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zoom RSS 映画評「スープ・オペラ」

<<   作成日時 : 2012/03/18 09:02   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2010年日本映画 監督・瀧本智行
ネタバレあり

「TVタックル」の進行役としてしか知らない阿川佐和子の同名小説を瀧本智行が映画化したドラマ。

35年前に誰の子供か解らないまま産んで死んだ姉の娘ルイを育てて来た妹トバ(加賀まり子)が、60歳を超えて、年の離れた若い医師(萩原聖人)と結婚すると宣言して北海道へ行ってしまう。
 35歳の図書館司書になっていたルイ(坂井真紀)が一人になってぼんやりしているところへ庭に迷い込んだ猫に導かれるように70歳に迫ろうかという自称画家・十二夫(藤竜也)が現われ、知人の関係から出版社の新人社員・康介(西島隆弘)も彼女の家を訪れ、結局二人とも家に居候することになる。

という出だしからして大いにシュールで興味深く、トバおばちゃんの残した鳥がらスープを始め食が絡むシーンが一種の通奏低音として鳴り響きながら進行していく。

恋愛が全く絡まないわけではないが、食は高価・廉価に関わらず人に幸福をもたらすものだから、最終的に印象に残るはロハス・・・というよりは細かいことに拘泥しない人生哲学への賛歌である。

十二夫(自称トニー)が現われるのはどうもルイの母親との関係があるらしいことは最初から匂うし、終盤しかとは解らないもののルイの母親と肉体関係が一度だけあったと告白される。それもフランスでということだからルイという名前は劇中でも触れられるようにフランス歴代の国王とも無関係ではなさそうだ。

ここでもヒロインはDNA鑑定を否定して父親が誰かなどと詮索したりしない。彼女の母親は多情だったという設定だから変てこなエロ作家・平泉成にも或いはその可能性があるわけだが、そうなると彼のルイへの求婚は大問題ということになるであります。

いずれにしても、二作目「犯人に告ぐ」で知名度を上げた瀧本監督としては第一作「樹の海」ともぐっとムードの違う作品になっていて、これからどういう方向に進んでいくのか監督で映画を見るタイプの僕としては興味深い作品となった。
 そして、最後にヒロインが見る幻想はどうもフェデリコ・フェリーニの傑作「8・1/2」を意識しているようで、“人生はサーカス”ならで“人生は遊園地”といった楽観的な終幕を迎える、という次第。

また、「スープ・オペラ」というタイトルはアメリカで昼メロを指す“ソープ・オペラ”に掛けたのであろう。

若い時はファニー・フェースというイメージの強かった坂井真紀は最近“美人女優”という雰囲気になってきましたな。

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スープ・オペラ/坂井真紀、西島隆弘
本屋で原作を見かけたときにこのタイトルには惹かれたものの阿川佐和子さんというのが何となく私には合わなさそうな気がしちゃって手にとることなくスルーしちゃってたんですよね ... ...続きを見る
カノンな日々
2012/03/18 09:19
スープ・オペラ
阿川佐和子の同名小説の映画化。両親を早くになくしたルイは叔母のトバちゃんに育てられてきたのだが、ある日トバちゃんが結婚して家を出てしまう。残ったのは彼女とトバちゃんから習ったスープだけだった―。主演は『ノン子36歳 (家事手伝い)』の坂井真紀。共演に西島隆弘、藤竜也、加賀まりこらが出演している。監督は『イキガミ』の瀧本智行。時折挟まるファンタジックな映像が面白い。 ...続きを見る
LOVE Cinemas 調布
2012/03/18 18:55
スープ・オペラ
阿川佐和子の同名小説をベースに、一人暮らしをすることになった35歳の女性が、ひょんなことから二人の男と共同生活を始めることになるファンタジックな人間ドラマ。物語:独身で35 ... ...続きを見る
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
2012/03/21 10:37

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ねこのひげは、SF好きなもので、『スペースオペラ』のモジリかと思いましたよ。
『阿川佐和子さん、SF小説みたいなのを書いたのか?』と思いながら観たら『あらっ?』でしたよ(^^ゞ
シュールだから、SFといえないこともないかな?
ねこのひげ
2012/03/19 05:38
ねこのひげさん、こんにちは。

>スペースオペラ
子供の時は、オペラなんてついているので、「2001年宇宙の旅」のような難しい宇宙SFをイメージしていましたが、「スター・ウォーズ」が公開されて、こういうのをスペースオペラというのだと知りました^^;

>シュール
正にファンタジーでしたねぇ。
オカピー
2012/03/19 20:11

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