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zoom RSS 映画評「デビル」(2011年)

<<   作成日時 : 2012/07/11 09:49   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2010年アメリカ映画 監督ジョン・エリック・ドゥードル
ネタバレあり

エレベーターそのものが悪魔だったという「ダウン」(2001年)という作品があったが、こちらは不具合で閉じ込められたエレベーターに悪魔が乗っていたからさあ大変というオカルト映画である。勿論エレベーターを動かなくしたのも悪魔ということになる。M・ナイト・シャマランの原案をブライアン・ネルスンが脚本に起し、ジョン・エリック・ドゥ―ドルが映像化。

雇われたばかりの派遣警備員ボキーム・ウッドバイン、整備工ローガン・マーシャル=グリーン、セールスマンのジェフリー・エアンド、若い女性ボヤナ・ノヴァコヴィッチ、老婦人ジェニー・オハラという男女五人が乗り込んだある高層ビルのエレベーターが突然動かなくなり、警備室からの声は聞こえるが、こちらからの音声は届かない。そのうちエレベーターの明りが落ちる間にエアンドが、続いて老女が殺されて互いに疑心暗鬼を深めて行き、刑事二人が見守る中異常事態がさらに続いていく。

悪魔を絡めず密室サスペンスとして作るアイデアも考えられるが、せいぜい人間の醜い争いに終始するつまらないお話になるのが関の山だから悪魔を絡めたのは成功と言うべきだろう。

メキシコ系警備員が悪魔に言及した時に刑事クリス・メッシーナが過去遭遇した家族の交通事故に関する発言をするのも伏線になっていてそれが最後に収束するのも上記製作関係者のどなたの貢献かはっきりしない(原案というだけではどの程度のものか全く不明)が、なかなか巧妙。
 そこにキリスト教的色彩が濃く反映されているが、先日「アンチクライスト」で述べたようにデビルが堕天使つまり神の一部であることを理解していないと本作の幕切れは些か釈然としないものが残るかもしれない。悪魔(デビル)はキリスト教徒ではない日本の大半の観客が考えているような、神との単純な対立概念ではなく、本作の幕切れは帳尻が合っている。

派遣警備員が階段を使おうとして余りの高さにエレベーターに乗ることになったのが閉所恐怖症だったからと思って納得していたら、中盤閉所恐怖症があやふやになってしまうといった幾つかある細かい瑕疵は無視できるデビルもといレベル。

80分という短縮で余分な事を考える暇を与えないのが一番ヨロシイわけながら、多彩なアイデアを施した一般サスペンスではなく何事も起こりうるオカルト・ホラー故に案外馬力が感じられず、高得点を出すのは躊躇われる。

「旧約聖書」より、渡辺淳一ではなくジョン・ミルトンの長編叙事(宗教)詩「失楽園」を読むと神と悪魔の関係がよく解りますよ。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
「デビル」
シャラマンだかシャマランのアイデアを別の監督でつくった作品。結構いける。 ...続きを見る
或る日の出来事
2012/07/11 10:10
デビル/クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル=グリーン
M・ナイト・シャマランの監督作品とばかり思っていましたが、M・ナイト・シャマランの原案・製作でメガホンをとったのは『REC/レック』のハリウッドリメイク版『REC:レック/ザ・ ... ...続きを見る
カノンな日々
2012/07/11 21:38
『デビル』
※ネタバレ(でもないかな)注。見どころを喋っちゃっています。 ...続きを見る
ラムの大通り
2012/07/11 23:28

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
タイトルの『デビル』というと、ブラピとハリソンフォードのほうが、頭に浮かびますが、シャラマンも、つに監督をさせてもらえなくなったか?
予算もだしてもらえず、エレベーターという狭空間でごまかしたかな?
80分という長さはいいところで、昨今の映画のように160分とかだったら、ダレるでしょうね。

オールスターで、ダルちゃん、当番の機会がなくて残念!
ねこのひげ
2012/07/12 06:16
ねこのひげさん、こんにちは。

>ブラピ
そういう方が多いでしょうね。
だから、(2011年)と括弧で注意を喚起したわけです^^

>シャマラン
嘘か本当か知りませんが、アイデアがたくさんありすぎて自分で監督しきれないので、そういうものは(ギャラの安い・・・笑)新人監督などに作って貰うことにした、そうですよ。
今でも彼はハリウッドでトップクラスの脚本料と監督料をもらっているらしいけれど、実際には「シックス・センス」一本だけの人で、他の作品は勢いで観られるものもあるものの、さほど面白くないですねえ。
「レディ・イン・ザ・ウォーター」など実は潜在能力の高い作品だったけど、結局観客に理解して貰えない作品になって大駄作扱い。観客の目もさることながら、やはり作り方に問題があると言うべきでした。

>オールスター
やはり最後に滑り込んだ選手に出番はないですね。レッドソックス時代の岡島も結局出られなかった。
来年以降ボールにもっと慣れ、オールスター前防御率2点台で10勝を挙げていれば間違いなく選出され、今度は出番があるでしょう。
今年は10勝のうち何勝かはチームに助けられて上げた勝ち星という感が強いので10勝投手なのに最初の選から漏れたのでしょうね。
オカピー
2012/07/12 15:58

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