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zoom RSS 映画評「ウォーリアー&ウルフ」

<<   作成日時 : 2012/08/10 10:23   >>

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☆★(3点/10点満点中)
2009年中国=香港=シンガポール=日本合作映画 監督ティエン・チュアンチュアン
ネタバレあり

井上靖の歴史小説「狼災記」をティエン・チュアンチュアン(田壮壮)が映画化した一種の古代ファンタジーである。

映画では詳細に説明されないが、2200年ほど前、秦時代の中国、辺境の騎馬民族撃退を命じられた張将軍(トゥオ・ツォンホァ)の下で力を発揮して認められた指揮官・陸(オダギリジョー)は、捕虜となった将軍を騎馬民族王族との交換で奪還、「敗戦により部下が皇帝から受ける憂き目を避けたいので殺せ」と言う将軍を生きて返し、自分はさらに進軍するうち崑崙山脈の山中で立ち往生、そこに暮す謎めいた民族の未亡人(マギーQ)と貞操を奪ってしまう。彼女に異民族と七日間交わった者同士は狼になると言われ、その言の通り狼になり、五年後この地を訪れた張将軍を牙を向ける。

原作となった短編は未読ながら、この映画版は若い頃井上靖の歴史小説を比較的よく読んだ僕としては大いに失望させられた。井上靖の短編歴史小説の感覚は伝わって来るものの、前半お話が進行する途中で随時回想場面が挿入される手法が妙に気取りすぎている為にお話を解りにくくし、退屈を誘うのである。

後半はうって変って、オダギリジョーと美女マギーQの濡れ場で殆ど占められ、絵的には必ずしも悪くないが、掴みどころのない印象に終始する。

原作は恐らく具体的なテーマ性や物語の面白味より中島敦の「山月記」以上に中国古代へのロマンをベースにしたもので、映画もそれに則ったように想像されるが、長編映画はそういう抽象的な扱いには不向きな為、企画そのものの失敗と思わざるを得ない。

1993年に作った旧作「青い凧」は感心させられるところが多かったが、今回の田さんは完全に不発。

♪ここはお国を何百里離れて遠く崑崙の白い雪に照らされて・・・

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
中国のこういう古代伝奇ロマン物語は好きなんですが、みょうにまだるこかったりするのが、ひっかかります。

以前にも妖怪の美女と人間の男性が恋をする映画なんてありました・・・・
なかなか良かったですがね〜
ねこのひげ
2012/08/11 05:50
ねこのひげさん、こんにちは。

世界史でも中国史が好きな僕は、井上靖の「敦煌」や「天平の甍」などを陶酔しながら読んだ記憶がありますが、短編の「楼蘭」はよく解らず、本作は正にその感覚を引き延ばした感じで退屈でした。
腹蔵なく言えば、「わけ解らん」てなもんです。

>妖怪の美女と人間の男性
「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」ですか?
あれは僕が途中まで読んだ説話集「聊斎志異」の中の一編の映画化で、僕の嫌いなワイヤーアクションが上手く使われた作品でした。
当時余り多い星を進呈しませんでしたが、実はお気に入りでした^^)v
オカピー
2012/08/11 20:44

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