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zoom RSS 映画評「社長三代記」

<<   作成日時 : 2013/01/23 10:39   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1958年日本映画 監督・松林宗恵
ネタバレあり

東宝の人気サラリーマン喜劇「社長」シリーズの5本目。前回の「三等重役」とは姉妹作であり、これを一緒くたに扱えば8本目となる。
 「三等重役」で社長役だった河村黎吉はこの後「続三等重役」を撮った後亡くなるが、本作で活躍する8mm映像としてこの二作が借用され、第一代社長役としてフッテージ出演している。本来は別の役なのに、会社の部下役が同じ俳優なのでちゃっかり使ったという次第。

その部下だった森繁久弥が今ではご立派な社長で、秘書の小林桂樹を好きなように使っているが、アメリカ企業との商談を決める為に長期出張と相成る。その間の社長代理に前社長の奥方である会長・三好栄子に見込まれた営業部長・加東大介が選任され、森繁社長と違ってまめに動くので小林秘書は仕事が減って調子が狂う。加東社長代理が風邪で寝込んでいる間に社長が戻るも、下品な宴会芸が商談先の米国企業社長マダムに嫌われて提携が危うくなった為会長は森繁社長を米国支社長にして社長代理を社長に昇格させる。

僕も営業畑だったので商談終了後の宴席の雰囲気は知っている。1980〜2000年という時代故か僕の会社の性格なのか、こういう下卑た見世物を披露することなどなくビジネスを離れた他愛ないお話に明けくれることが多かった。芸と言えばせいぜいカラオケでござる。“My Way”を歌ってアメリカ人の社長から"Good job!"とお世辞を言われたのを覚えている。と言いつつ、接待する側の雰囲気はそれほど変わっていないような気もする。

しかし、仕事として我慢したものの無愛想な僕は基本的に幇間(太鼓持ち)は嫌いである。従って、幇間がやたらに出てくる東宝サラリーマン喜劇とも相性が悪いようで、まして本作は「三等重役」に比べて品が著しく欠けて、肌に合わない。

描写のバランスも余り良くない。例えば、加東社長代理を生かすには森繁が日本にいる間にもう少し会社における彼を描写して置く必要があり、先代社長を見て涙を流す序盤のショットだけが布石では些か物足りない。その代わり間延びしない利点にもなって、86分という短尺に繋がってはいるのだが。

高度経済成長期の最中故に、営業部長が節約をして庶民も漸く買い始めたTVも買わず農作業に精を出す箇所など急激に変化する時代を捉えて風俗的に興味深いが、この描写の代わりに本来は会社での彼をもっと描くべきではなかったかと思う。営業部長の職とのギャップを感じさせるところが可笑しいと言えば可笑しい。

森繁、小林、加東いずれも達者ながら、まあ慣れたものでこの一作がどうのこうのということもあるまい。

監督はお寺を実家に持つ松林宗恵だが、特徴その他、他の作品を観た記憶がないのでよく解りません。

その他得意だったのは「ロシアより愛をこめて」。「ホテル・カリフォルニア」は出張先の韓国では上手く歌えたのに、日本ではダメだった。結構難しい。「天国への階段」も歌ったことがあるでよ。

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コメント(4件)

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ねこのひげも、こういう太鼓持ちのような経験はありませんが、、我々の前の世代、現在70歳前後の人は経験があるようですね。
ねこのひげが、アメリカにいったころに、カラオケがやっとアメリカにはいたころで、たどたどしい日本語でカラオケを楽しんでいるアメリカ人がおりましたね。
ねこのひげ
2013/01/24 07:45
ねこのひげさん、こんにちは。

やはりこういう古典的な接待は、1960年代いっぱいくらいでしょうなあ。日本独自の雰囲気は今でも多少は残っていますけど、変な芸は見せませんよね。

アメリカ人は〜ケという発音が苦手なのようで、日本酒が「サキ」になったり、カラオケが「カラオキ」になったり。
うちの兄貴はレコード時代からカラオケ・レコードを買っていたから相当早いほうでしたね。
オカピー
2013/01/24 21:45
ねこのひげの本名の名字の最初の一字は、英語にない発音だそうで、だれも発音できませんでした。ないからとうぜんですが・・・・
で、ついた通名が『サムライ』。どこの店でもサムライと呼ばれ、仕事相手や日本人仲間からも呼ばれ、そのたびに店中のお客に一斉に振りかえられて、恥ずかしい思いをしました。
ねこのひげ
2013/01/25 08:21
ねこのひげさん、こんにちは。

僕の名前の一部に使われているHは、ロシア語にはないので、通常Х(KH)を使いますが、「ハムレット」のようにГ(G)を代用することもあるようです。
韓国語にはバ行の発音がないので、通常の韓国人はパ行で発音しますよね。日本人がRとLの発音を殆ど区別できないのと同じ理屈と、音声学の教授から言われて「なるほど」と思ったことがあります。

>『サムライ』
ものすごく恥ずかしいけど、ありえないほど格好良い、です(笑)
僕は、ブログの名前になっている“プロフェッサー”がごく一部の人に使われていました。
オカピー
2013/01/25 21:19

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