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zoom RSS 映画評「スパイ」(1939年)

<<   作成日時 : 2012/11/18 10:21   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1939年イギリス映画 監督マイケル・パウエル
ネタバレあり

「スパイ」という邦題の映画は多い。本作は、一番有名なアンリ=ジョルジュ・クルーゾーではなく、マイケル・パウエルが長年コンビを組むことになるエメリック・プレスバーガーと出会うことになる記念碑的作品である。などと言っても若い人には何のことだか解らないだろうが。
 この作品では、監督がパウエル、脚本がプレスバーガーと別々になっているが、やがて二人は音楽界で言えばレノン&マッカートニーのような関係になって行く。

時代背景は第一次大戦中の1917年、ドイツ軍が英軍基地のある島に赴任することになった女教師ジューン・デュプレーを殺害して代わりに女スパイのヴァレリー・ホブスンを女教師として送り込み、Uボート(ドイツ軍潜水艦)の艦長コンラット・ファイトと合流、作戦失敗で干された為寝返った英軍中尉セバスチャン・ショーから情報を得て、船隊を一網打尽にする作戦を敢行しようとする。
 ところが、ヴァレリーは独軍女スパイになりすました英軍スパイ、ショーも作戦司令官であると判明、ホテルに軟禁されたファイトはしたたかにも女教師の婚約者として訪問してきた牧師の服装を着てまんまと民間人や独軍捕虜もいる商船に乗り込み、捕虜を使って船を制圧、逆襲しようとする。が、皮肉にも自分の潜水艦から攻撃されて一巻の終わり。

1939年第2次大戦前夜にドイツとの間で戦争が勃発することを確信して作られたスリラーで、さすがに英国製らしく前年に作られたアルフレッド・ヒッチコックの傑作「バルカン超特急」と似た香りがする。
 ミステリー的に誠に凝っているヒッチ作には大分及ばないが、面白さはともかく、軍人の扱いがなかなか好もしい。艦長は助かる可能性があったのに軍人の責任を果たすべく船と共に沈んでいくのである。

82分という長さで展開する内容もほぼ過不足なくほぼ完璧である。しかるに、言語の扱いが少々気に入らない。落ち合ったファイトとヴァレリーがドイツ語で話した後英語に変わるのはシチュエーション的に問題ないが、他のシチュエーションでドイツ人同士が英語で話しているのは、ドイツ人が英国人に、英国人がドイツ人に化けるスパイ映画としては大いに問題なのでござる。ましてコンラット・ファイトは映画史に残る「カリガリ博士」(1919年)を代表作とするドイツの名優だから、ドイツ語を使わせない手はない。これが会話する登場人物としてドイツ人しか出て来ない映画ならアメリカ製反戦映画の傑作「西部戦線異状なし」(1930年)のように全部英語でも一向に構わないが。

天国のプレスバーガー(ハンガリー系オーストリア人)応えて曰く、「ちょっとすっぱい(失敗)した」。少々英語が訛っております。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『赤い靴』は観ましたが、この作品は記憶がないような・・・・あるような・・・・

『カリガリ博士』は懐かしい。

最近、マイケル・パウエルという音楽家がいたような・・・・?
ねこのひげ
2012/11/19 05:00
ねこのひげさん、こんにちは。

僕はこの映画は日本未公開と思っていたのですが、allcinemaに当たるとちゃんと本邦で観られたようで???

コッポラが「テトラ」の中で上げていた「赤い靴」は映画館で観ました。「ホフマン物語」はフィルムセンターだったかな。
「カリガリ博士」は自主上映で。
1970〜80年代は東京中を駆けずり回っていました。

>音楽家
allmusicで調べたら、何人かいますが、いずれも解説がありませんでした。
オカピー
2012/11/19 17:19

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