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zoom RSS 映画評「ショパン 愛と哀しみの旋律」

<<   作成日時 : 2012/08/14 22:41   >>

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☆★(3点/10点満点中)
2001年アメリカ映画 監督イエジー・アントチャク
ネタバレあり

ポーランドの作曲家フリデリック・ショパンの伝記映画では「別れの曲」(1934年)が決定打という定評があるが、未だ観るチャンスに恵まれていない。その代わりその10年後ハリウッドが作った「楽聖ショパン」という作品を40年くらい前にTVで観たことがある。甚だパッとしない出来映えだった。

で、本作はサブタイトルから予想されたように例によってフランスの女流文学者ジョルジュ・サンドとの恋模様を中心に描いているが、これまで殆ど扱われることのなかった彼女の息子と娘が大きく絡んでいる為史実に近い反面、ショパン中心に考えると実に奇妙な伝記映画になっている。

21歳の時蜂起の起きたポーランドの評判が悪くなった為修行を積んでいたウィーンを離れ、父親の祖国であるフランスはパリに音楽活動の場を求めたショパン(ピョートル・アダムチク)は、社交場でリストの後に自作曲を演ずる機会に恵まれて好評を博し、そこで紹介されたサンド(ダヌカ・ステンカ)から寄せられる一方的な愛情に迷惑を感じながらも、肺病を理由にポーランド貴族令嬢との婚約を破棄された後、彼を看病したサンドと結ばれる。が、大した画才もない癖に母親に甘やかされてきた息子は母親が愛情を注ぐショパンを憎悪し、娘はショパンを愛して母親と妙な三角関係となり、結局愛のない結婚を選ぶ。
 このいざこざが元で二人は9年続いた交際に終止符を打ち、ショパンは2年後にフランスを訪れた姉に看取られ39歳で亡くなる。

どの映画版でも最初のハイライトとして大きく扱われるリストとの交錯はほんの軽く扱われるだけで、サンドの二人の子供たちがショパンに勝手に愛憎を向け、二人の交際が終焉に至るまでの経緯が眼目らしいが、実はこの作品の扱いではショパンが迷惑を被る以上にサンドが苦しめられているように見える。ショパンとサンドが子供たちについて話し合ったり口論をしたりする様子が殆ど描かれない為、後半は寧ろサンドの伝記映画の様相を呈しているわけで、原題も邦題もショパンを掲げている以上それらしく作ってくれないと観ている方は大いに当惑させられる。

ショパンの名曲の数々も劇的な効果を上げるようには全く使われていず、この点に関しては「楽聖ショパン」にも劣る。

映画的には二倍くらいあるものを半分にして繋いだのではないかと思うほどシーンやシークエンスの繋ぎが拙劣で、スムーズにお話が展開して行かず、不満が益々増幅される。確かにポーランド公開版より8分ほど短いが、それだけでこれだけぎこちなくはならないだろうから、ショパンの母親を演じているヤドヴィガ・バランスカと共同で脚本も書いているイエジー・アントチャクという監督のセンスは余り誉められないレベルと判断せざるを得ない。

ショパンの顔もサンド(三度)まで。

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コメント(2件)

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ショパンの顔もサンド(3度)まで・・・・・で、点数も3点ですか(笑)
ねこのひげ
2012/08/15 05:49
ねこのひげさん、こんにちは。

すみません。親父ギャグです。<(_ _)>
音楽家の伝記映画も何十本と観てきましたが、これはちと戴けなかったですなあ。
ショパンに焦点が合っていればちぐはぐにならず、面白い映画になったのに、勿体ない。
オカピー
2012/08/15 21:18

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