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zoom RSS 映画評「ジョン・カーター」

<<   作成日時 : 2013/05/12 11:00   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2012年アメリカ映画 監督アンドリュー・スタントン
ネタバレあり

「ターザン」シリーズで有名なエドガー・ライス・バローズのSF小説「火星」シリーズ第1作「火星のプリンセス」を映画化したもの。故意か偶然か、2012年は雑誌発表100周年に当たる(単行本化は5年後)。実はシリーズのうち僕は二作を読んでいるが、肝心な第1作を読んでいないというお粗末。いずれにしてもこの時代のSF小説はまだ冒険小説の要素が濃く、ハードSFが苦手な一般読者にも馴染みやすい。

南北戦争直後の西部、騎兵隊とインディアンに挟みうちに遭った元隊員ジョン・カーター(テイラー・キッチュ)が逃げ込んだ洞窟で瞬間移動(幽体離脱)をして“バルスーム”なる惑星実は地球人のいう火星に飛ばされる。引力の違いのせいでもの凄い跳躍力と腕力を発揮した為に彼は蕃族“サーク族”の皇帝に気に入られる。
 事情があって一旦追放された彼は、“ゾダンガ国”の皇帝が火星での権力を握ろうと平和国家“ヘリウム国”の王女デジャ・ソリス(リン・コリンズ)と政略結婚を企む二国家間の抗争を知り、前皇帝に代わる悪徳皇帝を闘技場で倒すことで信頼を得た“サーク族”を率いて“ヘリウム”の応援に駆け付ける。

というお話は、既に作られた後発のスペース・オペラのあれやこれやに似て新味に欠けるが、言わば火星の「三国志」といった趣きで、“ヘリウム国”と“サーク族”が協力して“ゾダンガ国”と戦うのは呉と蜀が力を合わせて戦力的に一番整った魏と戦う三国時代後期を髣髴(彷彿)とする。

いくら1980年代後半までVFXという便利なツールがなかったとは言え、今まで映画化されてこなかったのが不思議なくらい(実際には戦後SF作家としてのバローズはすっかり忘れられ、1960年代半ばに再評価される)で、「スター・ウォーズ」以降のスペース・オペラよりお話の構図がシンプルな為、聞き慣れない単語の数々も意外とすんなり入って来る。

しかし、全体的に【証文の出し遅れ】の感は否めず、スペースオペラを見慣れた現在の映画ファンには、プロローグとエピローグに若き作者E・R・バローズ(ダリル・サバラ)がジョン・カーターの甥として登場するという趣向と、シャーロック・ホームズを想起させる展開になるエピローグの方が、寧ろ本体部分以上に楽しめるかもしれない。

TVで観ると実写とCGの合成は今一つ。

西部劇とSFの合体は「カウボーイ&エイリアン」が初めて(映画では初めてかもしれない)ではなかった、ちゅうことです。無知の涙(笑)。

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トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ジョン・カーター
全然ワクワクしなかった・・・   ...続きを見る
Akira's VOICE
2013/05/12 11:08
ジョン・カーター
公式サイト。原題:John Carter。原作は1912年のエドガー・ライス・バローズの「火星のプリンセス」。アンドリュー・スタントン監督、テイラー・キッチュ、リン・コリンズ、ウィレム・デ ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2013/05/13 10:06

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
エドガー・ライス・バローズ!
高校生の頃だったか、「火星のチェス人間」というのを読みましたな。ネットで調べるとシリーズ6作でした。気に入ったのでもう一冊読んだような気もするんですが、それがこの「火星のプリンセス」だったような・・・。

アンドリュー・スタントンって、「ファインディング・ニモ」の監督ですよね。
この映画、ちょっと気になりました。
十瑠
URL
2013/05/12 15:25
デイズニー生誕110周年記念作品だったんだけど、アメリカで大コケした映画で史上最大の大赤字だったという前評判で、でもバロウズなら観に行かねば!と観に行きました。
映画を観だして半世紀、場内でただ一人・・・貸切状態で見たのは初めてでしたね。
しかし、けっしておもしろくない作品ではありませんでしたがね。
まあ、スターウォーズ以降の無数の二番煎じの映画に見飽きた人たちには、興味がわかない映画ではあったのでしょうね。
ねこのひげ
2013/05/12 17:37
十瑠さん、こんにちは。

>「火星のチェス人間」
さすがに読んでいらっしゃる!
当方は店頭でちらっと内容を確認して「火星の交換頭脳」を衝動買いしてしまいました。面白かったので、「火星の合成人間」というのも買いましたが、こちらはさほどでなく、付き合いが終わりました^^
しかし、やはり第一作は読んでおくべきだったでしょうね。
バローズは図書館では不人気で、群馬県内の図書館を全て当りましたが、殆どありませんでした。

>アンドリュー・スタントン
そうですね。
しかし、アメリカでは【証文の出し遅れ】がたたって、大赤字だったそうです。
下のねこのひげさんも仰っているように、単純明快でつまらなくはないと思いますが、若い人が観るにはちょっとクラシックすぎるのかな?
今の若い人は、登場人物が葛藤したりしないと、つまらないみたいです。そういう感覚はよう理解できんのですが(笑)。
オカピー
2013/05/12 21:40
ねこのひげさん、再びこんにちは。

僕もそれなりに楽しんだ口ですが、昨今の若い人は単純明快さが却っていけないみたいですね。
「X−メン」シリーズの評判が良いのは登場人物が内面に何か問題を抱えているからというのですから・・・結果的に、僕が面白いと思ったのがつまらなく、つまらないと思ったのが面白いと思われる、という逆転現象がSF作品などでよく起こるのであります(笑)。
当方、単純明快で面白い映画が一番上等(何故なら面白くするのが一番難しい)と思っているのですが、どうもこの映画的精髄が解っていないみたいで寂しいです(笑)。
オカピー
2013/05/12 21:51

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