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zoom RSS 映画評「カンタベリー物語」(1944年)

<<   作成日時 : 2012/11/18 10:31   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1944年イギリス映画 監督マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
ネタバレあり

マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー共同演出の本作は恐らくWOWOWでの放映が日本初紹介になるのではあるまいか? いずれにしても彼らのファンはもとより古い英国映画が好きな方にも貴重品で、確かに日本で公開されてヒットする要素は一つもない。

僕が昔読んだチョーサーの「カンタベリー物語」とは直接関係ないが、かの800年前の古典同様カンタベリー(大聖堂)への巡礼が最終的には重要な要素になってくる。

時は1944年の某夜半、カンタベリーに程近い村に降り立った米軍曹長ジョン・スウィート、英軍軍曹デニス・プライスが、治安判事のエリック・ポートマンの許へ彼の農場で仕事をすることになったというロンドン娘シーラ・シムを連れて行く羽目になるが、その途上同地を賑わしている“糊男”に襲われて彼女の髪がべたべたになる事件が起きる。

全体の三分のニくらいは結局別の農場で働くことになった彼女と予定を変えて同地に暫く滞在することになった軍人二人の計三人が“糊男”の正体を探るというミステリー趣味が中心となる。微笑ましくちょっと面白いのは兵隊ごっこをしている子供たちを味方につけて万屋や廃品回収でのデータを収集させる部分である。

調査の結果では、どうも判事が犯人臭い。しかるに、彼らは全員「犯人であるにしても判事が好きである」と発言、それをこっそり聞いてしまった判事は犯人であることを肯定も否定もしない。
 この四人が夫々の用でカンタベリーまで赴くと、彼らの“巡礼”に対して神が応えるように、奇跡が起こる。元オルガン弾きプライスは教会でパイプオルガンを弾く夢が叶い、婚約者が死んだと通知されていたシーラは思い出のある店で彼の生存が告げられ、恋人から手紙の返事が来ないことにくさっていたスウィートは彼女がオーストラリアの軍隊に入っていた為の音信不通であることを知るのである。

中盤までののんびりした展開も英国調で決して悪くないのだが、最後の奇跡連発を見ると、犯人が解らないまま終わること自体は良しとしても、些かそれまでが悠長すぎるのではありませんか、とバランスの問題を指摘したくなる。
 ただ、第2次大戦の重要な局面に入った時に戦意高揚でも一般的なプロパガンダでもない、こういうのんびりした映画を作れた英国映画界は実に大人であったと痛感させられる。

最後まで観ると信仰をテーマにしていると判明するわけだが、その信仰にしてもキリスト教的なそれを説教臭く訴えるというより、例えば自分を信ずるといったことも含めた広い信仰と考えられ、後味は悪くない。一般的な意味で、面白い映画と思う人はあまりいらっしゃらないとは思う。

パゾリーニが映像化した「カンタベリー物語」(1971年)は中学生の時に見て、全編裸だらけで驚いた。

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コメント(2件)

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ちょっと、ドタバタして覗けませんでした・・・・・

『カンタベリー物語』・・・見た覚えがあるけど、こんなに古い映画だったけ・・・?
と思ったら、パゾリーニの『カンタベリー物語』でした(^^ゞ
ねこのひげ
2012/11/19 04:49
ねこのひげさん、こんにちは。

ねこのひげさんの活動時間は何時頃なの?と疑問に思うておりますが(笑)。
僕もブログを始めた頃は早朝に他のブログさんにお寄りしていたことがあります。

>パゾリーニ
昔は成人映画(18歳未満お断り)とそれ以外しかなかったので、小学生でも女性の裸がいっぱい出てくる「カンタベリー物語」も「アマゾネス」も観られました。
僕はもう中学生でしたけどね。
アメリカと同じような細かい区分になったのはいつ頃からでしょうかねえ。1990年代に入ってからかな?
いつの間にか映画館で吹き替え版を上映するようになったし。
オカピー
2012/11/19 16:34

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