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zoom RSS 映画評「リメンバー・ミー」

<<   作成日時 : 2012/10/11 14:38   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督アレン・クールター
ネタバレあり

先が読めることを否定的に考える映画評が多い。全てが全く予想通りであれば、確かにこれは全く面白くない。しかし、全く先が読めなかったり狙いが掴めない映画もまた同じように良い映画たりえない。一般的に映画は巧みに我々をある程度先まで先導しながら進むのが一番効果的な見せ方であると言うことが出来る。その点allcinemaへの投稿がゼロながら世間でなかなか好評らしい本作は、単純に断定しがたいところがあるものの、些か狙いが掴みにくい前半はじりじりして観るしかない。つまり、構成が勿体ぶっていすぎ、ぎこちない印象が残る。
 が、登場人物の性格描写は、例えば昨日観た邦画「アントキノイノチ」よりずっと真摯である。逆に「アントキノイノチ」のほうが観客の関心を引くことに於いては巧みであったと思う。

1991年、ニューヨークの地下鉄構内、10歳くらいの娘の前で母親が強盗に射殺される事件を描いたプロローグの後、お話は2001年に飛ぶ。本作の難点を先に述べたものの、2001年という表示が出た時に、中途半端だなと思いつつ、9・11に結び付けられなかった僕の頭にも問題があったと言わざるを得ない。これに気付いていれば前半のじりじり感が大分少なくなったかもしれない。

6年前に兄を失ったことで弁護士の父親ピアース・ブロスナンと上手く行かなくなった聴講生の息子ロバート・パティントンが、日常のイライラを警察にぶつけて留置場に放り込まれる。後日彼のルームメイトであるテイト・エリントンにそそのかされて、逮捕した警官クリス・クーパーに仕返しする為に娘の女子学生エミリー・デ・レイヴィンを誘って適当なところで捨てるという作戦に乗るが、元来気真面目の性格故に本気になってしまう。そして彼女はプロローグの少女であり、互いに大事な人を失った共通点から関係を深めて行く。
 彼が紹介した父親は彼女から意外にも好感を持たれるが、好事魔多し、クーパーに真相を気付かれ彼女もそれを知る。一方、父親に愛されていないと彼が思い込んでいる妹ルビー・ジェリンズが同級生から髪を切られる事件が発生、例によってイライラした彼は学校に乗り込み暴力事件を起こすが、彼の釈放に奔走し断固として仕返しをすると誓う父親に信頼感を覚え、エミリーとの和解も進む。

が、妹を送る為に遅れた父親を彼が事務所で待つその日は9月11日。父親が送り届けた妹の教室でその日が示されるというのはなかなか上手い。

9・11と事前に結び付けられた場合作者が何を狙っているか想像がつく為じりじり感は明らかに減った筈だが、反面、それに気付かずに人々の心理が交錯するのを目にした上でこの日を迎えたからこそ彼の20年余りの人生が強く意識づけられ、3000余名の犠牲者夫々に懸命に生きて来た同じような人生があったのだという納得感が増したとも言える。つまり、じりじり感と納得感の間で計ってどちらかを重く取るかで評価が左右されるわけで、前半のすっきりしない感じのほうが強く残っている現時点においては採点は上記くらいになる。

パティントンは「トワイライト」シリーズとは比較にならない好演、妹役のルビーちゃんも無視できない愛らしさ。

アメリカ人は9・11、日本人は3・11。11日という共通点はともかく、両国民が長い間忘れられない日となりましたね。それにしても日本の官僚はひどい。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
『リメンバー・ミー』(ロバート・パティンソン&エミリー・デ・レイヴィン版)
(原題:Remember Me) ...続きを見る
ラムの大通り
2012/10/11 22:51

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
生きている間に、なんども映画で観るような場面にお目にかかろうとは思いませんでしたね。
それも、11というシンクロニシティー・・・・・なにかがあると思っても不思議ではありませんな。

バティントン・・・・・なるほど。男子三日合わずんば寡黙して観よなどという諺がありますからな。
役者も、大根だと思っていたら、バラになることもありますな〜



ねこのひげ
2012/10/12 05:59
ねこのひげさん、こんにちは。

2001年と2011年というにもシンクロしている気がしますね。
あの地震がなければ、母があの時点で死ななかったかも、という思いもあるんです。
というのも、ガソリンがなかなか買えず、病院の検査も電力不安定ということがあり、四月になってから病院へ行こうかなんて思ってもいなかったですから。結果論にすぎませんが。

パティントンは良かったし、映画も「トワイライト」シリーズよりずっと良いと思いますが、ブログで取り上げている人が少なかったところを見ると、余り話題にならなかったようですね。彼を目的に「トワイライト」シリーズを見ているのではない、ということがよく解ります。
オカピー
2012/10/12 22:20
上のコメントに対して修正があります。

>思ってもいなかったですから

正しくは、「思っていなくもなかったですから」でした。<(_ _)>
オカピー
2012/10/13 20:10

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