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zoom RSS 映画評「ザ・ライト−エクソシストの真実−」

<<   作成日時 : 2012/05/23 10:55   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2011年アメリカ映画 監督ミカエル・ハフストレム
ネタバレあり

中学生の時「エクソシスト」(1973年)が日本でも大いに話題になって友達と映画館へ観に行った。この作品以降オカルト・ブームが起こり色々と観させられることになり、中でも人間が悪魔と戦う作品は少なからず作られたが、悪魔払いそのものをテーマにした作品は続編を別にすると簡単に思い出せる程多くは作られてはいない(と思う・笑)ので本作は本格悪魔払いものとして「エクソシスト」に次ぐ地位を占める作品になると言って良いかもしれない。

葬儀屋の息子コリン・オドノヒューは神学校で勉強を始めてみるが、少年時代に母親を失った経験などから神の存在に疑問がある為神父になる意志は極めて薄い。が、交通事故の現場に遭遇した時の対応を見ていた神父から彼にバチカンで行なわれているエクソシスト(悪魔払い師)養成講座に参加してみるよう薦められ、同地で一番経験のあるアンソニー・ホプキンズが悪魔払いを行なう様子を見たり手伝ったりするものの、悪魔憑きと言われる少女や少年について大槻教授よろしく全て科学で説明されると依然悪魔の存在に否定的な態度を貫く。
 が、妊娠中の少女が突然死に、そこから僅かに自信を失ったホプキンズが隙を付かれて悪魔に憑かれ、部屋は蛙に溢れる。この期に及び遂に悪魔の存在を信じざるを得なくなった青年は悪魔払いの儀式を行なって神父を救う。

実話からインスパイアされた物語ということで、それは即ちバチカンにエクソシスト養成講座があり、アメリカに14人のエクソシストがいる(しかいない)という辺りは全くの事実と理解でき、なかなか興味深い。

また、ホプキンズが出ているからと言って必ずしもスペクタクル的な作りになっていず、「エクソシスト」のような恐怖を求めるのはお門違いと言うべきで、かつて色々と読んだ18−19世紀のロマン派小説を思わせる作劇、旧約聖書で不吉なものとして描かれる蛙の使い方などが寧ろ面白く観られる要素になっている。

最後にキリスト教では、悪魔は天使(堕天使)であり、神の一部である。従って悪魔の存在を信ずることは神を信ずることに通ずるわけである。
 ただ、この類の映画に限らず洋画を見る時、特に旧約聖書的には“神は残酷な仕打ちをするもの”ということを知っておく必要がある。「ドッグヴィル」の女主人公を神の使いとした時に反論されたが、キリスト教以上に旧約を聖典とするユダヤ教の考えでは悪徳を為す人々は神にひどく報復されるのである。

ザ・ライト・・・光か権利のお話かと思いましたぜ。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
悪魔祓いと戦争被害
「ザ・ライト -エクソシストの真実-」 「キャタピラー」  ...続きを見る
Akira's VOICE
2012/05/23 11:10
ザ・ライト ーエクソシストの真実ー
きょうは表題作、明日はワンコインで観れる「羊たちの沈黙」と サー・アンソニー・ホプキンス続きの鑑賞週間になりそう。(^ ^) 「八点鐘の鳴る時」「冬のライオン」「マジッ ... ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2012/05/23 12:30
ザ・ライト−エクソシストの真実−
公式サイト。原題:THE RITE(儀式)。ミカエル・ハフストローム監督、アンソニー・ホプキンス、コリン・オドナヒュー、アリシー・ブラガ、キアラン・ハインズ、ルトガー・ハウアー、ト ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2012/05/23 19:49
『ザ・ライト -エクソシストの真実-』('11初鑑賞50・劇場)
☆☆☆☆− (10段階評価で 8) 4月9日(土) 109シネマズHAT神戸 シアター5にて 12:55の回を鑑賞。 ...続きを見る
みはいる・BのB
2012/05/23 20:06
ザ・ライト -エクソシストの真実-/アンソニー・ホプキンス
『エクソシスト』といえばオカルト映画の傑作が真っ先に思い出されます。少女が階段をブリッジ姿勢で下ったり首がグルグル廻る様子は子供だった私にとってはまさに戦慄。そのエク ... ...続きを見る
カノンな日々
2012/05/23 20:57
ザ・ライト −エクソシストの真実−/The Rite
バチカンで今も行われている悪魔祓いの儀式、そして一人のエクソシストに起こった実際の話をベースにしたサスペンスムービーだ。主演は『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンス。共演にコリン・オドナヒュー、『ブラインドネス』のアリシー・ブラガ。監督は『1408号室』のミカエル・ハフストロームが務める。アンソニー・ホプキンスの怪演に注目だ。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/05/23 21:14
『ザ・ライト 【エクソシストの真実】』
※ちょっと、ネタバレ部分もありますので、 映画鑑賞ご予定の方はその後の方がいいかも。 ...続きを見る
ラムの大通り
2012/05/23 22:36
ザ・ライト ーエクソシストの真実ー(2011)★THE RITE
                                                    エクソシストとは、バチカン公認の正式な職業である。 ...続きを見る
銅版画制作の日々
2012/05/24 00:30
ザ・ライト/エクソシストの真実
バチカン公認の正式な職業であるエクソシストの全貌を描く問題作。監督は「1408号室」のミカエル・ハフストローム。出演は「ウルフマン」のアンソニー・ホプキンス、「プレデターズ ... ...続きを見る
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2012/05/26 16:20

