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zoom RSS 映画評「戦場カメラマン 真実の証明」

<<   作成日時 : 2012/06/06 14:17   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2009年アイルランド=スペイン=ベルギー=フランス映画 監督ダニス・タノヴィッチ
ネタバレあり

「ノー・マンズ・ランド」が大いに評判になったダニス・タノヴィッチが再び戦場をモチーフにした作ったドラマは、残念ながら、日本劇場未公開に終わっている。今後公開されない保証はないが、後述する理由でまずないであろう。

戦場カメラマンのコリン・ファレルと友人のジェイミー・サイヴズが各々の妻を残してクルド人たちが住んでいるクルディスタン(国家ではなく、地域)で写真を撮りに出かけるが、クルド人兵士と行動を共にするうち、冒険心が強く写実を重んじるファレルに対して家庭を重視するサイヴズが反旗を翻して途中で帰ると言い出す。
 その後、重傷を負ったファレルがクルド人医師の手当ての後帰国するが、先に帰っている筈のサイヴズが帰国しておらず、どうも夫がPTSDに掛っていて、そこにはサイヴズの行方不明との関連があると信じたスペイン人妻パス・ベガがフランコ政権戦争犯罪人の精神をケアしているのが気に入らない祖父クリストファー・リーを仕方なく呼び寄せる。優秀な分析医である祖父は主人公の内に秘めた真実を解き明かしていく。

というお話は、僕の言う“ミステリー化したドラマ”で、友人の帰国と彼が怪我から目覚めるまでのシークエンスをカットすることで後半のお話を構成する仕組みであり、これを普通の時系列で描いたら、語弊があるものの、戦争後遺症ものとして何ということはない内容と言うしかない。

それを精神分析的に解明するというアングルを付けることで、戦場カメラマンが兵士同様罪悪感その他の心理的障害を被る可能性を見せようとしたわけだが、そのアングル以外にこれといった面白味がなく、タノビッチが抜群に面白いシチュエーションとユーモアで戦争の真実を描いてみせた「ノー・マンズ・ランド」には遠く及ばず、クルド人医師が安楽死の為に重体兵士を射殺する断裁的な描写、リーが説く戦犯のケアをする意味といった文学的要素など捨てがたい部分もあるものの、商業映画としての魅力に些か欠ける面は否めない。

ファレルはなかなかの力演。

ドキュメンタリーみたいなタイトルだなあ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
タイトルに「戦場カメラマン」とつけたのは、たぶん戦場カメラマンとしてテレビで有名になった渡辺陽一さんのことがあったからでしょうね。

独特なしゃべりがおもしろいと人気がでてアチコチひっぱりだこのようですが、他のカメラマンからは、かなり嫉妬されているようです。
ねこのひげ
2012/06/08 05:53
ねこのひげさん、こちらにもコメント有難うございます。

>渡辺陽一さん
ああ、なるほど。それは思い付きませんでした。

何年か前弁護士が政治家になる為にTVを利用したように(笑)、どんな形でも名を売るのは本来の職業の為になるはず。
それを誤ると本末転倒になってしまうのですが、渡辺さんは賢そうですからそんなことはないでしょう(解らんけど)。
オカピー
2012/06/08 17:59

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