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zoom RSS 映画評「姉妹」

<<   作成日時 : 2012/01/31 10:12   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1955日本映画 監督・家城巳代治
ネタバレあり

家城巳代治(いえきみよじ)の青春ドラマ。

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野添ひとみが高校三年生、中原ひとみが中学三年生の姉妹という設定で、両親や弟たちが住んでいる発電所の社宅から離れて、都会に暮らす母親の姉・望月優子の夫婦の家に住まわせて貰って学校に通っている。登下校もいつも一緒の仲良しだが、姉は大人しいしっかり者、妹は天真爛漫な少女で些かそそっかしい。
 妹は金持ちの同級生の家に遊びに行った時彼女の兄弟たちが不具で、家の空気が冷たいのに気付き、一方動けない両親の為に街角で物を売り歩く少女一家の人情と比較して、金持ちだから幸福であるとは限らないと知る。一家の生活も楽ではなく高校に進学した妹は修学旅行を断念し、姉は父の同僚たる好青年・内藤武敏を諦めて見合いで知り合った先へ嫁いでいく。

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実は、中原ひとみのほうが一つ年上(学年は同じ)なのに小柄で可愛らしいので妹役で溌剌とした魅力を発揮しているのが面白く、おっとりして実際年上に見える野添ひとみと好対照を成していて、この二人の対照的な魅力を大いに楽しむべき作品である。

労働問題を絡めた部分がちょっと気になるが、あくまで昭和三〇年頃の社会を色々な角度から描く一環として理解すれば、青春映画としての気分を壊すには至らない。

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この頃の結婚は見合いが普通だったが、それより前は写真だけでの結婚や写真すらない結婚もあり、わが両親にしてもまともな見合いはしていないらしい。
 この映画の中の「金持ちが幸福とは限らない」ではないが、「恋愛結婚が幸福を産むとは限らない」と本作に出てくる中年夫婦、老夫婦を見ているとつくづく思う。現在の人間は、自分だけの幸福を求めて、人間関係がぎすぎすしている。労働問題は出て来ても殆どの登場人物が基本的に謙虚で、今を生きる我々より余程余裕があり、幸福を味わっているような気になる。その意味でも本作は一見の価値あり。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
洋画というか実験映画的な映画は、アテネフランセ。生まれる前に作られた邦画なんかは、文芸坐地下なんかで観ましたね。
小津特集とか黒沢特集なんてありましたね。
別の名画座で見かけた人と、違う劇場で出くわしたりしました。
雨だらけの画面を、我慢してみましたね。
いまは、デジタル処理できれいになった映像を、テレビで観れるがありがたいですが、あのころのきたない映画館というのも懐かしいですね。
ねこのひげ
2012/02/01 07:46
ねこのひげさん、こんにちは。

>アテネフランセ
ルイス・ブニュエルとかアラン・レネは幾つかここで観ましたね。

ひと駅離れたところに日仏学院というのがありまして、「突然炎のごとく」を観ましたが、当時は貴重品だったので英語字幕版を立ち見で観て何が何だか解らず、がっくり帰ってきたのを思い出します。

>文芸坐地下
ありましたなあ。
下宿先が大塚だったので、文芸坐までは歩いて行ったものですよ。

>デジタル処理
デジタル・リマスターで最たるものは、「東京物語」など。映像が綺麗なだけではなく、フィルムが全く揺れない。昔の映画を観ている気がしないもので、逆に違和感あり(笑)
オカピー
2012/02/01 19:43

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