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。

聞き覚えのある監督名だったのでプロフェッサー
表記のようにハフストレムと入力検索しましたら
これがまた出ないんですよ〜allcinemaったら。
ハルストロームですと。
かなりコケ作と低評価の「シャンハイ」、
すぐ忘れた「1408号室」の監督さんね。
もっぱらホプキンスの存在感のみで最後まで
一応観れました、そんな印象、残っておりますが。

聖書でもかじっていなければ
悪魔(サタン)が、元はと言えば全能の神から
造られて且つ優秀で有能な部下だったことさえ
知らないわが民ばかりですから、やはり、首回ったり、
異様なさまになったりするのを映画に期待しますから、
こういうマジメものは、往々にして
“何じゃこれは。ツマラン。”になっちゃう。(^ ^);
vivajiji
URL
2012/05/23 13:01
vivajijiさん、こんにちは。

スウェーデン語の発音で言えば、ハフストレムのほうが近いかと。

>ホプキンズ
この人青年にしか見えなかった「マジック」から12年後の「羊たちの沈黙」で出てきた時はまるで別人のような貫禄でしたねえ。
それ以来安定した実力を示していまして、本作なんかは最近の彼としては平均点といったところでしょうが、それでも見せてしまいますね。

>悪魔(サタン)
普通の人には、悪魔と神の関係は単なる対立軸なんでしょうね。
デーモン(悪霊)と混同している人も多いでしょう。
いずれにしても、真面目な作品としてそこそこ楽しめました。
オカピー
2012/05/23 20:15
キチンと作ってありますけどね・・・・
でも、こういう作品は、大多数の日本人にとってはギャグ以外のなにものでもないですけどね。
最初の『エクソシスト』も劇場内で失笑があちこちで起きたのを覚えてます。
日本がアメリカと戦争をしたのを知らない人が多いですから、悪魔が天使だったのなんか、もっと知らない人が多いでしょうね。

ポプキンスはいいですね。
作品としては『アトランティスのこころ』が好きです。
ねこのひげ
2012/05/24 06:56
ねこのひげさん、こんにちは。

『エクソシスト』での少女の極端な動きは確かに奇妙で、日本流の怖さとは全く異なるものと思ったものです。ホラーというジャンル分けされても日本の幽霊映画のような怖さはなかったですね。

興味本位でこういう作品を観に行く方は普段自分の生活に関係のあること、衣食住や芸能人の行動には興味があっても、自分の現在に直接関係のない宗教や戦争、外国の政治なんかには一向に興味がないでしょう。
「クイズ$ミリオネア」の百万円の問題は殆どが小学生(たまに中学生)レベルの日本史の問題でしたが、一般の人も芸能人も「難しい」と言って人に頼っている姿を観て、こんな人が多いんだなと随分呆れましたよ。
かく言う僕は食事の問題に全く弱く、かなり低い点でも間違えることがあります。結局は興味がどこにあるかです。

>『アトランティスのこころ』
おっ、渋いところが出て来ましたね^^
実は、スティーヴン・キング原作の映画化としては「スタンド・バイ・ミー」よりも気に入っているんですよ^^/
オカピー
2012/05/24 11:39

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