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zoom RSS 映画評「孫文−100年先を見た男−」(BS日テレ放映版)

<<   作成日時 : 2012/05/05 10:07   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2006年中国映画 監督デレク・チウ
ネタバレあり

昨年辛亥革命から100年を迎えジャッキー・チェン主演で「1911」という映画が作られたが、その数年前から本国では沙汰されていたようで来月には「孫文の義士団」(2009年)というアクション映画と予想される作品がWOWOWで放映される。その前に観ることになった本作は、「宋家の三姉妹」「1911」同様ウィンストン・チャオが孫文を演ずる2006年製作のドラマである。

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1910年、十数年に渡って起した蜂起が尽く失敗に終った孫文は身の保全と資金集めを兼ねてペナン島に住む海運業の華僑シュー氏(ワン・ジェンチョン)に援助を求めるが、住居だけ提供されるに留まる。
 医師でもある彼の最大の味方は看護婦チェン・ツィフェン(ウー・ユエ)で、彼の危険を回避する為にスパイもどきの行動も色々と取って尽くしながらも、あくまで25年前に結ばれた正妻のいる彼を精神的に支える立場を貫き、1911年辛亥革命の成功の末に彼が国民党総裁になった後身を引く。

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革命を起こした人物の作品としては些か生ぬるいお話に終始するが、本作の眼目は恐らく革命の成功の裏にツィフェンという健気な婦人がいました・・・というロマンス面を描くことにあるらしいので大いなる肩すかしとして受容する外ない。
 史実としては19歳の時に盧慕貞と結婚して30年付添い、日本時代には大月薫という日本人妻を迎え、革命後に慕貞と離婚し有名な宋慶齢と再婚している。つまりツィフェンという女性は決して彼の女性遍歴の中で表舞台には出て来ず、実際にいた人物かどうかさえしかと解らないが、こういうロマンス的伝記ものが成立するのもそれ故。そのロマンス面を強調する為にまたシュー氏の娘ダンロン(アンジェリカ・リー)と氏の片腕ルオ(チャオ・チェン)との相似形ロマンスを並行して展開させている。

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孫文以外は実在した人物かどうか確認できていないので伝記ものとして甚だ覚束ない印象を覚えるが、映画としてはそれより展開のぎこちなさが気になる。特に、孫文の前にダンロンとルオの関係を描き、彼女が落とした翡翠がらみで孫文と関連付けていく序盤は今一つ。ここはショットと場面の繋ぎをもう少し工夫すれば文字通り(作者が狙ったように)気の利いた展開になった筈なのに実際には間の抜けた印象が残っている。

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孫文-100年先を見た男-/The Road to the Dawn
辛亥革命で有名な孫文、彼が革命を成功させる直前、マレーシアでの様子を描いた作品。主演は『宗家の三姉妹』でも孫文役を務めたウィンストン・チャオ。共演に『THE EYE』の主演を務めたアンジェリカ・リー、チェン・ツイフェンが出演している。監督はアンディ・ラウ、イーソン・チェンが主演した「兄弟」のデレク・チウ。久しぶりの中国映画です。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/05/05 21:20
mini review 10477「孫文-100年先を見た男-」★★★★★☆☆☆☆☆
中華民国の建国以前、孫文の辛亥革命までの道程を描く歴史ドラマ。逃亡先のマレーシアにまで暗殺の手が伸びる中、革命家・孫文に尽くす女性や支援者とともに革命資金の調達に奔走する様を映し出す。孫文を演じるのは、『宗家の三姉妹』でも孫文役だったウィンストン・チャ... ...続きを見る
サーカスな日々
2012/05/06 04:39

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
なんか曖昧模糊とした出来でしたね。
まだ「孫文の義士団」のほうが、滑稽ではありますがアクション映画として見ることが出来ました。「1911」に期待しますかね。
でもこのあたりの映画は、日本軍の描き方がワンパターンで、われわれとしては、またかという気持ちになってしまいがちですね。
kimion20002000
URL
2012/05/06 04:43
近世の中国物は、政治的意図が垣間見えていまいちでありますね。
土曜日から公開されているツイ・ハークの『王朝の陰謀』がおもしろそうです。

しかし、きのうNHK総合で『ウィリー』があったのには驚きました。
NHKが?子供の日だからか?
最近のNHKの変貌には驚かされるものがあります。
ねこのひげ
2012/05/06 06:03
kimion20002000さん、こんにちは。

仰るように寝ぼけたような作品でした。

「孫文の義士団」「1911」は共に未鑑賞ですが、前者は今月中に観られますし、後者もそう遠くない未来に観られるでしょう。
多分これらのほうがすっきり観られると思います。

>日本軍
お国柄もあって作者の思うように描けないところもあるのでしょうが、どちらにしても日本人には有難くない描写が続きますよね。
オカピー
2012/05/06 17:11
ねこのひげさん、こんにちは。

最近・・・と言っても数年経ちますが、中国の史劇では「王妃の紋章」というのが上手く作られていました。
オリンピック開催に向けて華やかな準備を進める中国政府に媚を売るように華やかな作品に見せかけ、実はその中華思想による政権交代にどれほど多くの血が流されたかを示した勇気ある作品でした。中国の政治家にこの作品の真意を読みとれた人はいなかったようです。

>最近のNHK
数年前女子テニスのシャラポワが絶好調で人気があった頃、スポーツコーナーになると日本選手をさしおいてシャラポワの連呼は見苦しかったです。
母が生存中一緒に観ていた「あさイチ」にしても、民放の真似したってしようがないと思っていました。今は観ていませんけど。
オカピー
2012/05/06 21:56

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