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zoom RSS 映画評「残虐全裸女収容所」

<<   作成日時 : 2013/04/25 09:29   >>

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★(1点/10点満点中)
1972年アメリカ映画 監督ジャック・ヒル
ネタバレあり

高校時代から大学時代にかけて女囚映画を結構観た。人並みに女性への関心があったから、目的は意味もなく出て来る女性の裸である。王道のポルノ映画は何故か避けた(笑)。

お話はどれも似たりよったりで、刑務所内での女囚同士の対決とそれに伴って若しくは無関係に裸を繰り出す。こうした女囚映画は、昨日取り上げた「コーマン帝国」で良く使われた言葉“搾取(エクスプロイテーション)映画”の一ジャンルに当たるらしく、そのロジャー・コーマンが代表を務めるニューワールド・ピクチャーズ作品である。
 エクスプロイテーション映画の定義は正確には掴んでいないが、“搾取映画”という翻訳は一面を捉えているだけで、定義を完全に把握していない映画ファンの誤解を招くと思われる。

さて、本作は所謂女囚映画と言われる中では幾分複雑な構成を取っているが、後述するように、実際の出来上がりはかなりチグハグである。

最初舞台はカリブ海辺りかと思って観ていたが、主要人物以外の出演者の顔触れを見るとフィリピンらしい。最後に“香港はすぐだ”といった言葉も出て来るので間違いないだろう。

政治家の情人アニトラ・フォードが革命を目論むゲリラの騒ぎに巻き込まれ半ば誤認の形で逮捕され、ジャングルの中にある自給自足と称する農園のような刑務所に送られる。
 普通の作品なら主人公と思しき彼女が色々な経験をした挙句にそこから抜け出す若しくは釈放されるといった展開になるところを、革命を目論むくだんの一味が士気を高める為に(?)組織に女性を大量に持ち込もうとリーダーのシド・ヘイグがホモの看守に接近して集団脱走の準備を進めるというお話を入れたが為に誰が主役か解らなくなってくる。

そういう芸術面は別としても、リーダー一人がわざとテロ未遂を起こさせることで送り込んだ愛人の女囚パム・グリアやアニトラと組んだところで大規模な脱走が叶うはずもない。
 そもそも革命実現に混乱を招く女性群は要らないだろうし、部下たちが口々に言うフランス革命すら知らない男が革命一派のリーダーになっている適当さ。こういう低脳ぶりがこの種の作品の憎めないところなのでありますが。

案の定、結局アニトラともう一人の女囚だけが助かって香港へ向い、残りは全滅という無残な結果に終わる。

前述したように、最初と最後だけはアニトラ、中盤は革命カップルが主人公という二組の主人公がいるような印象がチグハグさを醸成する最大の所以で、下手な色気(エロ気ではないほうの色気)を出して疑問百出させてしまった典型的作品と言うべし。といった具合に、文句を言う(突っ込みを入れる)のを楽しむ映画である。もっとひどい場合は文句を言う元気も出ない。その場合はコンマ何点と表記するしかないと思っている。

今や裸を見るのにエクスプロイテーション映画もポルノ映画も要らぬ時代。悲しむべきかな。

最初に出て来る車は、子供の頃良く見たトヨタのコロナでした。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
>“搾取(エクスプロイテーション)映画”
ぼったくり映画、というかんじでしょうか?
この手の低予算映画を参考にしてなのか、東映も似たような映画を量産していた時期がありましたね。あのころはまだ東映だとプログラムピクチャーになりますか。
にっかつロマンポルノよりは、東映のほうがずっとずっと好きでしたね。
nessko
URL
2013/04/26 00:44
ものすごい映画も観てますね〜
ビデオを貰って観たことがありますが・・・・
なんともいやはや・・・でありました(^_^.)
ねこのひげ
2013/04/26 03:06
nesskoさん、こちらにも有難うございます。

訳語としては“ぼったくり映画”のほうがベターですが、日本の“際物”のように現実が背景にあるものを指すようですね。
黒人運動の時にはそれらしい映画がたくさん作られ、そういう映画もエクスプロイテーション映画と言うらしいです。確かにプラック・パワー映画が一時流行ったような気がします。

いずれにしても低予算で、アメリカの感覚で言えば日本の映画は殆ど低予算映画ですが、戦後の日活は最初から低予算の雰囲気濃厚、スターシステムの崩壊でにっかつポルノに移行しましたし、東映も時代劇がダメになって任侠映画と並行してゲテモノで食いつなごうとしていましたねえ。
好き嫌いはともかく、ぼくはにっかつポルノのほうが見た本数は多いですね。いずれにしても短期間で作ったせいか、安っぽさが露骨に見えるのが時には良いと思えることもありました。
オカピー
2013/04/26 21:40
ねこのひげさん、こちらにもようこそ。

女囚映画ではもっとつまらないものもたくさん見ていますよ。
さすがに最近はそんな暇もないですが。
観たかどうか忘れていましたが、「コーマン帝国」の中でも一応紹介されていましたので、観てみました。
タランティーノの「ジャッキー・ブラウン」を観た時主演女優の名前がパム・グリアで、どこかで聞いたことがあると思っていましたら、この手の映画によく出ていたのでした。何となく脳裏に残っていたようです。
オカピー
2013/04/26 21:45

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