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zoom RSS 映画評「たのしい知識」

<<   作成日時 : 2012/07/17 09:45   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1969年フランス映画 監督ジャン=リュック・ゴダール
ネタバレあり

1968年にジャン=リュック・ゴダールが商業映画停止宣言をする前後から作り始めたTV局用の作品らしいが、内容が余りに独自の芸術志向の為結局契約違反とされて放映されず、他の会社に買われて現在観られる形に至ったらしい。

ジャン=ピエール・レオ―扮する主人公の名前は大学で闘争してきたエミール・ルソー。18世紀の哲学者・教育思想家ジャン=ジャック・ルソーの著作を幾つか読んだ僕には、彼の代表的著作「エミール」とルソーの名前を併せたものとしてピンと来たが、その彼が自動車製造会社シトロエンを解雇されたという設定の女性ジュリエット・ベルトと雑多な話を繰り広げる。

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その中にはゴダールの好きな毛沢東の思想なども入っているが、映画に関する考え方も色々披露されているので、前日観た「あたりまえの映画」よりはずっと面白い。
 文字のある画面に台詞・ナレーションが必ずかぶせられる。縦文字の日本語は画面の対訳、横文字は台詞という形に日本語版は統一されているが、字幕を読むのが速い僕でも相当苦労させられるし、殆どが思弁的文言であるから言葉として理解できても中味まで理解するには至らない。

この手法は彼が“商業映画”と扱っているある時期からの作品と基本的に同じで、そうした“商業作品”では一種の言葉のコラージュとして殆ど音楽のように聞き流すことにしていたが、本作はもっと真面目に検討すべきなのだろう。

(と言いつつ)その中味はさておいて(笑)、例によって勘で見る僕にはゴダールの文字多用はサイレント時代の字幕からの着想なのではないかと思えるし、音については勿論トーキー映画の発展形として、一旦画面と関係なくバラバラにして再構築する意図の表れであろう(これについては映画の中でもそれらしいことが話されている)。

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二人が会話する場面は真っ暗な背景に二人だけにスポットライトが当たる形で進行している。その流れの中で真っ暗なシークエンスが数分続くところがあり、そこに台詞だけが被さる“芸術的実験作品”ではTV局も拒否するのは当然と言うべし。

ゴダールを初めて観る大衆映画ファンは多少吃驚するだろうが、好きになれないと言いながらゴダール作品を数多く観て来た僕には「あたりまえのゴダール映画」と言いたくなる。

面倒臭い作品と予想しつつ、昨今の商業映画より余程“映画らしい”のは確かなので観てみました。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ゴダールは、最初のころ何本か観ただけで、後は、肌に合わんな〜と無視してきました。
芸術的とか政治的とかいうのは、あまり過剰に出されると鼻に付きますです。

ピーター・ジャクソンの『キングコング』を買ってみましたが、この人のこだわり方はすごいですね。
188分の超ロング映画でしたが楽しめました。
80分でも苦痛を覚えさせる映画とはけた違いでありました。
ねこのひげ
2012/07/18 05:39
ねこのひげさん、こんにちは。

>ゴダール
1968年に「やーめた」と言って商業映画と決別するまでのゴダールは色々実験的なことをやり、僕はもっとクラシックな映画手法で十分と思いつつ、それなりに楽しめた監督ではありますが、商業映画に復帰したと言われる「パッション」以降の作品は退屈な限り。ゴダール好きにはともかく、僕から観るともはや同じようにしか見えない。

>『キングコング』
面白かったですね。
最初の「キングコング」が作られた時代に舞台設定をしたのも映画ファンとしてはニヤニヤ・・・楽しめる所以でした。
ニュージーランドのB級監督で終るかと思っていたのに、今や世界で一番高いギャラ(リーマン・ショック前のデータでは日本の一番高い監督の約100倍)の監督だものなあ。
オカピー
2012/07/18 14:27

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