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zoom RSS 映画評「昼下がり、ローマの恋」

<<   作成日時 : 2013/01/05 12:46   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2011年イタリア映画 監督ジョヴァンニ・ヴェネロシ
ネタバレあり

イタリア映画界は昔からオムニバス映画がお好き。特に盛んだった1960年代のヴィットリオ・デ・シーカの傑作オムニバス映画「昨日・今日・明日」(1963年)になぞって言えば、本作のタイトルは「青年・中年・老年」である。

実際映画の中でもタクシー運転手をするキューピッド(ヴィットリオ・エマヌエーレ)を狂言回しにし、“青年の恋”“中年の恋”“熟年の恋”というタイトルで展開されている。

ローマで一流の弁護士を目指すリカルド・スカマルチョが立ち退きに応じない農家との交渉に出、奔放な若い有閑マダムのラウラ・キアッティの誘惑にメロメロになった為にローマに帰るのを延期、近所の人々と付き合ううちに農家の味方をしたい気持ちになり、結局恋人ヴァレリア・ソラリーノの許に戻る。
 続く一幕が一番コメディー色が強く、TVの人気テレビキャスター、カルロ・ヴェルドーネがストーカー癖のあるドナテッラ・フィノッキアーロに追いかけ回された挙句に、不祥事を理由にアフリカ支局へ左遷させられてしまう。
 第3話は、彼と同じアパートに住むアメリカ人教授ロバート・デニーロは、本当はヌード・ダンサーなのにパリの有名ブランドに就職したと嘘をついたことが父親の激怒を買った為逃げ込んできた友人の娘モニカ・ベルッチを優しくなだめるうちに恋に落ちる。

デ・シーカ程の洒落っ気もない凡々たる艶笑喜劇ではあるが、出世欲やイメージ保持や死の恐怖等、自らを束縛するものから自由を得て行くという共通モチーフはあり、低俗とは言い切れない。但し、第1話と第3話で二人の男女が一緒にいるのがばれてしまうと困るというシチュエーションを繰り返す辺り些か知恵が足りない感じで、イタリア的泥臭さが顔を出す。

第3話で第2話のヴェルドーネがソマリアで人質になってしまうエピソードが出て来るのもご挨拶に困る。お笑いとして扱っているものの素材故に実際には喜劇になっていないのである。彼に罪があるにしてもほんの軽いものだから、左遷という不幸の後にもう少し幸運なお話が持って来ないと全体のトーンと合わない。

邦題を付けた人はきっとオードリー・ヘプバーンのファンだっぺ。

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昼下がり、ローマの恋
公式サイト。イタリア映画、原題:MANUALE D'AMORE 3、英題:The Ages of Love。ジョヴァンニ・ヴェロネージ監督、ロバート・デ・ニーロ、モニカ・ベルッチ、リッカルド・スカルマチョ、ミケー ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2013/01/05 15:46
昼下がり、ローマの恋/ロバート・デ・ニーロ
私は全然知らなかったのですがジョヴァンニ・ヴェロネージ監督の『イタリア的、恋愛マニュアル』は『モニカ・ベルッチの恋愛マニュアル』に続きそして本作が恋愛オムニバスドラマ ... ...続きを見る
カノンな日々
2013/01/05 16:57

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これは、観てないけど・・・・・『昨日・今日・明日』は良かったですね。
ソフィア・ローレン、さすがの貫録で、イタリアの肝っ玉母さんでよかった。
最初の昨日で、刑務所にはいらないために、子供を次々と作る。
最高の喜劇でしたね。

テレビで今年の映画の紹介を見ていたら『ムーンライズ・キングダム』というのが、面白そうでした。
ブルース・ウィリスが、島のダメ保安官を演じてます。
『小さな恋の物語』の現代版?という雰囲気でしたが・・・さて、どうでしょう?
後は、ブラピとトム・クルーズ・・・デカプリオばかりで、ハリウッドも超有名俳優に頼らざるをえないのか?
スピルバーグの『リンカーン』はよさそうでしたが。
ねこのひげ
2013/01/06 06:40
ねこのひげさん、こんにちは。

>『昨日・今日・明日』
傑作でしたね。
映画館で観られる世代ではありませんが、1970年代TVで良く放映されていましたので、何回か観ました。同じくマストロヤンニとの共演のデ・シーカ作『あゝ結婚』と共に。
しかし、『あゝ結婚』のアクセス数の少なさを見ると、もはや、デ・シーカの秀作コメディー群も過去の映画みたいですね。同じトリオでも『ひまわり』は人気なのに。

>『ムーンライズ・キングダム』
監督がウェス・アンダースンなので少々癖がありそうですが、アメリカでの評判は良いようですね。余り良いことがないので事前に評判も調べないのですが、IMDbで調べてしまいました^^;

>ブラピとトム・クルーズ・・・デカプリオばかり
僕にはよく魅力が解らないのですが、日本ならジョニー・デップが一番当るでしょう^^
トム・クルーズは、一部にもの凄いアンチ・ファンがいて、僕が作品を誉めると必ず言いがかりをつけてくる人がいましたよ。

>スピルバーグ
細切れカットもスローモーションも原則的に使わない、最近では唯一安心して画面を見ていられる監督です。カット割りも抜群だから、他の人が内容的に貶していても僕は感心することしばしば。
オカピー
2013/01/06 17:00

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