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zoom RSS 映画評「座頭市関所破り」

<<   作成日時 : 2012/03/03 10:48   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1964年日本映画 監督・安田公義
ネタバレあり

やっと映画を観る楽しみが戻って来て、時間も空いたことではあるしと、二ヵ月半ぶりに「座頭市」を観る。本作は安田公義による第9作で、子供や年寄りがやたらに絡んでくるあたりは彼らしくほのぼのとして悪くはないが、浅井昭三郎による脚本はお話が全く破綻している。いかな粗製乱造時代と言えどもこれはちょっとひどいのではないですか。

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旅を続ける市(勝新太郎)がやくざ風な男・千波丈太郎から宿場で女中をする妹・滝瑛子への手紙を頼まれる。その旅館で同宿になったのが、幕府に直訴する為に旅立って行方が解らなくなった藤岡の庄屋の娘・高田美和。市は彼女の父捜しを手伝ううちに、千波が税金を巻き上げたい親分・上田吉二郎や代官に騙されて庄屋を殺した挙句に島送りになった本人であることを知る。その彼が復讐の為に戻ると知った親分連中が用心棒を雇う一方で、美和嬢を略奪して関所に閉じ込めてしまう。

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と、書くと何が問題なのか解りにくいので、ちょっと解説致します。

直訴自体が当時では死に値するはずなのに・・・という時代考証上のミスはさておいて、千波が島送りになったということは庄屋殺しは現在風に言えば公式の裁判にかけられたことを意味する、即ち誰もが知る事実であって、美和嬢が最初から父親を捜す必要はないのである。ここが最大のミスだが、そもそも自分たちの懐を肥やそうとする悪漢たちがわざわざ復讐する機会をお膳立てするのように実行犯を生かしておくのも変でござるじゃろ。

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庄屋殺しが内密に行なわれ、悪漢一味が闇に葬り去ろうとして実行犯・千波を搬送しているうちに彼が逃亡する、といったストーリー展開だったら、美和嬢が父親を捜すうちに危険にさらされ、それを市が助けるというお話が綺麗に成立するのに。一味が拉致した彼女を関所に拘留するというのも訳の解らないこと甚だしい。

人情味に味の良いところがあること、サイコロを切る場面を筆頭にした幾つかの殺陣に免じて、☆☆★を進呈致しますが、お話は☆★くらいですぞ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
勝新は、ストーリーなんか気にしていなかったんだ!というのがよくわかる映画ですね。
それとも歴史的事実なんて知らなかったのかな?
ただひたすら座頭市をかっこよく演じたかったような・・・・
サイコロ斬りはかっこ良かったですけどね。
ねこのひげ
2012/03/04 06:30
ねこのひげさん、こんにちは。

この程度のお話なら、東野英治郎時代の「水戸黄門」のほうが良く出来ているくらい。

それはともかく、サイコロを始め、物を二分にする場面が多く、それに拘った作品だったようです。勝新の居合抜きは本当に見えないくらい速くて、それだけでかなり満足してしまう僕ですが(笑)。
オカピー
2012/03/04 21:17

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