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zoom RSS 映画評「50/50 フィフティ・フィフティ」

<<   作成日時 : 2013/01/01 10:50   >>

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喪中につき新年の挨拶は遠慮させて戴きます。

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督ジョナサン・レヴィン
ネタバレあり

前回の「メタルヘッド」の長髪不良(?)青年役より、ジョセフ・ゴードン=レヴィットは「(500)日のサマー」のような所謂草食系青年がサマー(様)になる。

実際に草を食べているようにさえ感じられる健全極まりない生活を送っていたゴードン=レヴィット君が腰痛を覚えて検査したところ、医師から脊椎を走る神経の癌であると堂々と告知され、5年後の生存率は50%と言われる。題名の由来なり。
 当初はお決まりの抗がん剤治療だが、副作用がきつい上に肝心の効果もなく、遂に手術を受ける羽目になる。

主人公一人に絞ってアウトラインを書けば以上のようになるが、本作の狙いは周辺の反応や主人公との関係を些か誇張して描くことにある。

一番先に彼の病気を知ったラジオ局の同僚である親友セス・ローゲンは自分の女好きを利用してナンパ荒療治をする。常に女性とナニすることしか考えていないような僕が最も苦手とする人種で、主人公にしてもよく付き合うよという感があるが、心の底で非常に心配しているのは言うまでもない。それが判るのが彼が「癌患者との付き合い方」といったタイトルの本を真剣に読んでいたことを示すショットで、ここがひどく評判が良いが、僕には彼がただの助平男だったらお話として成立しない以上推して知るべしといった印象である。扱いは良いものの秀逸とまで言えるだろうか? 

母親アンジェリカ・ヒューストンの心配については特に誇張されてはいないが、認知症の夫を抱えた大変さを描写しないのが効いてそこはかとないユーモアが上手く醸成されている。僕はこれを一番買う。

彼の恋人の前衛画家ブライス・ダラス=ハワードは心配しているふりをして浮気をしてしまうような女性で、実際社会ではこれも一般的と言って良い範囲なのに難病映画であるが故に妙に嫌な女性としてコミカルに浮き彫りさるように設定されている。

セラピストに選ばれるアンナ・ケンドリックは若くて彼が生涯3人目の患者という誠に頼りない存在であるという設定がお笑いの要素となるが、「君も僕も新人だね」という次がないかもしれない癌患者の主人公が放つ言葉は何気ないのに頗るブラックである。

難病映画なのにコミカルな要素が大量に盛り込み、それでいて患者や周辺人物の反応の機微をきちんと描いたところがアメリカでも日本でも好感をもって迎えられた理由であるようだが、他の方のようにこれを会心のホームランというところまで持ち上げる気にはなれない。そこそこ良い当たりが塀まで転がって二塁打になった程の印象に留まる。
 脚本を書いたウィル・ライザーの経験に基づいている為に実感はよく出ているが、一番キーとなるローゲンについては上述通りで、さらに、純ロマンスならともかく、この素材においては主人公とアンナとの成行きに捻りが足りず、些か物足りないからである。☆☆☆★は僕にとって決して低い採点ではないが。

監督は若手ジョナサン・レヴィン。Levineという綴りなので、末尾 e の存在からリヴァインが正しい発音の可能性がある。

今年が良い年になるかどうか、50/50なら恩の字だね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
日本なら、半々というやつで、癌で50%の確率ならそう悪くはないでしょう。
見つかった途端、手遅れというケースが多いですからね。
去年の暮れに、東野浩二と松崎しげるが番組で大腸ポリープを見つけられて大騒ぎをしとりました。
もう少し遅ければ、癌に進行して命がなかったと言われてました。

癌というのはなんでしょうかね。ほっておいて長生きするのもいれば、手術をしたにもかかわらず、また癌ができて亡くなるのがいますからね。
ねこのひげの友人も3人死んでます。
ねこのひげ
2013/01/01 16:49
ねこのひげさん、こんにちは。

昨年夏に大腸がんの検査を受けましたが、何もありませんでした。
検査費用が結構かかりましたが。

>癌
場所にもよるんでしょう。
僕と同じ年だった元同僚が昨年秋口に肺がんで亡くなりました。ヘビースモーカーでしたよ。
オカピー
2013/01/01 21:48

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