プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「ナイト・トーキョー・デイ」

<<   作成日時 : 2012/06/03 17:50   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 2

☆☆★(5点/10点満点中)
2009年スペイン映画 監督イザベル・コイシェ
ネタバレあり

あなたになら言える秘密のこと」「エレジー」となかなか好調だったイザベル・コイシェが日本で撮った本作は大分失速気味でござる。

現在の東京、スペイン人のワイン店主の妻になった女性が夫の愛情に疑問を抱いて自殺した為、その父親である実業家・中原丈雄はショックを受ける。懐刀の榊英雄は上司を思い、マグロ市場で働く妙齢美人実は女殺し屋・菊地凛子に殺害を依頼するが、彼女はその夫ルイジ・ロペスに愛情を抱くようになった為契約解除を申し出る。しかし、どうにも気分が収まらない榊が市場へ出かけたロペスに発砲した瞬間、身を入れ替えた凛子嬢に当ってしまう。

という、お話としては実に単純なもので、その彼女のバックグラウンドを録音技師・田中泯が語りながら展開していくというところが、さして必要があるとは思えないものの、趣向と言えば趣向。その彼ははっきりと言わないが、彼女が絵馬に願ったことは墓参する彼女のフラッシュバックから十分解るように作られていて、どうもコイシェ女史は彼女から虚無的になった浪人のような人物像を造形している気がする。

ブレードランナー」の近未来都市描写にも似て色々な時代が錯綜している感じがするのは、画面に「嵐を呼ぶ男」の看板や古い映画のチラシ(アラン・ドロンの「シシリアン」もありましたな)などをちりばめ、BGMに美空ひばりの「バラ色の人生」や淡谷のり子の「青い部屋」を流して意図的にムード醸成されているからだが、どうも違和感が残る。これが外国なら興趣ありと見られるかもしれないものの、よく知っている東京だから外国人が描く東京(日本)はやはり変だなあという気がしてしまうのである。

何と言っても問題は狙いが不鮮明なことで、これまでのように女性映画としての狙いがあったにちがいないが、異色恋愛映画と理解してもてんでピンと来ず、ドロン主演の「サムライ」の女性版でも作りたかったのように思わせて、実はと言うべきかやはりと言うべきか、録音技師を語り部にして東京の音を強調したことから想像されるように、コイシェが捉えた東京なる街のイメージを表現したかっただけではないかと勘繰りたくなる。

邦題もよく解りません。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
ナイト・トーキョー・デイ/菊地凛子
『死ぬまでにしたい10のこと』『あなたになら言える秘密のこと』のイザベル・コイシェ監督が東京を舞台に菊地凛子さん主演で描くサスペンスなラブストーリー。イザベル・コイシェ× ... ...続きを見る
カノンな日々
2012/06/03 18:00
ナイト・トーキョー・デイ
『エレジー』のイザベル・コイシェ監督が『バベル』の菊地凛子を主演に送る異色のラブストーリーだ。昼は築地魚河岸で働き夜は殺し屋という2つの顔をもつ主人公が、ターゲットと禁断の恋に落ちてしまう。恋のお相手ダビッドに『パンズ・ラビリンス』のセルジ・ロペス、他に田中泯、中原丈雄、榊英雄という日本人俳優も出演。コイシェ流の東京の風景に注目したい。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/06/03 21:41
ナイト・トーキョー・デイ
「死ぬまでにしたい10のこと」、「エレジー」のイザベル・コイッシェ監督が「バベル」の菊池凛子を主演に迎え、全編を東京で撮影したラブストーリー。共演は「パンズ・ラビリン ... ...続きを見る
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
2012/06/06 22:34

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
外人から見たら、日本ってこんな風に見えるのか?というところでしょうかね。
『ブラックレイン』の大阪もこれが大阪か?という感じで、おもしろかったですけどね。
日本人が映したニューヨークやロスアンゼルスも、アメリカ人から見たら違和感あるのかな?
ねこのひげ
2012/06/04 05:22
ねこのひげさん、こんにちは。

実際のところはよく解らないのですが、録音技師という展開上要りもしない語り部を登場させて観客に音を聴かせたり、東京の現代的な部分より古い感じの部分を強く打ち出し、その中に変なモーテルを入れたり、ヒロインの人物像やその人生観を描くより、そちらのほうに注力した感じがしましてね。
それはそれで興味深いのですが、ちょっと変な印象を受ける作品になっておりました。

>日本人が映したニューヨーク
どうなんでしょうかねえ。
作家にもよるでしょうが、どこかそういうところがあるかもしれませんね。一時翻訳の手助けしたアメリカの友人に聞いてみたいですが、最近音信不通だから無理かな。
彼はLAの方ですが。
オカピー
2012/06/04 15:40

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「ナイト・トーキョー・デイ」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる