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zoom RSS 映画評「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」

<<   作成日時 : 2012/04/22 11:31   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2006年アメリカ映画 監督ラッセ・ハルストレム
ネタバレあり

本稿を書き始める時ドキュメンタリー(?)「オーソン・ウェルズのフェイク」(1975年)に本作の主人公クリフォード・アーヴィングが登場していたはずと思い、調べたらやはり登場しておりました。

そのアーヴィング(リチャード・ギア)は、1971年、売れない作家稼業に飽き飽きして長らく隠遁生活をしていて殆ど誰にもその後半生が解っていないのを逆手に取って大富豪ハワード・ヒューズの伝記を書くことを思い付く。
 協力するのはリチャード一世の伝記を書こうと思っている友人ディック・サスキンド(アルフレッド・モリーナ)で、手紙の筆跡を手に入れて偽手紙を作りヒューズと自伝代筆の約束を取り付けたと大手出版社を騙すが、その出版が公表されるとヒューズ本人から電話が入るなど色々苦労するうち、面白くないことが続いているヒューズからニクソン大統領の汚職を含んだ情報が大量に届き、本人のお墨付きの形で企みは順調で進むかと思いきや、それはヒューズが自らの危機を脱する為の巧妙な戦術であり、放送局による電話インタビューでアーヴィングとは会ったこともないと断言され、詐欺や偽りの裏書による小切手現金化(公文書偽造)などの罪で妻(マーシャ・ゲイ・ハーデン)と共に投獄されてしまう。

この映画自体がアーヴィングの“自伝”を原作としているわけで、映画故の嘘も当然入っていて、どこまで信用して良いか解らないが、それ自体が本作の面白さの最大要素である。さらに、この事件が発端になって慎重になったニクソンがかの“ウォーターゲート事件”を起したと受け取れるところも大変興味深い。

アーヴィングとサスキンドの二人がペンタゴンに侵入して資料を掠めてくる一幕など幾つかあるサスペンスフルな場面は前述したようにどこまで信用して良いか解らない上に、透明度の高い繊細な描写を特長とするご贔屓監督ラッセ・ハルストレムには些か畑違いの印象があるが、それでも彼一流のスムーズな語り口でかなり楽しめる一編になっている。

怪作「フェイク」をもう一度観たくなったです。

F for Fake.

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ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男
好みの問題は致し方ない。 はい。お顔の話。 ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2012/04/22 12:26
ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男
2006年公開のリチャード・ギア主演作品。1970年代にアメリカで実際に起こった詐欺事件の犯人クリフォード・アーヴィングの同名原作をベースに映画化したものだ。大富豪ハワード・ヒューズのニセの自伝を出版すアーヴィングの鮮やかな手腕を描き出す。共演には『17歳の肖像』のアルフレッド・モリナ。監督は本作後にも『HACHI 約束の犬』でリチャードとコンビを組むラッセ・ハルストレム。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/04/23 00:08
『ザ・ホークス〜ハワード・ヒューズを売った男〜』
(原題:The Hoax) ...続きを見る
ラムの大通り
2012/04/23 21:55

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
そちらはもう桜満開でしょうか。
こちらは冬期すべり止めの砂と
雪に隠れていたゴミがその辺散乱してましてね
北国の春は少々目に麗しくない景色でございます。^^

本作、けっこう楽しめました。
当然、話半分と解釈してますが。(笑)
いやとにかくお口と手先器用な方には
かないませんです。
ラッセさん、こういう類いもこなせるとは
新しい発見。(^ ^)
vivajiji
URL
2012/04/22 12:36
vivajijiさん、こんにちは。

>桜満開
ここはちょっと高所なのでちょうど見どころですが、少し山から下りるともう三分の一くらいは散っています。
桜は宜しいですが、一斉に生え始める庭の草を刈るのも一苦労。まあ除草剤で楽をしようという意見もございますが、野生のものでも観たい花がありましてね。

>話半分
特にペンタゴンの部分は怪しいなあ^^
口と手先が器用なのは確かなようで、「フェイク」では贋作画家の伝記を書いたという訳の解らない状態になっていたと記憶されております。

>ラッセさん
強烈なサスペンスは敢えて抑えたのか出せなかったのか解りませんが、全体としては実にスムーズな語り口で、面白く作っていましたね。
僕にも新発見です^^
オカピー
2012/04/22 21:27
最近公開された『マリリン 七日間の恋』というあやしげな作品もありますね。
『王子と踊り子』の助監督をしたコリン・クラークが撮影中の裏話を書いた本がもとになっているんだけど・・・・どう考えてもコリンとマリリンが恋愛関係になる機会はなかったそうで・・・・・直接会うチャンスもなかったはずだそうです。
『ローマの休日』のようなおとぎ話として見る分には楽しい映画です。
ミシェル・ウィリアムズが、マリリンによく化けてました。
『プリンセス・トヨトミ』よりはいいかな(^^ゞ
ねこのひげ
2012/04/23 04:04
本作も、ノーチェックでした。最近は、この監督の作品だったらって、この俳優だったらでみてガックリさせられるのが多いから、ノーチェック多いですネェ、私。リチャード・ギアって、彼って素顔はとても優しくっていい人なんでしょうねぇ、だからでしょうか、今ひとつ映像に引き締めがたりないものを感じてしまう。「天国の日々」は良かったですけどね。「シカゴ」はキャサリン・ゼタ・ジョーンズの姐さん凄みで持ってたし、「ジャック・サマースビー」なんかジョディ・フォスターの引き立て役みたいで……。最近はCMでトラさんやってるのも笑える。
>それでも彼一流のスムーズな語り口でかなり楽しめる一編になっている
ということで、本作、観てみることに致します!
シュエット
2012/04/23 10:18
ねこのひげさん、こんにちは。

>『マリリン 七日間の恋』
コリン・クラーク氏とやらは撮影を手伝っているうちに白昼夢の世界にでも入ってしまったのでしょう(笑)。
ミシェル・ウィリアムズは好みではないけど女優としてご贔屓にしているので、来年の今頃はきっとWOWOWに登場するでしょうから、その時のお楽しみとしておきましょう^^

>『プリンセス・トヨトミ』
比較してはさすがに可哀想です・・・あはは。
オカピー
2012/04/23 17:00
シュエットさん、こんにちは。

>「天国の日々」
初々しくて、映画同様に黄金色に輝いていました。
監督のテレンス・マリックもこの作品が一番良いと思いますねえ。
「ミスター・グッドバーを探して」で彼が本格的に紹介された当時まだ正確な発音が解らなくて、「スクリーン」ではリチャード・ジェアと紹介されていました。

>CMでトラさん
外交辞令でしょうが、山田洋次監督がほめているようですよ^^

>スムーズ
実はこの用語を使うかどうかちょっと逡巡しました・・・実は脚本の進行ぶりが余りスムーズでないので。
ただ、それが殆ど気にならずに見られたから、逆に彼の力量を再認識したという感じなんですね。ハルストレム向きではないことは確かながら、なかなか上手くこなしたと思っています。
オカピー
2012/04/23 17:12

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