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zoom RSS 映画評「鱒」

<<   作成日時 : 2012/10/26 10:32   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1982年フランス映画 監督ジョセフ・ロージー
ネタバレあり

WOWOWが特集するジョセフ・ロージー未公開映画3本のうち遺作の「スチームバス 女たちの夢」は既に鑑賞済みなので、その直前の本作を観てみた。ぐっと古い「呪われた者たち」(1963年)も観る予定。

ホモと知っていて結婚した夫ジャック・スピエセルと細々と鱒を売っているイザベル・ユペールが、ボウリング場で偶然出会った銀行家ジャン=ピエール・カッセルと知り合い、その幹部であるダニエル・オルブリフスキーに誘われるまま日本へ行き、その取引先である実業家の山形勲と知り合い、最終的には鱒養殖の実業家として身を立てる。

というのが骨子なのだが、寧ろ骨子に関わらない部分が圧倒的に多く、その骨子を読み取るのも苦労する。

ヒロインは結婚前に女友達と“男に何も与えずに、男から得る”を主旨とするクラブを結成していて、確かに愛情すら見せず色々な男と渡り合って企業家として成功することで正にそれを実現するわけである。

が、画面で進行するのはもっと妙で、そもそも彼らの職業すらきちんと紹介されない。僕が勝手に銀行家とか実業家とか決めているだけで、彼女が日本から帰るとカッセルは何の説明のないまま“彼女のせいで”破産し、夫婦と何だかよく解らない変則的な三角関係に陥ったらしいカッセルが批判した妻ジャンヌ・モローを撲殺してしまう。全く何のこっちゃである。

主題が寧ろややこしい男女関係のように思えるくらい分量的には多く、その割に具体的には何も説明しないうちに、実際は“何も与えずに男から得る”モットーを実現する女性のお話であることが日本を再訪する幕切れを観て何となく理解できるに過ぎない。
 だから純粋に商業映画として評価すると、日本での殆ど無意味と思われる一連の描写を筆頭にバランスが全く取れていないわけで、もっと☆は少なくても良いのだが、不思議なことに彼女が日本を去るまでは案外面白く観られる。少なくとも論理的に見てはいけない作品である。

が、彼女が日本から帰ってからは退屈千万、いくら論理性の映画ではないとしても、訳の解らない男女関係(というより人間関係)を最小限にして幕切れに行かないとイライラしてくる。ここまで一人合点の内容では未公開もやむを得ない。

中盤まではともかく、終盤ますますいけなくなりました。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ジョセフ・ロージーというのは、映画フアンに人気があるのではないでしょうか?
ねこのひげでも『緑色の髪の少年』『二つの顔を持つ男』『コンクリートジャングル』『夕なぎ』『暗殺者のメロディ』など覚えてます。
『緑色の髪の少年』は髪の毛が緑色というだけでいじめを受ける少年の話でしたが、いまの日本だったらどういう事はないな〜

ウエブリブログ事務局の記事が更新されていたので見たら、きのうの午後1時からカウントがはいるようになったようですね。
とたんに悪拙が増えて一時繋がり難くなったようですが・・・
ねこのひげ
2012/10/27 04:56
あっ!?またやってしまった〜(~o~)
悪拙→アクセスですな〜確認しない癖がついて・・・・困ったもので(^^ゞ

『暗殺者のメロディー』は、トロツキーの暗殺者をアランドロンが演じて印象的でした。
トロツキーをリチャード・バートンで、リアルな仕上がりになってました。

ロージーは、リアル感を出すのが好きなのか?この映画の日本の部分もそんな印象・・・というかフランス映画ってなんか、こんな作りをする映画が多かったですね。
ベッソン以外・・・笑
ねこのひげ
2012/10/27 06:28
ねこのひげさん、こんにちは。

「緑色の髪の少年」もカルト的な人気がありますが、僕が気に入ったのは60年代の「エヴァの匂い」「召使」「できごと」、70年代初頭の「恋」なんてちょっとひねくれた作品ですね。
「暗殺者のメロディ」は中学生の頃観たきりで、確かDVDに保存してありますから、ドロン・ファンとしてはもう一度観ないといけないなあと思って既に数年経っております(笑)。この映画でトロツキーを覚えました。
ロージー=ドロン第2作「パリの灯は遠く」はなかなか出て来ず、これまた長いこと観ておりませんTT

ロージーは強烈な作家主義派ながら、その割に僕はいまだ系統付けられていないです。ブログ友達の豆酢さんに訊いてみないといけませんかな。
中学生の頃ジョセフ・ロージーとごちゃごちゃになっていたフランチェスコ・ロージは傾向がはっきりしていますけどねん^^
オカピー
2012/10/27 21:16

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