/05/16 10:06   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1975年オーストラリア映画 監督ピーター・ウィアー
ネタバレあり

1980年代初めオーストラリア映画が台頭し、83年頃オーストラリアにピーター・ウィアーという注目監督がいると新聞で読んだ。84年に豪州時代の「危険な年」で初めてお目見え、翌年アメリカで作った「刑事ジョン・ブック/目撃者」が評判になった為、製作の11年後に日本で公開に至ったのが本作である。僕はその頃一度観ている。

映画は1900年2月(豪州では夏)に起きた事件であると説明して本論に入って行くが、Wikipediaによればそういう記事や警察記録は一切ないのでフィクションであるとしているものの、そう安易に決めてかかれない。世の中には当局の圧力で記事にならない事件が色々とあるからである。
 原作者のジョーン・リンジーは小説自体を実話ともフィクションとも言わない代わりに、本作において事件が起きるハンギングロックで奇妙な事件があったのは紛れもない事実であると述べているらしい。

豪州南部の全寮制女学校で年長組の少女たちが教師二人とハンギングロック(岩山)にピクニックに出かけ、昼寝をする他の生徒と別行動を取った4人組と女教師一人が行方不明になる。近くで総督の甥とその友人的下男が女生徒の様子を観ている。
 女教師については最初に逃げ出す愚痴りがちな少女の証言があるだけであり、もう一人の少女が発見されるが記憶喪失で事件の真相は依然藪の中。彼女を発見した下男は後見人の支払い拒否で校長から孤児院に戻されることを強制される少女の兄である。結局残る三人は発見されない。

所謂“神隠し”談であるが、前半神秘的なタッチで少女たちの様子や詩情たっぷりに少年たちの行動を映し出す一方で、全寮制故に生じているであろう、校長を含めた色々な組合せの同性愛的愛情関係を繊細に暗示し、後半では孤児院からやって来た少女の扱いを頂点にした学校の運営や指導方針への現実的批判を底流に忍ばせた辺りにウィアーの大物の片鱗が早くも(第2作)伺われる。

僕の理解力では、孤児院出身の少女と、その死を、近くにいながら長年会わないうちに夢に見る兄の、目に見えない親和力がこの事件の原因になっているようにさえ感じられる、神秘主義的扱いが、大変興味深い。

配役陣では校長のレイチェル・ロバーツと総督の甥に扮するドミニック・ガード以外に記憶している人はいないが、教師を含めて魅力的な若手女優陣が揃っている。

70年代のフィルムの香りがする。良いね。

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これは何とも言えない不思議な映画。 ...続きを見る
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2013/06/06 22:30

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
何が起きたのかよくわからず、抒情的に描かれているのがいいですね。
こういうのは、大げさに騒がれると作りものめいてしあいますからね。
作りものには違いないんだけど・・・(^^ゞ
ねこのひげ
2013/05/17 02:48
ねこのひげさん、こんにちは。

ムードが英国映画調で、リリカルで幻想的な扱いが良かったであります。

孤児院出身の兄妹の再会しないけど妹が死ぬ時に夢で逢う関係、言葉だけだったけど、神秘的だったなあ。学校全体に呪いがかかっていたような・・・
恐怖映画ではないけど、考えてみると、怖いところもある・・・
オカピー
2013/05/17 20:21
今日の放送を前に勉強になりました。なるほど見てみます。放送局は東京MXです。
今日の放送
2014/03/21 10:07
今日の放送さん、こんにちは。

ネタバレが多いのが良し悪しなんですけど。
スタイルなので悪しからず。
オカピー
2014/03/21 21:13

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