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zoom RSS 映画評「顔のないスパイ」

<<   作成日時 : 2013/01/24 10:19   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督マイケル・ブラント
重要なネタバレあり。鑑賞予定の方は鑑賞後にお読みください。

行動心理学的に整合が取れていず感心しなかった「ウォンテッド」、面白かったもののオリジナルにおんぶした格好の「3時10分、決断の時」で脚本を担当したマイケル・ブラントが監督した・・・と話題になっているが、上記二作紹介に付記したようにまだブラント氏は話題になるだけの実績を残しているとは思えない。

ワシントンで上院議員が殺され、その手口からソ連KGBの伝説的スパイ“カシウス”の名前が浮上、CIA長官マーティン・シーンはかつて彼とその一味を追っていた元CIAエージェントのリチャード・ギアを呼び戻し、大学時代に“カシウス”に関する論文を書いたFBIの若い捜査官トファー・グレイスと組ませる。

グレイスは伝説のスパイが復活したと信じ、ギアは模倣犯と反論しながら捜査を進める、というお話なのだが、映画はかなり早めにギアが“カシウス”その人であることを暴露してしまう。どんでん返しを放棄するという思い切ったアイデアは一応興味をそそるものの、それならそれでリチャード・“カシウス”・ギアが単独で行動をしている時に彼が正に通常のCIAエージェントであるかのように見せる嘘をついてはいけない。彼が仕留める人物に見せるのと同様に“カシウス”らしさをそれなりに示しておかないのはインチキである。

しかし、この後に映画が見せる唐突な真相判明に比べればまだ問題度は低い。具体的に映画の完成度に関することなので、この真相について説明してしまおう。つまり、グレイスもまたロシアのスパイであるとギアが見破るのである。しかるに、グレイスに至っては伏線即ちそれらしき言動を一切していないのではないか?
 ギアの件で一旦意外性を放棄したと思わせておき、最後にうっちゃるという構成全体は知恵を絞ったなと思わせるが、それには後で「そう言えばあの時・・・」と思わせるようにしないと単なる思い付きに終るわけで感心しない。僕の見落としであればお許しあれ。いずれにしても、もっときちんと解りやすく布石を置いておく必要がある。

家族を持つという行為をもってアメリカを選んだと解釈され家族を殺されたギア同様にグレイスも家族の許に帰る。その家にはアメリカの国旗が掛かっている。ロシア人も選ぶ素晴らしい国アメリカ・・・てなもんで、年を取るとこういう描写には苦笑が洩れる。

意外と良いのは殺害場面。最近の映画は長いアクションを細切れとクロースアップ(中学3年生レベルの英語の知識がある人なら御承知のようにクローズアップというのは間違い。同じcloseという綴りでもクローズは“近い”ではなく“閉じる”である。僕は英語の発音に従ってクロースアップを使っている)の併用で見せるので何が何だか解らず閉口させるのだが、本作の殺害は瞬時に行なわれる。極短ショットとクロースアップの組合せながら瞬時なのでワンショットで済み、切れ味たっぷりに効果的に表現されるのである。

未だにアメリカで積極的にスパイ活動をしていると判明して、最近ロシアが悪者として復活しつつあります。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ご迷惑かけてすみません。朝最初のトラックバク返しは寝ている間にたまったのを一気に処理してしまい、時々こんな変なことやらかしてしまいます。正にのぼう君です。面倒ですがのぼうは削除してください。
佐藤秀
URL
2013/01/24 11:00
佐藤秀さん

いえいえ、お話しする機会ができて嬉しかったです。
「のぼう」の方は消しておきました。
オカピー
2013/01/24 21:48
冷戦時代とひとつもかわらんということで・・・・つねに油断はならんということでしょうね。

中国が、尖閣を棚上げにしようと提案してますが、ウカウカ乗せられると、気が付いたら、乗っ取られていたということになりかねませんなぁ〜
安倍さん大丈夫かいな?
ねこのひげ
2013/01/25 07:14
ねこのひげさん、こんにちは。

ゴルバチョフはロシアに現れた珍しいタイプの政治家で、プーチンの登場でロシア人にとっても怖い時代に少々戻った感ありです。ミニ・スターリンと僕は言っています。さすがに自分の気に入らないという理由だけで自国人を少なくとも300万人も殺したスターリンと比較すれば、ましですが。
オカピー
2013/01/25 21:24

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